- 有給の理由は原則「私用のため」で問題ない
- 状況次第で具体的な理由を伝えるとよりスムーズ
- 周囲への配慮と引き継ぎが重要
- 不当な拒否は労基署への相談や転職も視野に入れる
「有給の理由はどう書いたら良い?」
「どこまで正直に書いた方が良い?」
「正直に書いたらデメリットはある?」
このようなお悩みがある方も多いのではないでしょうか。有給を申請するとき、周りの目や上司の反応が気になって、理由の書き方に悩んでしまいますよね。
実は、有給を取得するのに詳しい理由は必要ありません。会社が理由を聞いてくるのは嫌がらせではなく、業務の引き継ぎやサポートをスムーズに進めるためです。
この記事では、理由別のおすすめの書き方や軽率に使わない方が良い理由、有給を断られたときの対処法まで解説します。最後まで読めば、上司に嫌な顔をされず、スムーズに有給を申請できるようになります。

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有給休暇に理由は必要?法的ルールと基本の理由の書き方

そもそも有給休暇を取得する際、会社側に詳細な理由を告げる義務はありません。労働基準法では、労働者が請求した時季に有給休暇を与えることを定めており、取得理由によって会社が申請を拒否することは法的に不可能だからです。
(年次有給休暇)
第三十九条
⑤ 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
それでも多くの企業が理由欄を設けているのは、業務をスムーズに回すための慣習です。また、従業員が体調不良などの悩みを抱えていないか早期に発見してサポートするという目的もあります。
理由を事細かに説明する必要はなく、申請時の書き方は簡潔な表現で統一するのがビジネスマナーとして一般的です。
- 私用のため
- 私事都合のため
会社に理由を伝える法的義務はないという前提を知っておくだけで、有給申請の心理的ハードルはグッと下がるでしょう。
【ケース別】コピペで使える有給理由のスマートな書き方5選

有給の理由は「私用のため」や「私事都合のため」とするのが一般的です。とはいえ、状況によっては少し具体的に書いた方が良い場合もあります。特に突発的な有給では具体的に書くことで、事情を理解してもらい、円滑に取得しやすくなるメリットがあります。
いずれの理由でも詳細を長く書く必要はありません。以下では、よくある有給の理由別におすすめの書き方と注意点を紹介します。
旅行
心身をリフレッシュするための旅行は、有給の定番です。土日休みの場合、金曜日や月曜日を有給にしてゆっくりと旅行に行く人も多く見られます。働き方改革が進む現代では、リフレッシュ目的の旅行を理由に有給を取得することは一般的になりつつあります。
しかし、中には古い価値観から「遊びでの有給取得」を快く思わない上司がいるのも事実です。不要なトラブルや突っ込みを避けるためにも、申請書には一言「私用のため」と記載するのが賢い選択です。
家族の行事
子供の入学式や授業参観、家族の誕生日など家族の行事で有給を使うこともあるでしょう。特に学校行事は平日に実施されることが多く、会社が土日休みであれば有給を取得して参加する必要があります。
たいていの行事は日程が予め決まっており、個人の都合で変更しにくいため、上司から理解を得やすい理由です。特に同じように家庭を持つ上司であれば、より快く送り出してくれるはずです。
公的な手続き
役所での手続きや自動車免許証の更新など、公的機関での手続きは平日しかできないケースが多々あります。こちらもよくある理由の一つなので、申請には「〇〇の手続きのため」と書いて問題ありません。
ただし、学校行事のように日付の指定がないため、繁忙期に申請すると上司から日程の変更を提案される可能性があります。取得日の変更を提案された場合は、手続きの期日を伝え、取得できる日程を上司と相談しましょう。
通院
病気やケガを理由とした通院による有給取得は一般的なケースです。また、平日にしか受けられない健康診断や検診により、通院や入院が必要な場合もあります。申請理由は「通院のため」とすれば、問題なく認められるでしょう。
ただし、病名や症状について上司から尋ねられる可能性があります。会社が従業員の健康を確保するための「安全配慮義務」に基づき、状況を把握する必要があるからです。まだ病名が確定していないときなど、詳細を伝えたくない場合は「私用のため」とした方が無難でプライバシーが保てます。
冠婚葬祭
家族や友人の結婚式への参列や法事など冠婚葬祭のために有給を使うこともあります。特に遠方に行く必要がある場合は、移動日を含めて数日間の有給を連続取得するケースもあるでしょう。
「親族の結婚式参列のため」「親族の法事参列のため」のように書くことで、上司も状況を理解しスムーズに取得しやすくなります。冠婚葬祭は日程が早い段階で決まっていることが多いため、日程がわかった時点で早めに有給を申請することが、よりスムーズな取得につながります。
会社の雰囲気や上司の考え方を考慮して伝え方を変えることで、円滑に取得できることもあります。状況に応じて、ベストな理由を選択しましょう。
会社に突っ込まれる?有給理由で避けるべきNGな書き方

