正社員がLINEで退職を伝える際の注意点|拒否された時の解決策も

正社員がLINEで退職を伝える際の注意点|拒否された時の解決策も
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記事まとめ(要約)
  • 退職は原則、対面で伝えるのが基本
  • どうしても難しければLINEで伝える方法も有効
  • 丁寧な言葉遣いと証拠の保存でトラブルを防ぐ
  • もし無視や拒絶されても法律に基づいた解決策がある

「上司が怖くて退職を切り出せない」
「対面ではなくLINEで退職を伝えたい」
「LINEで退職を伝えるのは非常識?」

このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に20代や30代の正社員女性にとって、LINEで退職を伝えるのは「非常識」と罪悪感があるかもしれません。

しかし、結論から言うと、正社員であってもLINEでの退職の意思表示は法律的に有効です。ただし、進め方を間違えると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあります。

この記事では、LINEで退職を伝える際の法的な根拠や、角を立てない具体的な例文、万が一拒否されたときの対処法まで解説します。

あなたが自分の心身を守り、新しい一歩を踏み出すためのガイドとして、ぜひ最後まで読み進めてください。

本記事のライター
伊藤えま
  • 採用・人事歴10年以上
  • 中途採用で900名以上を選考
  • 採用統括責任者として書類選考・面接・採否の決定を担当
  • 人事評価基準の策定・人事考課にも従事
  • 社員のキャリア相談を多数経験
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)

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目次

正社員がLINEで退職を伝えても法律的に大丈夫?【結論:有効】

「退職の連絡は対面でするのが当たり前」との風潮がありますが、精神的な限界を感じているときにルールを厳守するのは困難です。まずは、LINEでの退職の連絡が法的にどのような扱いになるかを正しく理解し、不安を取り除きましょう。

法律上はLINEでの退職意思表示も有効

民法第627条では、期間の定めのない雇用契約(正社員など)において、労働者はいつでも解約の申し入れができるとされています。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。

出典:e-Govポータル

重要なのは「退職したい」意思が会社側に伝わることであり、伝える手段については法律で特定の形(書面や対面など)が指定されているわけではありません。

したがって、LINEであっても上司や会社がそのメッセージを確認できる状態であれば、法的には退職の意思表示として有効に成立します。

正社員ならLINEは面談のアポ取りとして使うのが基本

正社員が円満な退職を目指すのであれば、LINEは退職を完結させる手段ではなく、まずは「相談や面談のお願い」として活用するのがベストです。

なぜなら、多くの企業では依然として「大事な話は直接、あるいは電話で伝えるべき」とのビジネスマナーが根付いているためです。いきなりLINE一通で完結させようとすると、上司の感情を逆なでしてしまい、その後の手続きや引き継ぎ交渉がスムーズに進まなくなるリスクがあります。

具体的には、LINEで「今後のことで大切なお話があるため、お時間をいただけないでしょうか」と面談の日程調整を依頼しましょう。これにより、マナーを守りつつも相手が逃げられない状況を作り、確実に退職へのステップを進められます。

まずはLINEを直接話すための入口として使い、ワンクッション置くことが、結果として自分の負担を減らすことにつながるのです。

こちらの記事では、面談の場でスムーズに切り出せる「退職の伝え方」について、そのまま使える具体的なフレーズを解説しています。

>> 退職を言い出せないときの対処法|怖さを和らげる準備と例文集

就業規則によってはLINEのみでの退職が認められないケースも

注意点として、勤務先の就業規則を確認しておく必要があります。規則内に「退職届は所定の書面をもって提出すること」といった具体的な手続きが明記されている場合があります。この場合、LINEのメッセージだけでは社内手続きとして受理されない可能性があるため注意が必要です。

もちろん、LINEでの連絡も「退職の意思を伝えた記録」としての価値は十分にあります。しかし、最終的には会社指定の書類提出を求められるケースが多いと覚えておきましょう。

