・パソコンがなくても転職活動はスマホだけで完結できる
・履歴書や職務経歴書はアプリやテンプレートを使ってスマホで作成可能
・Web面接もスマホやiPadでスムーズに受けられる
・パソコンは最低限の場面で使えば効率的に進められる(どうしてもパソコンが必要な場合の選択肢)
「転職活動を始めたいけど、パソコンがなくて不安……」
「履歴書ってスマホで作れるの?」
「プリントアウトはどうするの?」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。スマホで進めると、選考に不利になるのではと不安になりますよね。
実は、スマホ1台あれば書類作成からWeb面接まで、ほとんどの作業をこなせるのが今の時代です。
この記事では、履歴書・職務経歴書をスマホで作る方法や、印刷の方法、必要な場面だけパソコンを活用するテクニックまで解説します。
最後まで読めば「パソコンなしでも転職活動はできる」と自信が持てるようになります。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
転職活動にパソコンは必要?スマホだけでできること・できないこと

転職活動は「パソコンが必須」と思いがちですが、実際にはスマホだけで進められる場面も増えています。特に若い世代では、パソコンを持っていない人も少なくありません。ここでは、スマホでできること、逆にパソコンが必要になりやすい場面を整理します。
スマホでできること
スマホ1台でも転職活動の基本は進められます。求人検索や応募はもちろん、転職エージェントへの登録や担当者とのやり取りも可能です。具体的には次のような作業はスマホだけで完結します。
- 転職サイトでの条件検索と応募
- Web履歴書や職務経歴書の作成、写真添付
- Web面接(Zoom・Teams・Google Meet)
- 転職エージェントとのメッセージ・メール連絡
最近の転職サイトやアプリは操作が簡単で、スマホだけで書類作成や応募が完結するものも増えています。移動中や空き時間に作業できるため時間を有効活用できます。パソコンがなくても、求人チェックから応募、面接まで一連の流れを進めることが可能です。
パソコンが必要になりやすい場面
スマホだけでできることは多いですが、効率や正確性の面でパソコンがあった方が便利な場面もあります。パソコンの方が効率的に進められる作業には以下のようなものがあります。
作業 | スマホでの注意点 |
---|---|
履歴書や職務経歴書の作成 | 長文作成や表作成が大変、編集ミスのリスクあり |
PDF編集 | 細かいレイアウト調整が難しい |
複数求人の比較 | 画面が小さいため比較しづらい |
パソコンは作業効率や全体の見やすさで優れていますが、スマホでも入力や応募は可能です。大切なのは「必要な場面ではパソコンを使う」柔軟な考え方です。
最近はスマホで完結できる転職サービスも増えている
スマホ中心で進められる転職サービスは年々増えています。マイナビ転職やdodaのアプリでは、履歴書・職務経歴書をスマホで作成でき、写真添付やPDF保存も簡単です。また、企業とのやり取りもアプリ内やLINEで完結することが多く、パソコンを使わずに応募から面接まで進められます。
- Web面接もスマホ対応アプリで受けられる
- クラウド保存で修正や再応募が容易
- 通知やスケジュール管理もスマホで一括
ただし、長文入力や複雑な表の作成はパソコンの方が効率的です。スマホだけでも十分ですが、パソコンスキルをアピールできる書類の作成や効率を高めたい場合は、パソコンを補助的に使うと良いでしょう。
パソコンがないときの履歴書・職務経歴書の作成方法

履歴書と職務経歴書は、アプリの活用やテンプレートの使用で、パソコンがなくてもスマホで作成できます。
履歴書をアプリなどスマホで作る方法
