簿記3級が難しいと感じる人へ|落ちる原因と一発合格する勉強法

簿記3級が難しいと感じる人へ|落ちる原因と一発合格する勉強法
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記事まとめ(要約)
  • 簿記3級は難しくはないが、簡単でもない
  • 難しいと感じる原因には共通したパターンがある
  • 解く順番は「1→3→2」、時間配分は15・25・20分が基本
  • テキスト1冊+5ステップの勉強法で独学一発合格を狙える

「簿記3級は簡単って聞いてたのに、解けない」
「ケアレスミスばかりで、点数が全然伸びない」
「独学でいけると思ったけど、きつい」

このように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。世間の「簡単」との評判とのギャップに苦しむ人は多く、実際の合格率は35〜40%前後を推移しています。

この記事では、独学・50時間の学習で、100点満点の一発合格を果たした筆者が、挫折しやすいポイントと突破するためのノウハウを解説します。最後まで読めば、今日から実践できるテクニックが身につき、合格率を飛躍的に高められるでしょう。

本記事のライター
伊藤えま
  • 採用・人事歴10年以上
  • 中途採用で900名以上を選考
  • 採用統括責任者として書類選考・面接・採否の決定を担当
  • 人事評価基準の策定・人事考課にも従事
  • 社員のキャリア相談を多数経験
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)

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目次

結論|簿記3級は難しいわけではないが簡単ではない

簿記3級は、国家資格や難関資格と比べれば難易度は高くありません。とはいえ、誰でも簡単に取れるわけでもなく、しっかり勉強しなければ合格できない試験です。決して油断はできませんが、正しく対策すれば十分に攻略可能な難易度といえます。

「簿記3級は簡単」の嘘に傷つかなくていい

結論からいうと「簿記3級は簡単」といった言葉を真に受ける必要はありません。

ネットやSNS では「2週間で合格した」「サクッと取れた」体験談が目立ちます。とはいえ、そういった声は簿記や経理の実務経験者、あるいは数字に強いバックグラウンドを持つ人が発信しているケースが多くみられます。

まったくの初学者が同じペースで進められるとは限らないのです。

「簡単」との評判とのギャップに苦しんでいるなら、それはあなたの能力の問題ではありません。前提知識や得意分野の違いが、体感難易度の差を生んでいるだけです

合格率から見る日商簿記3級の難易度

日商簿記3級の合格率は、おおむね35〜40%前後で推移しています。

参考:商工会議所の検定試験

つまり、受験者の約3人に2人は不合格になっている計算です。誰でも受かる試験と呼ぶには、やや厳しい数字といえるでしょう。

一方で、しっかりと対策すれば合格圏内に入れる試験でもあります。正しい勉強法と十分な勉強量があれば、初学者でも十分に合格を狙えます。「難しすぎて無理」でも「何もしなくても受かる」でもない、対策次第で結果が変わる試験だと理解しておきましょう。

簿記3級はどれくらいの勉強時間で合格できる?レベル別の目安

簿記3級の合格に必要な勉強時間は、一般的に50〜100時間程度が目安とされています。しかし、学習を始める時点での前提知識によって、必要な時間は変動します。

以下の表を参考に、ご自身の状況に合わせた学習計画を立ててみましょう。

状況勉強時間の目安特徴・アドバイス
初心者80〜120時間余裕を持った計画がおすすめ
商業高校出身・数字に強い人40〜80時間仕訳のルールを復習すれば短縮可能
実務経験者30〜60時間実際の業務の流れと結びつけやすい

重要なのは時間の長さよりも、問題演習を中心に継続する学習の質です。

なぜ簿記3級は「普通に難しい」のか?挫折する共通点と突破のコツ

簿記3級でつまずく人には、共通したパターンがあります。難しさの正体を知ることで、突破口を見つけましょう。

専門用語の壁!仕訳のルールに慣れるまでが正念場

簿記の学習でまず多くの人がぶつかるのが、専門用語と仕訳のルールです。

「償却債権取立益」「貸倒引当金繰入」など、日常生活ではほとんど使わない言葉が次々と登場します。さらに、仕訳では「借方と貸方どちら側に来るか」のルールを体に染み込ませる必要があり、最初は混乱するのが当然です。

この壁を乗り越えるコツは、意味を深く考えすぎずに、まず手を動かして慣れることです。仕訳問題を繰り返し解くうちに、ルールが自然と身についてきます。「わからなくて当然」と割り切って進めることが、挫折を防ぐポイントです。

