- 一般事務と営業事務の違いは?
- 一般事務と営業事務の仕事内容の違い
- 一般事務と営業事務の給与の違い
- 一般事務と営業事務のそれぞれに向いている人・向いていない人
- 一般事務と営業事務、どちらを選ぶべきかの2つの判断ポイント

一般事務と営業事務の違いがわからない……



どちらが向いているのかな?
このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
違いを曖昧にしたまま応募してしまうと「思っていた仕事内容と違った」と後悔してしまうこともあります。
一般事務と営業事務は、どちらも社内を支える大切な仕事ですが、サポートする対象に大きな違いがあります。
この記事では、仕事内容や給与の違いやそれぞれに向いている人、どちらを選ぶべきかの判断のポイントについてわかりやすく解説します。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。
採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
自分に合うのはどちらかがわかり、後悔のない仕事選びができるようになります。
一般事務と営業事務の違いは?


一般事務と営業事務の違いは、業務でサポートする対象が大きく違います。
企業により差がありますが一般的に、一般事務のサポートは社内全体を対象にしており、営業事務は営業部門のサポートです。
サポートする対象の違いにより主にやり取りをする相手にも違いがあります。
一般事務は社内とのコミュニケーションがメインですが、営業事務では社外との交渉も多くなります。
営業事務には、外部との対応スキルが求められます。
一般事務と営業事務の仕事内容の違い


仕事内容は共通している業務もありますが、それぞれメインの業務に違いがあります。
それぞれの主となる業務を見てみましょう。
一般事務
- 社内文書作成
- データ入力
- 来客・電話対応
- 備品管理
営業事務
- 受発注業務
- 見積書・請求書の作成
- 納期調整
- 在庫管理
- 問い合わせ対応
一般事務と営業事務で求められるスキルや資格の違い


同じ事務職ですが求められるスキルや資格にも違いがあります。
一般事務と営業事務では、メインの業務が異なるからです。
それぞれで求められるスキルや資格を解説します。
一般事務
PC作業が含まれるためPC操作スキルが求められます。
社内文書を作成するためのWordスキルや、データ入力ではExcelスキルが必要です。
基礎的なスキルを証明できるMOSの一般レベル(アソシエイト/スペシャリスト)程度が要求されます。
加えて、やり取りは社内がメインとはいえ、基本的な報連相のコミュニケーション力が求められます。
営業事務
一般事務と比較して、より高度なPC操作スキルが求められます。
入力だけではなくデータを効率的に活用できるようなExcelの関数やマクロのスキルが評価されます。
MOSの上級レベル(エキスパート)を取得していると高く評価されるでしょう。
また、社外の対応も多くなるので調整力や専門知識、複数のタスクが同時に発生することもあるため優先順位を判断する能力も評価されます。
一般事務と営業事務の給与の違い


給与で比較すると、営業事務の方がやや給与が高い傾向です。
営業事務の方が専門性が求められるため報酬が良いと推察されます。
- 一般事務の基本給 30.8万円
- 営業事務の基本給 31.8万円
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001224440&tclass2=000001225782&tclass3=000001225788&tclass4val=0)
一般事務と営業事務の有効求人倍率の違い


有効求人倍率は、営業事務の方が高くなっています。
営業事務は企業も積極的に雇用を進めているので、求人を選びやすいのが特徴です。
2025年5月 有効求人倍率
- 一般事務 0.61倍
- 営業事務 1.68倍
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450222&tstat=000001020327&cycle=1&tclass1=000001230185&tclass2val=0)
有効求人倍率:
ハローワークにおける求職者1人に対して、何件の求人があるかを示す指標。
1倍を上回れば「求職者<求人数」、1倍を下回れば「求人数<求職者」を意味する。
一般事務と営業事務のそれぞれに向いている人・向いていない人


それぞれに業務が異なることから、向いている人と向いていない人の特徴にも違いがあります。
一般事務
一般事務に向いている人と向いていない人の特徴です。
・向いている人
- コツコツと進める作業が得意な人
- ルーチンワークが好きな人
- ワークライフバランスを重視したい人
・向いていない人
- 変化を求めている人
- 他の人と関わるのが極端に苦手な人
- スピード重視の環境が好きな人
営業事務
営業事務に向いている人と向いていない人の特徴はこちらです。
・向いている人
- チームで協力しながら進めるのが好きな人
- 誰かをサポートするのが好きな人
- 正確な作業が得意な人
- マルチタスクが苦にならない人
・向いていない人
- 他の人と関わるのが苦手な人
- 突発業務が苦手な人
- 細かい作業が苦手な人
- わかりやすい成果が欲しい人
一般事務と営業事務、どちらを選ぶべきかの2つの判断ポイント