有給申請の理由により、後々トラブルや人間関係に影響が出ることがあります。有給理由として注意した方が良いのは以下の3つです。
- 嘘の理由
- ぼんやりとした理由
- 噂になりそうな理由
嘘の理由
会社は有給の理由によって取得を拒むことはできません。とはいえ、遊びに行くためなど、理由によってはストレートに伝えづらいこともあります。また、職場の雰囲気や上司との関係性により言いづらいこともあるかもしれません。
しかしながら「嘘」は避けた方が無難です。思わぬところから職場にバレるリスクがあるからです。「体調不良」と言って休んだのに、遊びに行った先でばったり同僚に会ったり、SNSの投稿から発覚したりするケースもあります。
伝えづらい場合は、嘘をつくのではなく「私用のため」とすればプライバシーが守れます。
ぼんやりとした理由
「リフレッシュのため」や「なんとなく」といった、ぼんやりとした印象を与える理由は控えるのが賢明です。働き方改革により、最近ではどのような理由でも受け入れやすくなりました。しかしながら、ぼんやりとした理由だと、上司から「本当は何か隠しているのでは」としつこく質問される可能性があります。
在職中の転職活動では、有給を使って面接を受けに行くケースも多いことから「転職活動をしているかも」と不安視されるかもしれません。特に予定がなくリフレッシュのために有給を取る場合も、「私用のため」と書くことで余計な心配をかけることもありません。
噂になりそうな理由
第三者が興味を持ちやすく、噂になりそうな理由はストレートに書くことでトラブルに巻き込まれる可能性があります。会社の申請ルールによっては、有給休暇の理由が第三者に知られてしまう可能性があるからです。特に、紙での申請や口頭で申請する場合には注意が必要です。
「裁判に出席のため」や「弁護士との面談のため」といった理由は憶測での噂が広まりやすく、事実と異なる噂となって職場での人間関係や評価に影響を与える可能性があります。プライバシー要素が強い理由は「私用のため」とした方が、不要なトラブルに巻き込まれることもなく安心です。
チャット対応!気配りを徹底した有給理由の書き方マナー
最近はSlackやTeams、LINE WORKSなどのチャットツールで有給を申請する職場が増えています。チャットでの申請は手軽な反面、文面が短くなりがちなため、相手に素っ気なく冷たい印象を与えてしまうことがデメリットです。
上司に余計な心配をかけたり、配慮不足だと思われたりしないよう、以下の良い例と悪い例を参考にしてみてください。
NG例のように用件だけで済ませてしまうと、上司は「急ぎの案件や引き継ぎは大丈夫か」と不安になるかもしれません。引き継ぎ状況や不在時の連絡先を一言添えることで、上司も安心して承認を出せます。周囲への配慮を文面に少し書き添えるだけで、お互いに気持ちよく、好印象で有給を取得できるようになります。
書き方だけじゃない!周囲に配慮した有給理由の伝え方とマナー