暗記だけでは通用しない「慣れ」が必要

簿記3級は、暗記だけでは合格できない試験です。

たとえば、第3問の決算整理では、複数の処理を正しい順番で組み合わせる必要があります。個々の仕訳を暗記していても、問題の文脈に合わせて応用する力がなければ得点につながりません。

必要なのは問題を繰り返し解く中で、知識を使いこなす感覚を身につけることです。テキストを読むだけで満足せず、必ず問題演習とセットで学習を進めましょう。

1か所の間違いで点数を大きく失いやすい

簿記の試験では、1か所のミスが連鎖して大きな失点につながることがあります。特に第3問の財務諸表問題では、前の計算結果を次の計算に使う構造になっています。そのため、途中で1つミスすると、そこから先の答えがすべてずれてしまうのです

完璧を目指しすぎてプレッシャーを感じる必要はありませんが、丁寧に計算を進める習慣を身につけておきましょう。

時間が足りない

簿記3級の試験時間は60分ですが、実際に解いてみると時間の余裕がほとんどありません。特に第2問・第3問は、問題文を読み解きながら複数の計算をこなす必要があるため、時間との戦いになります。

時間不足を克服するには、問題を数多くこなしてスピードを上げるしかありません。

本番前に模擬問題を繰り返し解き、60分以内に全問解き切る感覚を体に覚えさせることが、合格へのコツです。

簿記3級はネット試験と統一試験どっちを選ぶ?

簿記3級には「ネット試験」と「統一試験」の2種類があります。どちらで受験するかによって、試験の受けやすさや対策が変わります。

2つの試験方式の主な違いは以下のとおりです。

項目ネット試験統一試験
受験頻度随時(好きなタイミングで受験可能)年3回(2月・6月・11月)
受験場所全国のテストセンター指定会場
解答方式パソコン紙に記入
合格発表試験終了後すぐ2~3週間後
問題の難易度統一試験と同程度ネット試験と同程度
受験料3,300円3,300円
申し込み方法CBT-Solutionsの日商簿記専用サイト各商工会議所の指定する方法

試験内容・難易度・受験料に違いはなく、受験タイミングや場所、解答方式などが異なります。

初学者や働きながら勉強する人には、好きな日程で受験できるネット試験がおすすめです。統一試験は年3回しかチャンスがないため、不合格になると次の試験まで数か月待つ必要があります。

一方でネット試験は、不合格でも日を改めてすぐに再挑戦が可能です。また、試験終了後すぐに合否がわかる点も、精神的な負担が少なくて済みます。

ただし、ネット試験ではパソコンへの入力操作に慣れておく必要があります。キーボード入力に不慣れな場合は、事前に模擬問題をパソコンで解く練習を重ねておきましょう。

日商簿記3級を独学で合格したスケジュール

「独学でも本当に合格できるの?」と不安に感じている人に、実際に独学・一発合格を果たした体験をもとにしたスケジュールを紹介します。自分に合うテキスト選びと無理のない学習ルーティンがあれば、独学でも十分に合格できます。

使用テキストは「スッキリわかる」のみ

使用したテキストは、「スッキリわかる 日商簿記3級(TAC出版・滝澤ななみ著)」の1冊のみです。人気のあるテキストが数多くありますが、本屋で複数のテキストを見比べた結果、このテキストに決めた理由は2つあります。

1つ目は、フルカラーでイラストが豊富なため、パッと見たときに内容が頭に入りやすかったこと。2つ目は、著者の滝澤ななみさんのテキストはFP3級・FP2級でもお世話になっており、わかりやすさへの信頼があったことです。

テキスト選びに迷ったら、実際に書店で手に取り、自分が「読みやすい」と感じるものを選ぶのがおすすめです。どれだけ評判が良くても、自分に合わないテキストでは学習が続きません。

合格に必要な勉強時間と無理のない学習ルーティン

実際の勉強時間は約50時間でした。経理の実務経験はあるものの、帳簿や決算の知識はほぼゼロからのスタートです。

一般的に簿記3級の合格に必要な勉強時間は50〜100時間とされており、前提知識によって個人差があります。毎日まとまった時間が取れない場合でも、1日30分〜1時間の積み上げで十分に合格圏内を目指せます。

最近ではスマートフォンで手軽に模試や仕訳演習に取り組めるサイトも充実しており、場所を選ばずアウトプットが可能です。移動時間などの隙間時間を有効に活用しましょう。

第3問・決算も怖くない!つまずきを克服する5ステップ勉強法

簿記3級の中でも特に難しいと感じやすい第3問・決算整理は、正しい順番で勉強を積み上げることで必ず克服できます。実際に一発合格を果たした勉強法を、5つのステップに分けて紹介します。