スマホアプリを使えば、履歴書作成は簡単です。入力と写真添付だけで完成するアプリが多く、PDF保存やコンビニ印刷もできます。
- 氏名・住所・学歴・職歴の入力
- スマホで写真撮影して貼り付け
- PDF形式で保存、コンビニや自宅プリンターで印刷
- テンプレートを使えばレイアウトもきれい
- 例文を使って伝わりやすい文章に
印刷できるコンビニはアプリにより違いがあり、一部のコンビニのみ対応のアプリもあります。複数のコンビニに対応しているアプリを選べば、印刷する場所を選ばず安心です。さらにクラウド保存を活用すれば、修正や再応募もスマホ1台で管理可能です。
パソコンがなくても、見栄えの良い履歴書を作れるため、安心して応募できます。
職務経歴書をスマホで作る方法
職務経歴書は履歴書と比べて文字量が多く、表や箇条書きを用いた方がわかりやすくなる場合があります。スマホで作る場合は、次のような工夫をすると良いでしょう。
- GoogleドキュメントやWordアプリのテンプレ-トを活用
- dodaなど転職サイトのWebフォーマットを活用
- 箇条書き中心で簡潔にまとめる
読みやすくするため、改行や見出しを意識し長文は避けるのがポイントです。職務経歴書を作成した翌日以降に内容をチェックするのもおすすめです。時間が経つことで、客観的な視点で確認でき、誤字や不自然な言い回しに気づきやすくなります。
こうすることで、パソコンで作った書類に近い完成度を実現できます。
スマホで作った書類を印刷する方法
作成した書類は、おもに以下のような方法で印刷可能です。
- コンビニプリント(PDFや画像対応)
- 自宅プリンター(Wi-Fi印刷)
どちらが良いか迷ったときは、コンビニのマルチコピー機での印刷がおすすめです。家庭用のプリンターと違い、インク切れや故障の心配も少なく、高画質で印刷可能です。QRコードをマルチコピー機にかざすだけで簡単に印刷できます。また、印刷できる用紙サイズも、A3やA4など応募先からの指定に合わせて選べるのが利点です。
面接で印刷した応募書類が急に必要になった場合でも、スムーズに印刷できるため安心できます。
パソコンがない場合手書きはアリ?ナシ?
パソコンがない場合、手書きで応募書類を作成する選択肢もあります。とはいえ、手書きは不利になることがあるため、目的や書類の種類によって作成方法を判断すると安心です。
履歴書
手書きでも問題ありません。手書きの文字で人柄がわかるため、かえって応募先によって好印象になることもあります。ただし、文字が丁寧で読みやすいこと、誤字脱字がないことが大前提です。雑に書かれた履歴書は評価が下がるため注意しましょう。
職務経歴書
文字量が多く、表や箇条書きで整理する必要があるため、基本的にはスマホやパソコンで作成するのがおすすめです。手書きだと修正が難しく、レイアウトも整えにくいため、採用担当者に読みづらい印象を与える可能性があります。
最近では、スマホやタブレットで簡単に書類作成ができるアプリも充実しており、手書きにこだわらずデジタルで作成するのが効率的です。履歴書は手書きでも良いですが、職務経歴書はデジタル作成を基本と考えましょう。
ハローワークで利用できるサービス
パソコンがない場合でも、ハローワークで求職申し込みをしている場合、館内に設置されたパソコンで履歴書や職務経歴書を作成できるサービスもあります。作成した書類は持参したUSBに保存したり、印刷して持ち帰ることも可能です。
さらに、ハローワークでは履歴書・職務経歴書の作成講座が定期的に開催されています。初めて書類を作成する方でも書き方を学べるのは大きなメリットです。求人検索や応募だけでなく、面接対策や職業相談も併せて利用できるため、スマホでは補えない部分をフォローできます。
ハローワークのフル活用で、パソコンを持っていなくても書類作成から応募、相談まで一連の転職活動をサポートしてもらえます。
転職活動におけるWeb面接はパソコンなしでも大丈夫?

