転職活動中に、求人の休日欄を目にすると、「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いがよくわからず、迷った経験はありませんか?

同じ意味では?



週2日休みたいけど、どちらが良い?
名前が似ているため同じような規則に感じますが、実は2つの制度では年間の休日数や働きかたに大きな差が出る可能性があります。
この記事では、両者の違いだけでなく、見分け方や面接時での確認方法まで詳しく解説します。
入社後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、しっかりチェックしておきましょう。
「完全週休2日制」と「週休2日制」の違いとは?
まず、両者の基本的な違いを確認しましょう。違いは「毎週必ず2日休めるかどうか」です。
完全週休2日制
毎週必ず2日間の休日が設けられています。
土日を休日としている企業が多いですが、シフト制でも毎週2日間の休日があれば該当します。
たとえば下記のようなケースが当てはまります。
・毎週土日が休み
・毎週月火が休み
週休2日制
一方、週休2日制は1ヶ月に1回以上週2日の休みがある制度です。
つまり、毎週2日休めるとは限りません。
たとえば、以下のようなケースが含まれます。
・月に1回だけ土日休み、他は日曜のみ休み
・第1・第3週のみ2日休み、その他は1日休み
「完全週休2日制」と「週休2日制」で年間の休日数はどれくらい違う?


制度によって週あたりの休日数が異なるため、年間休日数にも差が生まれます。
年間休日数はワークライフバランスと直結しますので、重点的に確認したい項目です。
完全週休2日制の場合
企業により違いはありますが、祝日や長期休暇を含めると120〜125日程度となることが多いです。
カレンダー通りの場合には120日程度の休日で、さらに夏季休暇や年末年始休暇などが設けられていると125日程度になります。
週休2日制の場合
週に2日休みの週が、月に何週あるのかにより違いがあります。
週に2日休める週が限られているため、年間休日は105〜115日程度が目安です。
月に2日休みの週が1回だけだと、年間休日が100日を下回ることもあります。
「完全週休2日制」や「週休2日制」は法律で決まっている?義務かどうかを解説


実は、どちらの制度も法律で義務化されているわけではありません。
労働基準法では、毎週少なくとも1日の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることが義務付けられています。
つまり、週に2日の休日を必ず取得させることは義務ではなく、企業が任意で導入する制度です。
完全週休2日制・週休2日制を導入している企業の割合は?
厚生労働省の調査によると、下記の結果となりました。
・「完全週休2日制」を採用している企業の割合:56.7%
・「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」を採用している企業:34.2%
「令和6年就労条件総合調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/24/dl/gaikyou.pdf)を加工して作成
前年よりも、完全週休2日制を採用している企業割合が3.4%増加しており、売り手市場にあわせた働きやすい制度の導入が進んでいることがわかります。
求人で「完全週休2日制」と「週休2日制」を見分ける方法は?


休日制度に関しての情報は、求人の中の「休日」の項目を確認しましょう。
導入されている休日制度が記載されています。
曜日に関しては「土・日」などの曜日が記載されているときは、その曜日が固定で休日です。
また、年間休日の日数もセットで確認するのが大切です。
休日制度と年間休日の日数を確認することで、夏季休暇や年末年始休暇のおおよそ日数の予測ができます。
年間休日120日以上が「ホワイト企業」の一つの目安とされており、休みの実態を知る手がかりになります。


面接時に「完全週休2日制かどうか」を質問しても大丈夫?


毎週2日の休日を希望する場合には、面接で確認するのもOKです。
採用担当者が休日制度の違いを理解しておらず、実際は「完全週休2日制」だったということもあります。
休日に関して質問する場合には工夫が必要です。ポジティブな内容と組み合わせることでネガティブな印象を避けることができます。
たとえば下記のように言い換えると、スキルアップを軸にしていて意欲を伝えることもできます。
今後、休日の時間を有効に活用して、業務に関連する資格取得にも挑戦したいと考えております。御社では、完全週休2日制など、休日の取り方はどのような形でしょうか。
聞くタイミングは、最後の「何か質問はありますか?」と言われたタイミングが良いでしょう。
入社してから「思っていた休日制度と違った」とならないように、あやふやな場合には確認するのがおすすめです。
「完全週休2日制」「週休2日制」を選ぶときの4つの注意点


休日制度の記載だけでは、情報が不足し、休日に関してわからない点があるかもしれません。
その中でも、あえて曖昧な記載にしている場合にはブラック企業の可能性があります。
面接で希望する働きかたと一致するかどうか確認をしましょう。
【完全週休2日制】祝日が休日か
完全週休2日制の場合には、祝日を休日としているかどうか確認しましょう。
土日休みとしている完全週休2日制でも、祝日を出勤としている場合があるので要注意です。
【完全週休2日制】曜日が固定されているか
求人の休日欄に曜日が記載されていない場合には、休日の曜日が固定かシフト制か確認します。
「毎週土日が休み」なのか、「週に2日休めるが曜日はシフト制」なのかは企業により異なります。
【週休2日制】「月に何回」2日休めるのか
週休2日制の場合には、月に何回2日休めるのかを確認しましょう。
2日休める週が月に1度なのか、もしくは月に3度あるのかにより実質的な休日数に影響します。
【週休2日制】年間休日数を確認
求人に年間休日の記載は必須ではないので、書いていない企業もあります。
年間休日数は応募者にとっての働きやすさに繋がる情報となり、一般的には多くの企業が記載しています。
一方で、記載していない企業は少ない休日を隠すために記載していない可能性もあります。
求人に掲載されている情報で不明点がある場合には、面接で直接聞いてみるのが確実です。
よくある質問
「完全週休2日制」と「週休2日制」についてよくある質問をまとめました。
- 「週休2日」は毎週2日休みですか?
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よくある勘違いで、1ヶ月のうちに2日休める週が1週以上あれば「週休2日」に該当します。
紛らわしい表記の仕方なので誤解しやすいのです。毎週2日の休みを希望するときには「完全週休2日」で求人を検索しましょう。大手求人サイトでは、検索の条件に含まれていることもあります。
- 完全週休2日制はやはり身体は楽ですか?
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週休2日制と比べると年間休日が多いので、身体への負担は少ない傾向です。ただ、身体への負担を考慮するのであれば、休日だけではなく残業時間についても着目するのがポイントです。
残業時間が長いと心身への負担が大きいとされていますので、あわせて確認することをおすすめします。
- 週休2日制(土日)と書かれている場合はどの週も土日が休みになるのでしょうか。
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どの週も土日を休みとしているので、完全週休2日制の可能性が高いです。求人原稿を古いまま使いまわしをしていたり、担当者が違いについて理解していないかもしれません。
念のため面接のときに、休日制度は完全週休2日制となるのか確認をすることをおすすめします。
まとめ|違いを理解して、自分にあった働き方を選ぼう
この記事では、完全週休2日制と週休2日制に関する年間休日の差や、見分ける方法について解説しました。
導入されている休日制度により年間休日の日数には違いがあり、働きやすさに直結する重要な部分です。
転職後に「思っていたのと違った……」と後悔しないためにも、制度の違いを正しく理解しましょう。さらに求人の記載や面接での質問を通じて、しっかりと確認することが大切です。
働きやすい環境で自分らしく活躍するために、ぜひ記事の内容を参考にしてください。