LINEで退職を伝えるのが「非常識」ではない3つのケース

本来であれば対面で伝えるのが望ましい退職の連絡ですが、状況によってはLINEが正当な手段となる場合があります。特に以下のようなケースでは、非常識とはなりません。

パワハラや威圧的な上司により対面で話すのが難しい場合

上司から日頃から怒鳴られたり、威圧的な態度を取られたりしている場合、対面で退職を切り出すのは大きな恐怖が伴います。このような環境では、正常なコミュニケーションが困難であり、無理に対面を選んで精神的に追い詰められる必要はありません。

自分を守るための防衛策として、記録に残るLINEやメールでの連絡は、決して非常識なことではないのです。

深刻な人手不足で引き止めが厳しく精神的な限界を感じる場合

深刻な人手不足の現場では、退職を伝えた途端に強い引き止めにあうことが予想できます。そうしたストレスから身を守るため、LINEでの連絡には以下のようなメリットがあります。

  • 感情的な衝突の回避
  • 意思表示の記録化
  • 精神的な余裕の確保

文字で伝えることで、対面特有の「言いくるめられる不安」を解消し、自分の意思を確実に形に残せます。

心身の健康を優先すべき緊急事態はLINE連絡も正当な手段

朝起きて体が動かない、涙が止まらないといった症状が出ている場合は、心身が限界を迎えているサインです。まずは何よりも「あなたの安全と健康」を最優先に確保しましょう。

状況に応じた連絡手段の妥当性は以下のとおりです。

自分の状況推奨される行動
心身ともに限界LINEで欠勤と退職意思を送信
対面だと震えるLINEで面談の調整、または意思表示
多少の対話は可能LINEでアポを取り、後日電話や面談

心身に異常が出ている場合は、マナーよりも自分の健康を優先した連絡手段を選んで問題ありません。

【状況別】LINEで退職を伝える際の具体的な例文

LINEで退職を伝える際は、相手との関係性や自分の体調に合わせて文面を選びましょう。ここでは、角を立てずに済む例文とメッセージのコツを紹介します。

まずは面談の機会を作ってほしいと伝える例文

円満退職を目指すなら、まずはLINEでアポイントを取り、直接話す場を設けるのが理想的です。

例文
お疲れ様です。
今後について折り入ってご相談したいことがあり、お時間をいただけないでしょうか。
近日中に15分ほど対面もしくはお電話で調整いただけますと幸いです。

ポイント
  • 相談の体裁をとる
  • 時間の目安を伝える
  • 手段の選択肢を提示する

このように連絡を入れれば、ほとんどの上司は「退職の相談かもしれない」と意図を汲み取ってくれるはずです。大切な相談であることを強調し、まずは対話の場を設けてもらいましょう。

パワハラなどで出社が難しくLINEで退職意思を伝える例文

精神的な限界により、これ以上の出社や対面での会話が困難な場合は、LINEで退職の意思を明確に伝えます。

例文
お疲れ様です。
本来であれば直接お伝えすべきところ、体調不良によりLINEでのご連絡となること、深くお詫び申し上げます。
誠に勝手ながら、一身上の都合により〇年〇月〇日をもちまして退職させていただきたく、お願い申し上げます。

ポイント
  • LINE連絡の非礼を詫びる
  • 退職の意思を示す
  • 退職日を特定する

このように、やむを得ない事情がある場合は、まずは礼儀を欠いたことへのお詫びをしっかりと言葉にしつつ、誠実な態度で退職の意思を伝えましょう。

上司への配慮を示しつつ角を立てないお詫びの文章術

「非常識だ」と思われないためには、相手への配慮(クッション言葉)を添えるのが効果的です。

たとえば、これまでの感謝を伝える一言を添えるだけで、受け取る側の印象は大きく変わります。「本来であれば対面で……」「ご迷惑をおかけして心苦しいのですが……」といった表現を使うことで、悩んだ末の決断であることを伝えられます。

