FP2級の試験方法が、2025年4月1日からCBT方式へ完全移行しました。
ペーパー方式との違いがわからず、不安に思う方も多いのではないでしょうか。

CBT方式は、なにか注意することはある?
重ねてきた努力を、存分に発揮できるのか心配になりますよね。
安心して試験に臨むためには、CBT方式の特徴や注意点を理解し、攻略のコツを抑えることが大切です。
この記事では、FP2級をCBT方式で受験する方向けに、注意点や攻略のコツ、当日の流れについて詳しく解説します。
CBT試験についての疑問を解消して、自信をもって試験に臨みましょう。
FP2級のCBT方式とは?
2025年4月1日からFP2級で導入されたCBT方式とは、テストセンターでパソコン上で回答する形式のことです。
CBT方式は、従来のペーパー試験に代わる試験方式として、FPをはじめ様々な試験に導入されています。
CBT方式では、受験チャンスの増加などメリットが多くあります。
しかし、CBT方式ならではの注意点もあるので、事前の準備が欠かせません。
FP2級でのペーパー方式とCBT方式の共通点


FP2級のCBT方式は、試験形式が変わるだけで、試験内容や合格基準、時間、受験資格などは従来と同じです。
試験内容
- 学科
ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継
- 実技
【日本FP協会】:資産設計提案業務
【金財】:以下からから1つ選択
個人資産相談業務
中小事業主資産相談業務
生保顧客資産相談業務
損保顧客資産相談業務
合格基準
- 学科
60点満点中36点以上
- 実技
【日本FP協会】:100点満点中60点以上
【金財】:50点満点中30点以上
試験時間
- 学科
120分
- 実技試験【日本FP協会・金財】
90分
受験資格
次のいずれか1つに該当する人は受験できます。
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務に関して2年以上の実務経験がある人
・日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した人
・厚生労働省認定 金融渉外技能審査3級の合格者



時間が従来と同じなので、余裕がなくなったように感じます
FP2級をCBT方式で受ける3つのメリット


CBT方式に移行したことで、3つのメリットがあります。
受験チャンスが増える
試験日が増えたことで受験のチャンスが増えました。
ペーパー方式では年3回の実施でしたが、CBT方式では随時(年末年始、3月の1ヶ月間と5月下旬の休止期間を除く)試験を受けられるようになります。
受験のチャンスが増えたことで、他の資格とのスケジュール調整など柔軟に設定できます。
試験会場が多く通いやすい
全国に約360箇所あるテストセンターで受けられます。
自宅や勤務先の近くで受けられるので、移動の負担も軽減されます。
結果をすぐ確認できる
結果をすぐに確認できることもメリットです。
試験が終了したタイミングで、すぐにパソコン上に点数が表示されます。
分野ごとの点数が記載されたスコアレポートで、分野ごとの点数も確認できます。
正式には合格発表日での確定となりますが、試験後すぐに合格見込みがわかることで、次のステップの準備もスムーズに進みます。
FP2級をCBT方式で受けるときの4つの注意点
メリットがあるCBT方式ですが、注意点もあります。
学習開始前に試験の申し込みを済ませておく
学習をはじめる前の段階で、先に試験の申し込みを済ませておきましょう。
先に目標となる試験日を設定することで、モチベーションを高めて効率よく学習が進められます。
パソコン操作に慣れる必要がある
CBT方式は、パソコンを使用して回答する形式なので、パソコン操作に慣れておく必要があります。
カーソル移動やクリックなどのマウス操作や、キーボード操作ができれば問題ありません。
パソコン上の電卓に慣れておく
パソコン上で操作する電卓にも慣れておきましょう。
電卓は試験会場に持ち込みができないので、パソコン上の電卓で計算をする必要があります。
使い慣れた電卓とは使い勝手が異なり、パソコン上の電卓で戸惑うと計算ミスや時間ロスに繋がる恐れがあります。
参考書に特典としてついている模擬試験プログラムや、FP2級ドットコムなどサイトでの電卓操作で、事前に慣れておけば安心です。
記述式はパソコンに入力する
実技の一部の問題は、記述式での回答となり、CBT方式では回答をそのまま入力します。
入力ミスで点数を落とすことがないよう、数字の入力には注意しましょう。