コロナ禍を経て近年はWeb面接が一般的になり、スマホやタブレットで参加する応募者も増えています。スマホやタブレットで参加する場合は、画面の見やすさや安定性の工夫でパソコンと変わらない環境を作れます。ここからはスマホやタブレットでWeb面接を受ける方法や注意点を解説します。
スマホ・タブレットでWeb面接を受ける方法と工夫
パソコンがなくてもスマホやタブレットを使えば十分にWeb面接を受けられます。ただし、事前の準備や環境作りを怠ると、通信トラブルや印象の低下につながることも。以下の手順で準備を整えましょう。
ZoomやTeamsなど、面接で指定されたアプリを事前にインストールし、音声・カメラをテストします。
データ通信だけに頼るのはリスクがあるため、Wi-Fi環境を選びましょう。電波の安定しないカフェや移動中の環境はおすすめできません。
スマホスタンドやタブレット用カバーで端末を固定し、カメラが目線の高さに合うように調整します。下から映すと暗い印象になるので注意が必要です。
白い壁や片付いた部屋を背景にし、自然光かデスクライトで顔が明るく見える環境を作ります。
服装は対面面接と同じようにビジネスにふさわしいスーツが基本です。背筋を伸ばして落ち着いて話すよう心がけましょう。
こうした準備をすれば、スマホでもタブレットでも安心してWeb面接に臨めます。
スマホ面接で気をつけたいポイント
スマホでWeb面接を受けるときは、以下の点に注意して準備を進めましょう。
- 充電・電源対策:フル充電または電源ケーブルをつないでおく
- 通知音オフ:着信や通知音を事前に切って集中できる環境にする
- カメラ位置:目線の高さに固定し、自然な表情が伝わる角度に調整
- 視線の工夫:画面ではなくカメラを見て話し、アイコンタクトを意識
- 通信トラブル対策:別回線や再接続方法、トラブル時に連絡する採用担当者の連絡先を確認しておく
ちょっとしたポイントで印象が大きく変わり、好印象につながります。
転職活動でどうしてもパソコンが必要な場合の選択肢

スマホだけでも転職活動は可能ですが、効率や完成度を重視するのであればパソコンがあると便利です。ここでは短期的な利用方法やレンタル・購入の選択肢をご紹介します。
短期的にパソコンを使う方法
「数回だけ書類作成や応募で必要」との場合、短期利用が便利です。
- 友人や家族のパソコンを借りる
- ネットカフェのパソコン席を利用する
- ハローワークなど公共施設や図書館のパソコンを一時利用する
これらはコストを抑えつつ、必要な作業だけパソコンで行える方法です。事前にWi-Fiなどネット接続の有無やUSB持参の可否を確認しておくと効率的に進められます。
ただし、共用パソコンでは個人情報の入力や履歴書データの保存に注意が必要です。利用後はログアウトを徹底し、データはUSBやクラウドに保存して端末にデータは残さないようにしましょう。セキュリティ対策を意識すれば、短時間の利用でも安心して必要な作業を進められます。
レンタルPCやサブスクサービスの活用方法
レンタルやサブスクでパソコンを利用する方法もあります。
- 短期レンタル:1日~数週間単位で借りられる
- サブスク:月額料金でノートパソコンを利用できる
レンタルの場合、たいていは初期セットアップが完了している状態で届くため、電源を入れるだけですぐに利用できます。借りたパソコンをそのまま購入できるサービスを提供している会社もあります。転職活動の期間中だけ必要な場合は、レンタルやサブスクでの利用からはじめるのも良いでしょう。
購入するならどんなパソコンがおすすめ?
転職活動用にパソコンを購入する場合、Web面接や書類作成、求人検索が快適にできる性能があれば十分です。高性能マシンは必要なく、ビジネス向けでコストパフォーマンスの良いモデルを選ぶのがポイントです。
推奨スペック | |
---|---|
OS | Windowsがおすすめ |
ストレージ | 256GB以上(SSD推奨) |
メモリ | 8GB以上 |
タイプ | 軽量ノートパソコン |
カメラ・マイク | 内蔵モデルがおすすめ |
バッテリー | 長時間駆動できるもの |
コスト | 高性能は不要、ビジネス向けで十分 |
タブレットやiPadで代用できる?