感情をぶつけるのではなく、一貫して事務的かつ丁寧な言葉遣いの維持が、不要なトラブルを防ぐ最大のポイントです。

LINEで意思を伝えた後は、スムーズに受理してもらうための正式な退職届も準備しておきましょう。以下の記事では、そのまま使える退職届のテンプレートと正しい書き方を詳しく解説しています。

>> 退職届の日付で失敗しない!トラブルを防ぐ正しい書き方と例文

LINEで退職意思を送る際の注意点とマナー

LINEは手軽なツールだからこそ、節度を持った対応が求められます。送信ボタンを押す前に、以下のポイントを必ずチェックしましょう。

フランクな言葉遣いは避けビジネスマナーを徹底する

威圧的な上司が相手の場合、感情的にならず、あえて「丁寧すぎるくらいの事務的な敬語」を使うのが安全です。

  • 語尾を「です・ます」で整える
  • スタンプや絵文字は使わない
  • 「辞めます」ではなく「退職いたします」
  • 退職理由は「一身上の都合」とする

きちんとした言葉遣いを選ぶことで、あなたの本気度と、揺るぎない決意を明確に示すことにつながります。感情に流されない態度は、相手に交渉しても難しい印象を与え、引き止めや不必要な口出しを抑える効果があります

送信後の既読確認とスクリーンショットでの証拠保存

LINEでの連絡で大切なのは、伝えた証拠を残しておくことです。

保存するものなぜ必要なのか
送ったメッセージの画面いつ、どんな内容を送ったか証明するため
「既読」がついた画面相手が内容を読んだことを確認するため
相手からの返信その後のトラブルや引き止めの記録にするため

万が一「そんなこと聞いていない」と言われたときでも、画像があればあなたの正当性が証明できるので安心です。

会社支給のスマホや連絡ツールがある場合の優先順位

もし会社からスマホを貸与されていたり、仕事用のチャットツール(Slackなど)があったりする場合は、まずはそちらから連絡しましょう。仕事用のツールは業務の連絡として正式に認められやすいためです。

まずは仕事用のツールを優先し、もし反応がなかったり、どうしても送りづらかったりする場合に、個人用のLINEを使うとスムーズです。

LINEで退職を伝えるときのNG例

自分を守るためとはいえ、以下のような送り方は余計なトラブルを招く恐れがあるので注意しましょう。

  • みんながいるグループラインに送る
  • 深夜や早朝など、非常識な時間に送る
  • 会社や同僚の悪口を書いてしまう
  • 送ってすぐに相手をブロックする

少しでもスムーズに職場を離れるために、相手を不必要に怒らせるような行動は避けておくのが賢明です。

LINEで退職を伝えて拒否されたり既読無視された時の対処法

勇気を出してLINEを送ったにもかかわらず、上司から無視されたり「認めない」と突っぱねられたりすれば、絶望的な気持ちになってしまうかもしれません。

ですが、決して諦める必要はありません。たとえ会社が受け入れを拒否しても、法律に基づいて確実に辞める方法は残されています。

退職届を内容証明郵便で会社へ送付する

LINEを送っても反応がない、あるいは「そんなもの認めない」とはねのけられてしまった場合は、郵便局の内容証明郵便を利用して退職届を送りましょう。

内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が公的に証明してくれるサービスです。この郵便制度を利用して退職届を送ることで、会社側の「届いていない」「中身を見ていない」といった言い逃れを防げます

また、法律上、退職の意思表示は相手に到達した時点で成立します。たとえ会社が受け取りを拒否したとしても、郵便局の記録によって退職の意思を伝えた事実を法的に立証できるのです。

LINEを無視されたからといって退職を諦める必要はありません。退職届を作成し、内容証明で郵送することが、法律で認められたあなたの権利を守り、退職を成立させるための確実な方法です。

