スムーズに有給が取れる理由の書き方|無難な書き方とおすすめ例文

スムーズに有給が取れる理由の書き方|無難な書き方とおすすめ例文
記事まとめ(要約)

・そもそも有給休暇に理由は不要だが、会社は円滑な組織運営や従業員の安全配慮のために理由を尋ねる

・有給のケース別|おすすめ理由と書き方・例文5選(書き方

・有給申請で避けた方が良い理由

有給の理由はどのように書いたら良い?

理由はどこまで正直に書いた方が良い?

理由を正直に書いたらデメリットはある?

このようなお悩みがある方も多いのではないでしょうか。有給を申請するときは、スムーズに取得できるような書き方にしたいですよね。

実は、有給を取得するのに理由は不要です。ただし、会社は円滑な組織運営や従業員の安全配慮のために理由を確認しています。

この記事では、理由別のおすすめの書き方軽率に使わない方が良い理由有給を断られたときの対処法まで解説します。

最後まで読めば、有給を安心して申請し、スムーズに取得できるようになります。

本記事のライター:伊藤えま

採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。

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目次

有給休暇に理由は必要?法的ルールを解説

そもそも有給休暇を取得するのに理由は不要です。

労働基準法第39条5項は「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時期に与えなければならない」と定めています。そのため、会社は取得理由を問わず、有給の申請を拒否することはできません。

しかしながら、多くの会社が円滑な組織運営や従業員の安全配慮のために、慣習として理由を確認しているのが現状です。取得の理由を尋ねたり、申請書に理由を記載する項目を作り、従業員が潜在的な悩みや問題を抱えていないか確認するのです。

理由を伝える法的な義務はないため「私用のため」と簡潔にするのが一般的です。同じ意味合いで「私事都合のため」もよく使われます。

有給休暇の理由は会社に伝える義務はなく、簡潔に伝えれば問題ありません。

有給のケース別|おすすめ理由と書き方・例文5選

有給の理由は「私用のため」や「私事都合のため」とするのが一般的です。とはいえ、状況によって「私用のため」とするのではなく、少し具体的に書いた方が良い場合もあります。

特に突発での有給では具体的に書くことで、事情を理解してもらい、円滑に取得をしやすくなるメリットがあります。ただし、いずれの理由でも詳細を長く書く必要はありません。

ここでは、よくある有給の理由別におすすめの書き方と注意点をご紹介します。

旅行

リフレッシュのための旅行は、有給の理由としてよくある理由でしょう。土日休みの場合、金曜日や月曜日を有給にしてゆっくりと旅行に行く人も多く見られます。長期休暇中と比べると旅行先が空いており、リラックスしやすいメリットもあります。

旅行による有給は、最近の働き方改革の流れもあり、リフレッシュするための休暇として前向きに捉えられることも増えています。そのため「旅行のため」とストレートに書いても問題ないことが多いですが、上司の考え方により注意が必要な場合があります。なかには「遊びで有給を使うのか」とネガティブに捉える上司もいるため、「私用のため」と書くのも選択肢のひとつです。

家族の行事

子供の入学式や授業参観、家族の誕生日など家族の行事で有給を使うこともあります。特に学校行事は平日に実施されることが多く、会社が土日休みであれば有給を取得して参加する必要があります。最近では、子供の成長が見られる貴重な機会として、母親だけでなく父親も有給を取得しての参加が増えています。

たいていの行事は日程が予め決まっており、個人の都合で日程が変更しづらいため、上司に理解がされやすい理由です。そのため「家族の行事」と書いても悪い印象になることは、ほぼありません。家族を持つ上司であれば、より受け入れられやすくなります。

公的な手続き

役所での手続きや自動車免許証の更新など、公的機関で行う手続きは平日しかできないことも少なくありません。そのため、有給を取得して手続きに行くこともあります。

手続きのための有給取得もよくある理由で「〇〇の手続きのため」で問題ありません。ただし、行事のように特定の日が指定されているわけではないため、繁忙時期に有給を申請すると、上司から日程の変更を提案される可能性があります。会社には時季変更権があり、労働基準法により「事業の正常な運営を妨げる場合」は、会社が他の時季に有給を与えられるとしているからです。