有給を取得するときは、誰もがスムーズに取得したいと考えているでしょう。円滑に有給を取得するためには、周りに迷惑をかけないようマナーを守ることが大切です。
- 社内規定に沿って申請する
- 繁忙期は避ける
- 業務の引き継ぎをする
社内規定に沿って申請する
有給の申請方法や申請期限は会社により異なります。紙の申請書での申請や、社内システム・専用ツールを使った申請も増えています。さらに、承認を得る相手も上司だけにとどまらず、複数人の承認が必要なこともあります。
申請する前に事前に社内規定を確認し、規定に沿って余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。規定通りの申請であれば断られるリスクも抑えられ、希望通りの日程で有給を取得しやすくなります。
繁忙期は避ける
繁忙期の有給取得は、できれば避けた方が良いでしょう。有給休暇は従業員の権利ですが、繁忙期に申請すると別の日に取得するよう打診されることがあります。会社には「時季変更権」があり、「事業の正常な運営を妨げる場合」と判断した場合は、会社が他の日程で有給を与えられるとされているからです。
繁忙期に有給を使うときは「私用のため」とするのではなく、具体的な理由を伝えた方が理解してもらいやすくスムーズに取得できます。
業務の引き継ぎをする
有給に入る前に、必ず職場の人へ業務を引き継ぎましょう。引き継ぎをしていないと職場に迷惑をかける恐れがあります。有給中に確認すべきことがあると、電話やメール、チャットなど会社から連絡が入り、折角の有給も気が休まりません。
社内だけでなく社外へも事前連絡をした方が良いケースもあります。営業など社外とのやり取りが多い職種では「〇月〇日~〇月〇日は、有給休暇をいただきます」と社外にも連絡することで、相手が「休み明けに連絡しよう」と配慮してくれることもあります。
休暇を社外に連絡するかの判断は会社によりルールが異なります。休暇中でも社外からの問い合わせは担当者が一次対応する風習の職場もあります。自分で判断せず、上司や先輩に確認してから連絡しましょう。
有給の理由を伝えても申請が断られたときの対処法

有給は労働基準法で定められた従業員の権利であり、会社は原則として拒否できません。ただし、会社には「時季変更権」があり、どうしても業務に支障が出る場合に限り、取得日をずらすよう交渉する権利があります。もし有給を断られたら、以下の3つのステップで対応しましょう。
1. 正当な理由での時季変更か確認する
断られたときは、まずその理由を聞き、会社側の主張が正当なもの(繁忙期や深刻な人手不足など)かを確認します。会社に認められているのはあくまで日程をずらす交渉であり、取得そのものを拒否することはできません。今でも「うちの会社に有給はない」などと言い張る場合は違法です。
2. 別の日程をこちらから提案してみる
断られた理由に納得がいくものであれば、取得可能な別の日程をこちらから提案しましょう。
- 「プロジェクトが終わる〇月〇日頃はどうですか?」
- 「業務が落ち着く月の中ごろの〇月〇日に変更します」
具体的な日付を提示して交渉するのが、スムーズに休みを取得するコツです。もし上司と直接話し合うのが難しい場合は、社内の人事部やコンプライアンス相談窓口へ相談してください。
3. 解決しない場合は労働基準監督署への相談や転職を検討
社内で話し合ってもラチが明かない、または有給の申請自体を揉み消されるような場合は、外部機関の労働基準監督署(労基署)への相談も視野に入れてください。相談する際は「いつ、誰に、どんな理由で有給を拒否されたか」がわかる履歴やメモを残しておくのが確実です。
>>退職を言い出せないときの対処法|怖さを和らげる準備と例文集
有給理由の書き方で迷う人のよくある疑問Q&A
有給の理由の書き方に悩む人から寄せられる、よくある質問をまとめました。
- 「私用のため」と書いたら、上司にしつこく理由を聞かれた、正直に答えるべき?
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正直に答える必要はありません。有給取得時に詳細な理由を告げる法的義務は存在しないため、「私用のため」で十分です。しつこく聞かれた場合は「プライベートな用事がありまして……」と笑顔で濁すのが大人の対応です。
- 転職活動の面接のために有給を取る場合、理由は「私用のため」で大丈夫?
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「私用のため」で問題ありません。転職活動は個人の自由であり、会社へ報告する義務はありません。正直に伝えると、引き止めや待遇悪化などのトラブルに発展する恐れがあります。
- 理由を「私用のため」にしたら、有給を却下されることはある?
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理由を「私用のため」としたことが原因で却下されることは、法的にありません。却下された場合、理由は書き方ではなく「その日だとどうしても業務が回らない(時季変更権)」会社側の事情です。
まとめ|職場に合わせた有給理由を選びスムーズな書き方で申請
この記事では、有給申請での理由の書き方について解説しました。一般的に「私用のため」とすることが多く、無難でプライバシーを守れる書き方です。とはいえ、急遽有給を取らなければならない用事ができた場合は、具体的に書くことで上司の理解を得られ、取得しやすくなるケースもあります。
職場の雰囲気や上司との関係、状況によってスムーズに有給を取得できるベストな理由を選びましょう。
もし退職に向けて有給消化を検討している人は、こちらの記事も参考にしてください。
>>会社に有給を買い取る義務はある?退職時に認められるための交渉方法
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