労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」へ相談する

自力での解決が難しいと感じたら、公的な窓口の力を借りるのも一つの手です。各都道府県にある労働局の総合労働相談コーナーでは、専門の相談員がスムーズに退職するためのアドバイスをくれます。

相談のメリット内容
客観的なアドバイス法律に基づいた正しい解決策がわかる
会社の違法性の確認退職拒否が法的にどう扱われるか判断できる
無料・予約不要誰でも気軽に電話や窓口で相談できる

関連リンク:総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

一人で悩まずプロへの相談で、「自分は間違っていない」確信が持て、精神的な安定につながります。

弁護士へ相談する

もし会社から「損害賠償を請求する」といった不当な脅しを受けている場合は、迷わず弁護士へ相談してください。

弁護士はあなたの代理人として、会社と直接交渉をする権限を持っています。上司と直接やり取りすることなく、退職手続きはもちろん、未払い賃金の請求や有給休暇の交渉まで、すべての一任が可能です。

費用は発生しますが、理不尽な恐怖から解放され、精神的な平穏を最短で取り戻すためには有効な選択肢といえます。

LINEで退職を伝えるときのよくある疑問Q&A

LINEで退職を伝える際、手続きやその後の人間関係で不安に思うことは多いはずです。よくある質問をまとめました。

LINEで退職を伝えたら「無責任だ」と怒られない?

LINEで退職を伝えると「マナー違反だ」「無責任だ」と責める上司もいますが、過度に恐れる必要はありません。

そもそもLINEを使わざるを得ないほど追い詰められている現状こそが問題であり、退職の手段を理由に人格を否定される筋合いはありません。退職は法律で認められた労働者の権利であり、手段によって権利が無効になることはありません。

批判は一時的な感情によるものと割り切り、自分の心身を守ることを最優先に考えましょう。

LINEを送った後に出社するのが気まずい時の対処法は?

職場への影響を抑えるためにも、LINEで意思を伝えた後も、可能な範囲で出社して引き継ぎを済ませるのが理想的です。業務の流れを整理し、後任への申し送りをすることで、スムーズに退職できます。

ただし、パワハラなどで顔を合わせるのが怖く、どうしても出社が難しい場合は、欠勤や有給休暇を申請する方法もあります。「体調不良のため、退職日まで休ませていただきます」と伝え、自分の心を守ることを優先しましょう。

即日退職したい場合もLINEで伝えて良い?

原則として法律では2週間前の告知が必要ですが、心身の限界でどうしても明日から出社できない場合は、正直にその状況を伝えましょう。会社側との合意さえ得られれば、即日退職も法律上認められています。

無理をして体や心を壊してしまう前に、今の自分にとって何が最善なのかを第一に考え、会社に相談してみましょう。

退職の連絡をしてLINEをブロックされた場合はどうなる?

こちらから連絡した後に上司からブロックされた場合、それは「退職の意思を受け取った」証拠になります。LINEには既読機能があるため、ブロックされる前に既読がついていれば、意思表示は完了したとみなされます。

万が一、その後の事務連絡が取れなくなって困る場合は、会社の代表電話や人事宛に「上司と連絡が取れないため」と添えて、書面で退職届を郵送しましょう。

相手が感情的にブロックしても、退職の手続き自体が止まることはありませんので安心してください。

まとめ|LINEでの退職連絡は状況次第、無理に対面にこだわらなくていい

退職の連絡は、本来であれば対面や電話で伝えるのが一般的なマナーです。しかし、パワハラなどで心身が限界なときは、無理をせずLINEを有効な手段として活用しましょう。丁寧な言葉選びと確実な証拠保存を意識すれば、自分を守りつつ次のステップへ進めます。

まずは退職日を決め、文面の準備から始めましょう。

※本記事に使用しているアイキャッチ画像は、GeminiのAIサービスにより生成された画像を含みます。

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