
転職で使う履歴書は手書きとパソコンどちらが良い?



手書きは面倒……手書きのメリットはある?



手書きでの注意点は?
このようなお悩みはありませんか?
履歴書について指定がない場合、手書きとパソコンのどちらで作成したら良いのか迷いますよね。
かつては「履歴書は手書き、職務経歴書はパソコンで作成」が一般的でしたが、現在、履歴書をパソコンで作成しても不採用になることはほぼありません。応募先に合わせて使い分けることで、より効果的にあなたをアピールできます。
この記事では、履歴書について、手書きとパソコンの使い分け方やそれぞれのメリット・デメリット、手書きする際の注意点まで解説します。
最後まで読めば、どちらが適しているかがわかり、好印象になる履歴書が作れるようになります。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
転職の履歴書は手書きとパソコン作成どちらが良い?


履歴書は、手書き・パソコン作成どちらでも問題ありません。応募先企業にあわせて変えるのがオススメです。
かつては「履歴書は手書き、職務経歴書はパソコンで作成」が一般的でした。しかしながら、現在では履歴書をパソコンで作成したことで不採用となることは、ほぼありません。むしろ企業によっては、パソコンでの作成により好印象を与えることがあります。
ここでは、どちらにするか悩んだときの選び方について解説します。
指定がある場合は従う
現在でも、企業によっては「手書きの履歴書」を指定されることがあります。指定がある場合には従いましょう。指定に従わないことで「指示を守れない人」と判断され、不採用となることがあるからです。
手書きを指定する企業は、応募者の文字から人柄や丁寧さを見る目的があります。
また、応募先ごとに手間をかけて作成することから、応募者から企業へ熱意を伝えられます。
履歴書の手書きをおすすめする企業
履歴書の形式に指定がない場合は、応募先に合わせて選びましょう。伝統的な企業や中小企業の一部では、今も「手書き」が好まれることがあります。これは、かつての慣習が残っており、丁寧さや熱意が伝わると考えられているからです。
手書きが好まれるのは、下記のような企業です。
- 伝統を重んじる企業、老舗企業
- 社員の平均年齢が高い企業
履歴書のパソコン作成をおすすめする企業
一方、パソコンで作成した履歴書が評価されやすい企業もあります。IT業界やベンチャー企業では効率性を重視しており、資料はパソコンで作成するのが一般的です。パソコンで作成された履歴書は、データで管理や共有がしやすく業務を効率化します。
パソコンで作成した履歴書は、下記のような企業に好まれる傾向があります。
- IT業界
- ベンチャー企業
- 外資系企業
履歴書を手書きする方がおすすめの人
応募先で選ぶだけでなく、あなたに合うかどうかで選ぶ方法もあります。特に、手書きの文字に自信がある人や丁寧な文字を書く人は、手書きがオススメです。文字は人柄を表すため、あなたの人となりを伝えられる機会になるからです。
文字からの印象は、選考における第一印象に大きく影響します。履歴書は選考の入口になることが多く、最初に好印象を与えることで他の応募者との差別化にも繋がります。
転職の履歴書で面接官は何を見ている?


面接官は、履歴書で職歴や資格など基本情報だけでなく、人柄や仕事への姿勢を見ています。
誤字脱字や雑な印象を受ける履歴書は「仕事も雑なのか」とマイナスな印象に繋がるかもしれません。一方、丁寧に作られた履歴書は、礼儀正しく誠実な印象を与えられます。
また、写真の切り方や貼り方をチェックする面接官も多く見られます。写真が直線に切られていなかったり、曲がって貼ってあったりすると、だらしない印象を与え、良くない評価になるでしょう。
転職の履歴書を手書き・パソコン作成するメリット・デメリット


履歴書の作成で、手書き・パソコンのそれぞれにメリットとデメリットがあります。それぞれの違いを理解して、応募先やあなたに合う方法を選択しましょう。
転職の履歴書を手書きするメリット・デメリット
履歴書の手書きは、下記のようなメリットが期待できます。
- 文字で人柄や個性を伝えられる
- 熱意を伝えられる
一方、デメリットは下記のようなものがあります。
- 企業ごとに書くため手間と時間がかかる
- 丁寧に作成しないと印象が悪くなることがある
- 基本的なPCスキルがアピールできない
転職の履歴書をパソコンで作成するメリット・デメリット
履歴書をパソコンで作成するメリットは、下記のようなものがあります。
- 修正や変更が簡単
- 基礎的なPCスキルがアピールできる
- 手書き文字に自信がなくてもバレない
一方で、デメリットもいくつかあります。
- 他の応募者との差別化がしづらい
- 熱意が伝わりづらい
転職の履歴書を手書きするときの6つのコツ・注意点