取得日の変更を提案された場合は、手続きの期日を伝え、取得が可能な日程を上司と相談しましょう。

通院

病気やケガを理由とした通院のための有給は一般的な理由のひとつです。また、平日にしか受けられない健康診断や検診のため、通院や入院が必要なケースもあります。

申請理由は「通院のため」とすれば、問題なく認められるでしょう。ただし、病名や症状について上司から尋ねられる可能性があります。会社が従業員の健康を確保するための必要な配慮を行う義務「安全配慮義務」により、従業員の状況を把握する必要があるからです。

まだ病名が確定していないときなど、詳細を伝えたくない場合は「私用のため」とした方が無難でプライバシーが保てます。

冠婚葬祭

家族や友人の結婚式への参列や法事など冠婚葬祭のために有給を使うこともあります。特に遠方に行く必要がある場合は、移動日を含めて数日間の休暇が必要となり、連続した有給を取得して参加する場合もあるでしょう。

「親族の結婚式参列のため」「親族の法事参列のため」のように書くことで、上司も状況を理解してスムーズに有給を取得しやすくなります。冠婚葬祭は、早い段階で日程が決まっていることが多いため、日程がわかった時点で早めに有給を申請することで、よりスムーズに取得できます。

会社の雰囲気や上司の考え方を考慮して伝え方を変えることで、円滑に取得できることもあります。状況に応じて、ベストな理由を選択しましょう。

有給申請で書かない方が良い理由とは?

有給申請の理由により、後々トラブルや人間関係に影響が出ることがあります。有給理由として注意した方が良い理由には、下記のようなものがあります。

  • 嘘の理由
  • ぼんやりとした理由
  • 噂になりそうな理由

それぞれの注意点と書き換え例について解説します。

嘘の理由

会社は、有給の理由によって取得を拒むことはできません。とはいえ、遊びに行くために有給を取る場合など、理由によってストレートに伝えづらいこともあります。また職場の雰囲気や上司との関係性により言いづらいこともあるかもしれません。

しかしながら「嘘」の理由は避けた方が無難です。予期しないところで職場に嘘が発覚してしまうことがあるからです。

遊びに行く途中や行った先で職場の人に会ったり、遊びに行った先での写真をSNS上で見られたりと、思わぬところで嘘がばれるかもしれません。

伝えづらい場合は、嘘をつくのではなく「私用のため」とすればプライバシーが守れます。

ぼんやりとした理由

「リフレッシュのため」や「なんとなく」といった、ぼんやりとした印象を与える理由は控えるのが賢明です。

働き方改革により、最近ではどのような理由でも受け入れやすくなりました。しかしながら、ぼんやりとした理由は上司により「本当は何か隠しているのでは」としつこく理由を聞かれる可能性があります。在職中の転職活動では、有給を使って面接を受けに行くことも多いことから「転職活動をしているかも」と不安視されることもあるかもしれません。

プロジェクトが終わったタイミングなど、特に予定がなくても、リフレッシュのために有給を取ることもあります。その場合は「私用のため」と書くことで、余計な心配をかけることもありません。

噂になりそうな理由

第三者が興味を持ちやすく、噂になりそうな理由はストレートに書くことでトラブルに巻き込まれる可能性があります。

会社の申請ルールによっては、有給休暇の理由が第三者に知られてしまう可能性があるからです。特に、紙での申請や口頭で申請する場合に注意する必要があります。

「裁判に出席のため」や「弁護士との面談のため」といった理由は、憶測での噂が広まりやすい理由です。事実と異なる噂となる場合もあり、職場での人間関係や評価に影響を与える可能性があります。特にプライバシー要素が強い理由は噂になりやすいため「私用のため」とした方が、不要なトラブルに巻き込まれることもなく安心です。