タブレットやiPadでも、アプリやタブレットアクセサリを利用して、パソコンに近い環境を作れます。
- WordやExcelアプリで履歴書・職務経歴書を作れる
- Web面接もできる(スタンド使用で目線調整)
- 外付けキーボードを利用すると入力効率が上がる
ただし、複雑な表やレイアウト調整はパソコンより操作がしづらく、制限される場合があります。軽量で持ち運びが便利なため、外出用のサブ機としては有効ですが、作業内容によりパソコンも併用すると安心です。
パソコンがなくても転職活動を成功させるコツ

パソコンがなくても転職活動を行うことはできます。ここでは、パソコンがなくても転職活動を成功させるコツを解説します。
スマホをアプリなど最大限活用する
スマホだけで進める場合はアプリを活用すると、移動中や空き時間を活用し、スマホだけでも効率的に進められます。
- 転職サイトの公式アプリで求人検索と応募
- 履歴書・職務経歴書作成アプリで簡単に作成
- クラウド保存で修正や再応募もスムーズに
マイナビ転職やリクナビNEXTなど転職サイトのアプリを使えば、検索〜応募、面接の日程管理までスマホで完結します。スマホの機能やアプリを最大限使えば、パソコンがなくても効率的に活動できます。
ハローワークや転職エージェントをフル活用
ハローワークや転職エージェントを利用するのも、パソコンがない場合には有効です。各種サポートやアドバイスを活用して、手間を減らしながら効率的に活動できます。
ハローワークでは館内パソコンで履歴書や職務経歴書を作成でき、印刷やUSBへのデータ保存が可能です。また、転職エージェントでは、求人紹介から応募手続き、応募先とのやり取りの代行まで対応しています。さらに、面接対策や応募書類の添削までサポートを受けられるので初めての転職活動でも安心です。
このように、公的サービスやエージェントのフル活用で、パソコンを持っていなくても不利になることなく転職活動を進められます。
必要最低限の場面だけパソコンを利用する柔軟さ
パソコンとスマホを必要に応じて使い分けて、必要最低限の場面だけパソコンを利用する柔軟なスタイルが、効率的な転職活動につながります。応募書類の作成や複数求人の比較など一部の場面ではパソコンの方がスムーズに行えるからです。
履歴書や職務経歴書の最終チェックはパソコンで行い、印刷はスマホを使ってコンビニプリントを利用するのも良いでしょう。パソコンは画面が大きく、文字のレイアウトや段落の崩れ、フォントの不揃いなど細かいミスを見つけやすいのが利点です。パソコンで作成したデータをクラウドでスマホに送っておけば、万が一履歴書を忘れたときでも外出先で印刷可能です。
このように必要最低限の場面だけパソコンを使う柔軟さで、コストや手間を抑えながら効率的に転職活動を進められます。
転職活動でパソコンがない場合のよくある質問や疑問
転職活動でパソコンがない場合のよくある質問や疑問をまとめました。
- スマホで応募すると不利になる?
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基本的に、スマホから応募が理由で不利になることはありません。最近の転職サイトや企業の応募フォームはスマホ対応が進んでおり、応募書類もスマホから問題なく提出できます。ただし、文字入力の誤りや書類のフォーマット崩れには注意が必要です。提出前の確認で、スマホでも安心して応募できます。
- エージェント面談はスマホでも問題ない?
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転職エージェントの面談はスマホでも十分に対応可能です。多くのエージェントがオンライン面談に対応しており、スマホからビデオ通話やWeb会議ツールで面談を受けられます。ポイントは、通信環境を安定させることと、カメラの角度や目線への注意です。静かな場所を選び、通知音をオフにしておくと集中できます。
- パソコンがないときに注意する応募マナーは?
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パソコンがないときに注意すべき応募マナーには以下のようなものがあります。
- 応募書類の誤字脱字やフォーマット崩れをチェックする
- メールやアプリでのやり取りは敬語を正しく使う
- 添付ファイルはPDFで送る
応募するデバイスに限らず、マナーを守ることで印象は十分に良くなります。
- プリンターは多少無理してでも買った方がよい?
-
スマホからコンビニで印刷ができるため、近くにコンビニがある場合は、無理にプリンターを購入する必要はありません。状況に応じて柔軟に判断しましょう。
まとめ|パソコンがなくても転職活動は可能!ただし効率は工夫次第
この記事では、転職活動でパソコンがない場合の対処法について解説しました。
スマホだけでも転職活動は十分可能で、応募書類の作成、応募、Web面接、応募先とのやり取りまで対応できます。ただし、効率や見栄えを高めたい場合は、必要に応じて短期利用でパソコンを活用する工夫が効果的です。
ハローワークや転職エージェントもフル活用し、スマホとパソコンのメリットをうまく組み合わせましょう。