好印象を与える手書きの履歴書は、どうすれば作れるのでしょうか。実は、下記のちょっとしたコツと注意点を押さえるだけでグッと良くなります。
- 手書きではコピー不可
- 印刷サイズはフォーマットの推奨サイズに従う
- 黒の油性ボールペンで書く
- 丁寧に書く
- 西暦・和暦は統一する
- 修正テープは使わない
ひとつずつ解説します。
手書きではコピー不可
履歴書は企業ごとに作成するのが基本です。そのため、手書きの場合は、応募する企業ごとに新しく書いて、原本を提出しましょう。
手書きの履歴書をコピーして提出すると「非常識だ」と判断され、不採用につながることがあります。企業ごとに新しく作成する手間を惜しまず、あなたの熱意を伝えましょう。
印刷サイズはフォーマットの推奨サイズに従う
フォーマットを使用する場合は、推奨サイズで印刷しましょう。推奨サイズでの印刷を想定してレイアウトが整えられています。サイズを変更して印刷すると、書きづらく見づらい履歴書になる可能性があります。
また、企業から用紙サイズの指定があるときは、指定サイズ=推奨サイズのフォーマットを選びましょう。
黒の油性ボールペンで書く
履歴書は黒の油性ボールペンで書きましょう。公的な書類に最もふさわしい色で、にじみにくく読みやすいからです。
消せるボールペンは履歴書に適していません。摩擦や熱でインクが消える仕組みのため、途中で文字が消えてしまったり、時間の経過で読みにくくなったりするリスクがあります。
丁寧に書く
達筆である必要はありませんが、丁寧に文字を書きましょう。あなたがどのような人柄か文字に表れ、丁寧に書かれた履歴書からは、礼儀正しく誠実な人柄が伝わります。
誤字脱字がなく、細部まで丁寧に書かれている履歴書は、仕事においても正確で抜け漏れがない人物とイメージできます。丁寧に書かれた履歴書は、入社後の仕事ぶりを想像させる重要な手がかりにもなります。
西暦・和暦は統一する
職歴欄や資格欄など「年」の表記は、西暦・和暦のいずれかに統一します。
表記が統一されていないと、計算して時系列を確認する必要があり、読みづらく相手に負担をかけます。内容が正確に把握できない場合もあるかもしれません。
修正テープは使わない
履歴書に誤字脱字があっても、修正テープや修正ペンは使えません。履歴書は公的な書類であり、正しい修正方法ではないからです。
訂正印を使用した訂正は可能ですが、手間を省いた印象になり、熱意が伝わりづらくなります。誤字脱字を見つけたら、手間はかかりますが、新しい履歴書に書き直しましょう。
厚生労働省作成|手書きで使える履歴書フォーマット(テンプレート)ダウンロード
履歴書のフォーマット選びで迷ったときは、厚生労働省が作成したフォーマットがおすすめです。公正な採用選考となるよう、2021年4月にJIS規格から下記の点が変更となりました。
- 性別欄は任意で記載できる
- プライバシー要素が非常に高い「通勤時間」「扶養家族・配偶者」の欄がない
出典:厚生労働省ホームページ
転職の履歴書での手書きについてよくある質問や疑問
履歴書の手書きについてよくある質問や疑問をまとめました。
- 転職の履歴書は「手書きじゃないから落とす」会社はある?
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手書きでないと不採用とする会社は、現在ほぼありません。ただし、企業から指定があり、指定通りでないと不採用となる場合があります。
- 転職の履歴書は手書きだと選考で有利になる?
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手書きの履歴書が、選考で有利になるとは限りません。応募先や仕上がり次第により評価は異なります。企業ごとに手書きとパソコン作成は使い分けましょう。
- 転職の履歴書と職務経歴書は手書きで統一した方が良い?
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履歴書と職務経歴書の作成方法は統一しなくても問題ありません。熱意とPCスキルの両方をアピールするために、手書きとパソコンで分ける場合もあります。
- 転職の履歴書を手書きにこだわる会社は時代おくれ?
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履歴書を手書きにこだわる会社が時代遅れとは限りません。選考基準は企業により異なり、社風からも影響を受けます。社会的な評価だけでなく、あなたの基準で企業を選ぶことが大切です。
まとめ|転職の履歴書は、応募先にあわせて作成方法を選ぼう
この記事では、手書きの履歴書について、選び方や作成するコツを解説しました。
以前は「履歴書は手書き」とされていましたが、現在はどちらでも問題ありません。応募先にあわせて、手書きとパソコンを選ぶことで効果的にあなたをアピールできます。
応募先からの指定がないか確認し、企業に合う作成方法で、好印象に繋がるコツを押さえながら履歴書を作成しましょう。