どちらが自分に合っているか考えるときには下記のポイントで判断しましょう。
- 自分への適性
- 将来のキャリアプラン
それぞれのポイントについてわかりやすく解説します。
自分への適性
どちらが自分に合っているかどうかを軸にして判断しましょう。
業務内容に違いがあるので、人によって向き不向きがあります。
ワークバランスを重視するのであれば、ルーチンワークが多めの一般事務がおすすめです。
残業が少なく働き方が安定しやすいので、プライベート時間が確保できるのが魅力です。
感謝を言われることがやりがいと感じる人は営業事務が向いています。
取引先の依頼への対応が多いので、感謝の言葉を直接かけてもらう機会が多くなります。
仕事への価値観を明確にして選択基準にしましょう、
将来のキャリアプラン
将来のキャリアプランでの違いで考えるのも一つの方法です。
一般事務と営業事務では、5年後・10年後の働き方に違いがあります。
一般事務では役職は限られていますが、プライベートとバランスを保ちながら仕事を続けることができます。
安定志向で事務職を極めたい人に向いています。
営業事務は、リーダーとして管理する立場につく人もいます。
また、営業事務の経験を活かして営業や営業企画などのより収入が上がりやすい職種へステップアップする人も多い傾向です。
職種によって選択肢にも違いがでるため、将来の働き方を見据えた選択が大切です。
一般事務と営業事務はどちらが大変?難しい?


一般事務と比べると営業事務の方が大変と感じやすくなります。
社外の取引先との関わりが多く、時間やタイミングなど自分ではコントロールできないことが多いからです。
問い合わせや依頼などが、就業時間の直前に立て込むことで予期せず残業になることも多々あります。
さらに、理不尽な理由でのクレーム対応などは心理的な負担も多いでしょう。
一般事務より営業事務の方が負荷が高い職種といえます。


よくある質問
一般事務と営業事務についてよくある質問をまとめました。
- 一般事務や営業事務は未経験でも挑戦できる?
-
どちらとも未経験での挑戦がしやすい職種です。
未経験で挑戦するときには、ポータブルスキルのアピールが大切です。
あわせて読みたい未経験から事務に転職するのは難しい?成功のポイントを解説 未経験から事務職に転職したいけど、やっぱり難しいのかな…… 未経験で事務に転職するには、どんなスキルが評価される? 数ある職種の中で、事務職は多くの女性に人気の…ポータブルスキル例- パソコンスキル
- コミュニケーション力
- 正確性
- スケジュール管理力
- 臨機応変な対応力
- どちらが未経験で採用されやすい?
-
営業事務の方が有効求人倍率が低く採用がされやすい傾向です。
一般事務を希望する求職者は多く経験者が優遇されるため、未経験者にはハードルが高めです。
競争率が低さで考えると営業事務の方が雇用されやすいのが現状です。
- 営業事務にはノルマがある?
-
一般的には営業事務にノルマは設定されません。
営業とは異なり、営業部門でのサポートがメインになります。
- 一般事務の求人で営業事務のような業務をすることはある?
-
可能性としてあります。
一般事務と営業事務の線引きが明確ではない環境では、一般事務での求人でも請求書作成など営業事務の業務が含まれていることがあります。
仕事を選ぶときは、職種だけで判断せず具体的な業務内容まで確認しましょう。
- 一般事務から営業事務にキャリアチェンジする人も多い?
-
私が採用担当として実際に見てきた現場でも、一般事務から営業事務にジョブチェンジする人は多く、特にチャレンジ精神がある人は成功しやすい傾向があります。
まとめ
この記事では、一般事務と営業事務の違いについて解説しました。
サポートする対象の違いによって、仕事内容や給与、求められるスキルが異なります。
違いを把握した自分に合った選択が大切です。
どちらが自分に合っているか迷ったときには、転職エージェントへの相談も選択肢の一つです。
プロの視点から向いている職種のアドバイスがもらえて、後悔のない選択が可能です。