ステップ1:テキストを読んで、該当する問題をその場で解く

最初のステップは、テキストを読んだらすぐに該当する問題を解くことです。

「テキストを最後まで読んでから問題を解こう」と考える人が多くみられますが、それでは読んだ内容を忘れてしまいがちです。1つの単元を読んだら、その場で関連する問題に取り組むことで、知識が定着しやすくなります

理解があいまいなまま先に進まず、1単元ずつ丁寧に固めていくことが、試験攻略の土台になります。

ステップ2:問題を最初から最後まで通しで解く

テキストを読み終えたら、問題集を最初から最後まで通しで解きます。

このステップの目的は、知識の抜け漏れを確認することです。単元ごとに学んだ内容が、実際の問題形式で解けるかどうかを確かめます。

このとき、間違えた問題や自信がなかった問題には必ずチェックをつけておきましょう。次のステップで効率よく復習するための準備になります。

ステップ3:間違えた問題だけを、解けるようになるまで繰り返す

ステップ2でチェックをつけた問題だけ、完璧に解けるようになるまで繰り返し解きます。

全問を何度も解き直すのは時間がかかりすぎるため、苦手な問題に絞って集中的に取り組むことが効率的です。一か所でも間違えた問題はチェックを残し、2周、3周と繰り返し挑戦しましょう。

チェックがすべて外れるまでの繰り返しが、本番での得点力に直結します。

ステップ4:無料サイトを活用して本試験レベルに慣れる

テキストの問題を解き終えたら、本試験レベルの問題に慣れる練習が必要です。

おすすめは無料サイトの「いぬぼき」です。本試験に近い形式の問題が豊富に揃っており、解説もわかりやすいため、独学でも十分に理解できます。

テキストで学んだ知識を、様々なパターンの問題で試すことで、応用力が身につきます。無料で使えるため、コストをかけずに演習量を増やせる点も魅力です。

ステップ5:模擬試験で問題形式・ネット試験に慣れる

試験の1週間前からは、模擬問題集を使って本番を想定した練習を重ねます。

「スッキリわかる 日商簿記3級」のテキストには2回分の模擬問題が付属していますが、ネット上にも無料で使える模擬問題集が多数あります。

サイト選びのコツは、「なぜその答えになるのか」を理解できる解説があるかどうかです。理解を助けてくれる、質の高い解説があるサイトを上手に組み合わせていきましょう。7回分を目安に取り組むと、問題形式への慣れと時間配分の感覚が身につきます。

ネット試験を受験する場合は、パソコンで解く練習も兼ねられるため、本番のシミュレーションとして特に効果的です。

簿記3級試験の時間配分と解く順番のコツ

簿記3級の試験時間は60分ですが、すべての問題を解ききるには時間の余裕がほとんどありません。解く順番と時間配分をあらかじめ決めておきましょう。

解く順番は「1→3→2」

おすすめの解く順番は、第1問→第3問→第2問の順番です。

第1問は仕訳問題で比較的取り組みやすく、最初に解くことで落ち着いて試験をスタートできるでしょう。続いて配点が高く時間のかかる第3問を早めに着手し、残った時間で第2問を解く流れが最も得点を伸ばしやすい順番です。

第2問を後回しにすることに不安を感じるかもしれませんが、時間のかかる第3問を後半に回すと時間切れのリスクが高まります。

時間配分は15分・25分・20分

各問題の時間配分の目安は以下のとおりです。

  • 第1問:15分
  • 第3問:25分
  • 第2問:20分

この配分を頭に入れたうえで、模擬問題を解く段階から意識的に時間を計る練習をしておきましょう。時間配分の感覚は、繰り返しの練習で自然と身につきます。

時間ロスを防ぐ判断基準

第3問を解いている途中でも、残り時間が20分になったら迷わず第2問に移りましょう。第3問に時間をかけすぎて第2問に手をつけられないまま試験が終わると、大きな失点につながります。第2問を解ききってから時間が余れば、第3問に戻って続きを解けばよいのです。

「解きかけの問題を途中でやめる」ことに抵抗を感じる人もいるかもしれません。ですが、全体の得点を最大化するために必要な判断です。

試験中に冷静に切り替えられるよう練習しておきましょう。

ネット試験で使える「Tabキー」時短テクニック

ネット試験では、入力箇所の移動にマウスを使うより、キーボードのTabキーを使う方が格段に速く操作できます。

画面上の入力欄は限られたサイズであるため、慣れないマウスでの操作は予想以上に時間を浪費し、ストレスです。Tabキーを使えば、スムーズに次の入力欄へ移動できるため、試験全体を通じて時間の節約になります

模擬問題をパソコンで解く練習の際から、意識的にTabキーを使う習慣をつけておきましょう。

満点を狙わなくていい!70点合格を目指す心のゆとり

簿記3級の合格ラインは100点満点中70点です。満点を狙う必要はありません。仕訳の借方・貸方を逆に書いてしまったりしても、そのレベルのミスであれば70点は十分に狙えます。

試験中に「間違えたかも」と感じても、焦らず次の問題に集中しましょう。完璧を目指すよりも、取れる問題を確実に取りにいく意識が必要です。

簿記3級とFP3級はどっちが難しい?