有給を申請するときのマナー

有給を取得するときは、誰もがスムーズに取得したいと考えているでしょう。円滑に有給を取得するためには、周りに迷惑をかけないようマナーを守って有給を取る必要があります。

  • 社内規定に沿って申請する
  • 繁忙期は避ける
  • 業務の引き継ぎをする

項目ごとに詳しく見ていきましょう。

社内規定に沿って申請する

有給の申請方法や申請期限は、会社により異なります。紙の申請書での申請や、社内システム・専用ツールを使った申請も増えています。さらに、承認を得る相手も、上司だけの場合もあれば、複数人の承認が必要なこともあります。申請する前に事前に社内規定を確認し、規定に沿って余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。

規定通りの申請であれば断られるリスクも少なく、希望通りの日程で有給が取りやすくなります。

規定だけではなく、会社の規模や文化によって「希望する日程で有給を取るためのコツ」が存在する職場もあります。申請する前に、職場の先輩や同僚に聞いてみるのが一番確実でしょう。

繁忙期は避ける

繁忙期の有給取得は、出来れば避けた方が良いでしょう。

有給休暇は従業員の権利ですが、繁忙期に申請すると、別の日に取得するよう提案されることがあります。会社には時季変更権があり「事業の正常な運営を妨げる場合」と判断した場合は、会社が他の日程で有給を与えられるとされているからです。

ただし、病気やケガなど突発的でやむを得ない理由は、繁忙期でも優先されます。遠慮して受診を後回しにしていると長引く可能性もあるため、早めに職場に相談しましょう。繁忙期に有給を使うときは「私用のため」とするのではなく、具体的な理由を伝えた方が、理解してもらいやすくスムーズに取得できます。

業務の引き継ぎをする

有給に入る前に、必ず職場の人へ業務の引き継ぎをしましょう。

引き継ぎをしていないと、職場に迷惑をかける可能性があります。有給中、確認すべきことがあると、電話やメール、チャットなど会社から連絡が入り、折角の有給も気が休まりません。

社内だけでなく社外へも事前連絡をした方が良いケースもあります。営業など社外とのやり取りが多い場合は「〇月〇日~〇月〇日は、有給休暇をいただきます」と社外にも連絡することで、相手が「休み明けに連絡しよう」と配慮してくれることも。

ただし、休暇を社外に連絡するかの判断は会社によりルールが異なります。休暇中でも社外からの問い合わせは、担当者が一次対応する風習の職場もあります。自分で判断せず、上司や先輩に確認してから連絡しましょう。

有給申請が断られたときの対処法

有給は労働基準法で定められている従業員の権利で、会社は原則拒否できません。ただし、会社には「時季変更権」があり「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、取得日をずらすよう交渉できます。繁忙期での有給取得や人員が不足している場合など、職場の状況により業務に支障が出ると判断されると断られることがあります。

会社は、取得日をずらす交渉はできますが、取得そのものを断ることはできません。しかし、なかには今でも「うちの会社に有給はない」と言って取得を認めない会社も存在します。

断られたときは、まず断られた理由を聞き「時季変更権」が認められる正当な理由かを確認します。

正当な理由であれば、取得が可能な日程を会社と相談しましょう。「プロジェクトが終わる〇月〇日頃」「業務が落ち着く月の中ごろで〇月〇日」のように、取得できる具体的な日程を提案するのがポイントです。

話し合いがうまくいかない場合や取り合ってもらえない場合は、社内の相談窓口や人事部に相談します。専門部署の力を借りることで解決することもあります。

それでも解決しない場合は、労働基準監督署など外部機関への相談も検討してください。

まとめ|職場の雰囲気や上司との関係、状況によって有給理由の書き方は変えよう

この記事では、有給申請での理由の書き方について解説しました。

一般的に「私用のため」とすることが多く、無難でプライバシーを守れる書き方です。とはいえ、急遽有給を取らなければならない用事ができた場合は、具体的に書くことで上司の理解が得られ取得しやすくなることもあります。

職場の雰囲気や上司との関係、状況によりあなたがスムーズに有給が取れるベストな理由を選択しましょう。

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