- 離職期間が6ヶ月以上だと不利になることも
- 長くても不利になりにくい5つの離職期間の理由
- 印象を悪くしない答え方のコツ4選
- 面接でのOK回答例 >>すぐ確認したい方はこちら

離職期間はどのくらいから長いと思われるの?



育児が落ち着いたから、仕事を再開したいけど離職期間が長くなってしまった……



印象を悪くしない答え方を知りたい!
このようなお悩みがある方も多いのではないでしょうか。離職期間が長くなった理由にはそれぞれの事情がありますが、悪い印象は避けたいですよね。
実は、離職期間の「長さ」より「その間に何をしていたか」を面接官は重視します。
この記事では、離職期間が長くても不利にならない面接対策や答え方のコツ、Ok回答例までわかりやすく解説します。
最後まで読めば、悪い印象にならない答え方がわかり、安心して転職活動を進められます。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
離職期間が長いと不利になる場合がある


離職期間とは、退職してから再就職するまでの期間のことです。空白期間やブランクとも言われます。離職期間が長いと転職では不利になる場合があります。
長いのは「働く意欲がない」や「人柄に問題があるのでは」など応募者に問題や原因があるのではないかと不安視されるからです。離職期間が6ヶ月を超えると、面接官が「長い」という印象を抱く可能性が高まります。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査によると、離職してから転職先に就職するまでの期間は1ヶ月未満がボリュームゾーンで、約85%の人が6ヶ月未満に転職を終えています。
離職してから転職先に就職するまでの期間
- 離職期間なし 26.1%
- 1ヶ月未満 27.6%
- 1ヶ月以上2ヶ月未満 13.3%
- 2ヶ月以上4ヶ月未満 12.9%
- 4ヶ月以上6ヶ月未満 4.6%
「令和2年転職者実態調査」(厚生労働省)を加工して作成
そのため、離職期間が6ヶ月を超える場合は、何らかの対策をして転職活動を進める必要があります。
離職期間が長いと不利になる4つの理由


離職期間が長いことで面接官が不安視するのには理由があります。対策をするためにも理由を知っておきましょう。
- 柔軟性がないのでは
- 応募先企業の評価が低いのでは
- 仕事への意欲が低いのでは
- 仕事の感覚が鈍っているのでは
ひとつずつ解説します。
柔軟性がないのでは
転職先を決めるための希望条件が固まりすぎていて、柔軟性がないのではないかと思われる可能性があります。
柔軟性がない相手とは、仕事をお願いしづらかったりと円滑に仕事が進まないこともあるでしょう。結果として、職場環境が悪化してしまうリスクがあります。また、柔軟性がないと発想力にも期待ができず、仕事のパフォーマンスへの期待値も低くなります。
応募先企業の評価が低いのでは
企業は「応募先企業での評価が低く転職先がなかなか決まらないのでは」と不安に思うこともあります。
転職活動がうまくいかない原因は応募者本人だけではありません。しかしながら、企業は「採用にリスクがある」と判断するのです。どの企業も、あえてリスクをおかしてまで採用したいとは考えません。
仕事への意欲が低いのでは
離職期間が長いと「働く意欲が低いのでは」と思われてしまう場合もあります。仕事への意欲が低く、真剣に転職活動を行っていないため、離職期間が長くなっていると企業は見るからです。
仕事の感覚が鈍っているのでは
離職期間が長いと「仕事の感覚が鈍っているのでは」と懸念されることもあります。
特に、仕事で成果を出すための直感や判断力、コミュニケーション力、さらには作業スピードや優先順位付けなどスキルの低下を心配されることもあるでしょう。
長くても不利になりにくい5つの離職期間の理由


離職期間が長くなった理由によっては、面接官に悪い印象を与えず不利になりにくくなります。不利になりにくい理由は以下のようなものがあります。
- 病気・ケガ
- 育児
- 家族の介護、看病
- スキル・資格取得
- フリーランスとしての活動
面接官が納得するコツとあわせて解説します。
病気・ケガ
病気・ケガは、離職期間が長くなるのはやむを得ないと理解されやすい理由です。
病気・ケガを理由とするときは、現在は回復しており今後は仕事に支障がないことを伝えるのが重要です。医師の意見もあわせて伝えると専門家の意見も加わり、面接官からの信頼度も増します。
育児
育児に専念するために退職をして、その後、子供が成長して手がかからなくなったので転職活動を始めるケースです。
子供が小さいうちは突然の体調不良などで、思うように仕事ができないことも多いでしょう。そのため、落ち着いてから仕事を始めるのは、採用担当者も納得する理由のひとつです。
家族の介護、看病
家族の介護・看病も、やむを得ないとして面接官に理解されやすい理由です。
ただし、面接官は今後は問題なく働けるかを懸念することがあるため「回復した」「他の家族が担当できるようになった」など今後は問題ないことを伝えましょう。
スキル・資格取得
スキルや資格取得に取り組んでいた場合は、前向きな姿勢として伝わり、面接官から好印象につながります。
仕事が忙しいと、なかなか学習時間が取れないこともあります。そんな時、退職してからスキルや資格取得に集中するのは有効な選択肢です。
取得したスキルや資格が、応募企業のキャリアプランにどう役立つかを面接で説明できると、さらに説得力が増します。
フリーランスとしての活動
フリーランスも立派なキャリアです。離職期間が長くても不安に思う必要はなく「仕事の感覚が鈍っているのでは」と懸念される可能性も低いでしょう。
ただし、面接官が「またフリーランスに戻るのでは」と不安に感じる場合があるため、「なぜフリーランスを辞めて、企業で働きたいのか」の明確な説明が大切です。
離職期間が長くても印象を悪くしない答え方のコツ4選