日商簿記3級と並び、ビジネスパーソンの基礎知識として高い人気を誇るのが「FP3級(ファイナンシャル・プランニング技能検定)」です。どちらの資格から挑戦すべきか迷われている人は、それぞれの試験が持つ特性や、得られるスキルの違いを正しく理解することから始めましょう。

2つの資格の主な違いは以下のとおりです。

項目簿記3級FP3級
合格率35〜40%前後47〜86%前後
勉強時間の目安50〜100時間80〜150時間
試験内容仕訳・財務諸表など会計処理税金・保険・年金など生活に関わるお金の知識
活かせる場面経理・会計職・財務関連保険・金融・不動産・幅広い業種
試験方式ネット試験(CBT方式)・統一試験ネット試験(CBT方式)
受験料3,300円8,000円

合格率だけを見ると、FP3級の方が取得しやすい資格といえます。とはいえ、どちらが難しいかは、得意分野や目指すキャリアによって大きく異なります。

数字の計算や会計処理が苦手な方には、生活に身近なお金の知識を扱うFP3級の方が取り組みやすく感じるケースが多いでしょう。一方で、経理・会計職へのキャリアアップを目指すなら、簿記3級の取得が実務の土台となります。

「簿記3級が難しくて挫折しそう」といった理由だけでFP3級に切り替えるのは、キャリアの目標を見失うリスクがあります。まずは自分が何のために資格を取るのかを改めて整理したうえで、どちらの資格を優先するかを判断しましょう

なお、簿記3級とFP3級は学習内容が異なるため、両方の取得でキャリアの幅がさらに広がります。FP3級に興味を持った人は、FP試験の勉強方法についてもチェックしておきましょう。

>> ファイナンシャルプランナー資格3級に独学合格できたコツ

簿記3級の難しさに関するよくある疑問Q&A

簿記3級の難しさについて、よくある質問をまとめました。

不合格で恥ずかしい……何回も落ちるのは才能がないから?

何度不合格になっても、才能のなさが原因ではありません。合格率が35〜40%前後の試験であり、複数回受験する人も多くみられます。勉強方法を見直し、苦手分野を特定して対策を立て直してみましょう。

数学が苦手な人でも簿記3級に合格できる?

合格できます。簿記3級で使う計算は四則演算が中心であり、高度な数学の知識は必要ありません。数字への苦手意識よりも、仕訳のルールや問題形式に慣れることの方が合否に直結します。

簿記3級が「やめとけ」と言われる理由は?

「費用対効果が低い」といった意見が主な理由です。簿記3級単体では転職市場での評価が限定的なケースもあります。ただし、経理職への足がかりや簿記2級取得への下準備として考えれば、十分に取得する価値があります。

事務職に強い他の資格は、以下の記事でまとめました。

>> 事務職への転職に有利な資格8選|未経験でも役立つおすすめ資格

簿記3級で一番難しい分野は?

多くの受験者が第3問の決算整理を最も難しいと感じています。複数の処理を組み合わせる必要があり、1か所のミスが連鎖して失点につながりやすい構造です。問題演習を繰り返して処理の流れを体に染み込ませることが攻略のコツです。

まとめ|簿記3級が難しいと感じた人が今やるべきこと

簿記3級は「難しくはないが、簡単でもない」試験です。世間の「簡単」という評判に傷つく必要はまったくありません。正しい勉強法と時間配分のコツを押さえれば、独学での合格は十分に狙えます。

まずは信頼できるテキストを1冊選び、問題演習を繰り返すことから始めましょう。今日の一歩が、キャリアアップへの確実な足がかりになります。

無事に合格を掴み取ったら、その努力を履歴書で正しくアピールしましょう。資格欄の書き方ひとつで、採用担当者への印象は大きく変わります。

>> 転職用履歴書の書き方完全ガイド|採用担当者が教えるマナーと見本

※本記事に使用しているアイキャッチ画像は、GeminiのAIサービスにより生成された画像を含みます。

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