PC上の電卓は、慣れてないと使いづらいと感じる人が多いよ!
FP2級は「金財」と「日本FP協会」どっちで受けた方が良い?
FP2級試験を実施している団体は、「金財(金融財政事情研究会)」と「日本FP協会」があります。
「金財」と「日本FP協会」は、実技試験の過去問を見て、解きやすいと思った方を選びましょう。
出題される分野が異なるので、得意とする分野で受験できます。
また問題数、傾向にも違いがあるので、どちらが解きやすいかは、人によって違います。
実技試験の過去問や回答は、各試験団体のサイトで公開されています。目を通して、どちらが自分に合っているかを判断して、申し込みする団体を選びましょう。
CBT方式でのFP2級の申し込み方法


CBT方式でのFP2級の申し込みは、金財・日本FP協会どちらとも、CBTソリューションズのサイトで申し込みをします。
受験を希望する団体の申請ページに、CBTソリューションズへのリンクがあります。
概要や注意点などの詳細を確認した後に、申し込み手続きをしましょう。
試験当日の流れと攻略のコツをチェック!CBT方式のFP2級
日本FP協会で、実際にCBT方式のFP2級を受験してきました。
試験当日の流れと、具体的な攻略のコツについて解説します。
受験時刻の30分〜15分前に会場に入ります。
あまり早い時間だと、会場に入れない場合もあります。
会場には、待機するスペースがあまりありません。直前まで参考書などを確認したい方は、カフェなど別の場所を利用すると良いでしょう。
本人確認書類以外は、すべて鍵付きのロッカーで保管します。
自席への持ち込みが認められているのは、本人確認書類のみです。
筆記用具とメモ用紙は、受付で貸し出しされます。
会場によって、イヤーマフや耳栓を貸し出ししている場所もあります。
外からの音が気にならなくなるので、試験に集中しやすくなりおすすめです。
自席についたら、会場で渡されるログイン情報を入力してログインします。
チュートリアルと試験開始のボタンがそれぞれ表示されます。
まずはチュートリアルを開始して、画面の表示や操作方法を確認します。
チュートリアルは試験時間に含まれませんので、時間を余すことなく使いましょう。
このタイミングで、電卓の操作をテンキーで確認しておくと安心です。
チュートリアルが終了したら、試験開始です。
パソコンには現在時刻は表示されませんが、残り時間が表示されます。
CBT方式になったことで、問題用紙に印などを書き込むことが出来なくなりました。
メモ用紙を活用して、問題番号と選択肢の〇×を書いておくと、あとで見直しがしやすくなります。


試験時間が終了、もしくは試験を終了するボタンをクリックすると試験が終了します。
自動で採点がはじまり、パソコン上に点数が表示されます。
最後に、受付でスコアレポートを受け取り、試験は終了です。



学科と実技を同じ日に受けることも可能です
FP2級に合格する勉強時間の目安


FP2級に合格する勉強時間の目安は、150時間〜300時間とされています。
目安時間に幅があるのは、知識や実務経験、資格の有無により人によって必要な勉強時間に違いがあるからです。
独学でも十分に合格は可能です。
忙しい方は、有料講座を活用して効率よく学習を進める方法も有効です。
FP2級のCBT方式に関するよくある質問
FP2級のCBT方式に関する質問をまとめました。
- 貸し出されるメモ用紙のサイズは?
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受験する会場により異なる可能性がありますが、A4サイズの用紙が1枚貸し出しされました。
試験終了後に、メモ用紙は回収されます。
- 学習するテキストは最新のものを買った方が良い?
-
最新のテキストでの学習をおすすめします。
試験日ごとに法令基準日が決まっており、2025年6月〜2026年2月までの試験では、法令基準日が2025年4月1日です。
古いテキストでは、法令が古いので問題や解説などの内容に違いがあります。
まとめ|FP2級のCBT方式は対策して臨もう
この記事では、FP2級のCBT方式について解説しました。
CBT方式は、柔軟な受験が可能になるなど、多くのメリットがあります。
ただし、パソコンで受ける方式なので、CBT方式ならではの注意点とコツがあります。
この記事を参考に、事前に対策をして、安心して試験に臨んでください。