離職期間が長い場合は、離職期間の過ごし方を面接官から質問されることがあります。印象を悪くしないための答え方のコツを解説します。
嘘はつかない
経歴や離職期間の理由など、嘘はつかないようにしましょう。入社手続きや入社後の会話など、どのタイミングで発覚してしまうかわかりません。経歴詐称をして入社後に発覚した場合、職場での信用を失うだけではなく、懲戒解雇となるリスクがあります。
やむを得ない理由は正直に伝える
家族の事情や病気など、やむを得ない理由があるときには、正直に伝えるのが一番です。
伝えるときには、言い訳をせずに事実を簡潔に伝えましょう。その上で「現在は問題がない」と伝えることで、面接官も安心します。
即戦力となることを伝える
仕事の感覚は鈍っていないため即戦力になると伝えましょう。
前職と同じ業界へ転職を希望するのであれば、業界の動向やトレンドについて理解しているとアピールするのも有効です。スキルなどを維持・向上するために努めていることなど、具体的な情報を伝えると良い印象になります。
自信を持って前向きに話す
自信を持って、前向きに話すことも重要です。理由に重点を置いて話をするとネガティブな内容になりやすいため、今後のキャリアプランをメインに伝えることがコツです。
理由については簡潔に答えて、今後は企業に貢献したいと前向きにアピールしましょう。
離職期間が長い場合の面接でのOK回答例


離職期間について質問をされたときに、面接官が納得できる回答例を理由別にご紹介します。
家族の介護、看病
母が体調を崩して看病する必要がありましたので、退職をしました。現在は、母の体調は回復してきており、また父が定年退職により看護できるようになりましたので、転職活動を始めました。今後は仕事に専念できます。
病気・ケガ
病気により体調を崩してしまい、勤務が難しくなったので退職しました。退職後は療養に専念して、現在は全快しております。通院していた医師からも、問題ないと診断を受けておりますので、今後の業務には問題ございません。
スキル・資格取得
キャリアプランについて考え、興味がある業種や職種についてリサーチしていました。結果として、以前より興味があった〇〇〇の仕事を希望しています。〇〇〇には資格が必要だとわかりましたので、退職して資格取得の勉強に専念いたしました。
フリーランスからの転職
フリーランスとして3年間、Webデザインの仕事を請け負ってきました。ただ、一人でできる仕事には限界があり、チームで意見を出し合いながらより大きなプロジェクトに関わりたいと考えるようになりました。そのため、企業で仲間と協力しながらスキルを活かせる環境に戻りたいと思い、転職活動をしています。
離職期間が長くなるのが不安なら、退職前に転職先を確保


離職期間が長くなるのが不安な場合には、転職活動を在職中に済ませ、退職前に転職先を確保しておくのも選択肢です。退職前に転職先を決めておけば、離職期間ができることなく安心して退職ができます。
ただし、転職活動をするタイミングについて、在職中と退職後のどちらがよいかはそれぞれの状況により異なります。
それぞれのメリットとデメリットを知り、あなたにとってどちらがよいか慎重に判断しましょう。
>> 在職中と退職後でのメリット・デメリットについてはこちら
離職期間のよくある質問や疑問
離職期間についてよくある質問や疑問をまとめました。
- 離職期間が長くなった理由を職務経歴書に書いた方がよい?
-
職務経歴書に理由を書くことをおすすめします。書類選考では、職務経歴書だけが離職期間の理由について伝えられる唯一の機会です。理由を書き、次の選考ステップに進めていきましょう。
- 離職期間にリフレッシュしていたときの答え方は?
-
離職期間にリフレッシュをしていた場合は、ただ「休んでいた」と答えるのではなく、「リフレッシュしたことで何を得たか」の説明が大切です。
「休息をとることで、これまでの仕事で改善すべき点や、今後挑戦したことが明確になりました」のように今後の仕事に活かせるよう伝えましょう。
- 離職期間が1年以上あったら転職で不利?
-
離職期間の長さよりも「何をして過ごしていたか」により不利になるかは決まります。離職していた間に何を学んだか伝えることで、面接官が納得する回答にしましょう。
- 離職期間は平均どれくらい?
-
厚生労働省の令和2年転職者実態調査によると、離職してから転職先に就職するまでの期間は1ヶ月未満がボリュームゾーンです。新卒者の採用と比べて、中途採用は選考スピードが早いことから転職活動を早めに終える人が多くなります。
- 離職期間を面接で聞かれない場合はどうする?
-
聞かれない場合は、自分から説明する必要はありません。しかしながら、面接後の選考でマイナス評価になる可能性があるため、理由があるのであれば伝えておくと懸念点になる心配もありません。
まとめ|離職期間が長くても答え方で好印象にできる
この記事では、離職期間が長い場合の対策について解説しました。
長い離職期間は不利になる印象がありますが、面接官は「離職期間に何をしていたのか」を重視します。離職期間が長くなった理由は、前向きな姿勢で伝えるのがポイントです。
印象を悪くしない答え方のコツを押さえて、回答例を使いながら、面接官が納得する離職期間の回答を準備しましょう。

