・事務職への転職には資格は必要?
・事務職に資格がなくても転職できるケース
・【未経験向け】転職での事務職おすすめ資格5選
・【専門スキル】転職での事務職おすすめ資格3選

未経験だけど事務職に転職したい。資格はあった方が良い?



どの資格を取ったら選考で有利になる?



未経験で挑戦するのに資格がなくても大丈夫?
こんな悩みを抱えていませんか?未経験からだと、資格は必要なのかわからず迷いますよね。
事務職に資格は必須ではありません。ですが、資格があることで評価され、選考が有利になるケースもあります。結論から言うと、事務職で取得する資格に迷ったら「MOS」がおすすめです。
この記事では、事務職への転職におすすめの資格や、資格がなくても転職できるケースについてわかりやすく解説します。
最後まで読んだら、事務職で評価される資格がわかり、転職を有利に進められるでしょう。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
事務職への転職で有利になる資格一覧
事務職の転職で評価されやすい資格をまとめました。
資格 | 内容 |
---|---|
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) | Microsoft Officeの操作スキル |
ITパスポート | ITに関する基礎的な知識をカバー |
秘書検定 | 社会人の常識やマナー |
ビジネス文書検定 | 文書作成に必要な知識とスキル |
情報セキュリティマネジメント | 情報セキュリティ確保のための基本的スキル |
TOEIC | 英語でのコミュニケーション能力 |
日商簿記 | 経理・財務の基本スキル |
ファイナンシャルプランナー | お金の幅広い知識 |
事務職の仕事内容


事務職の仕事内容は多岐にわたり、職種によっても違いがあります。事務職の主な仕事内容は以下のようなものがあります。
- データ入力
- 書類作成
- 電話・メール対応
- 来客対応
- 備品管理
事務職への転職には資格は必要?


事務職には資格が不要です。とはいえ、資格により有利に転職を進めることができるケースがあります。取得していることで、一定の知識やスキルを身につけていることの証明になるからです。
採用選考では、多くの応募者の中から採用担当者が誰を選ぶか比較検討します。その際、資格は「この人は必要な知識・スキルを持っている」との根拠となり、アピールに信頼性をもたせます。
特に、人気の高い事務職は応募者が多く、競争率が高くなる傾向にあります。そこで資格を持っていると、他の応募者との差別化につながり、評価が一段と高まるでしょう。
事務職に資格がなくても転職できるケース


先に述べた通り、事務職に必須の資格はありません。そのため、資格がなくても未経験で転職できるケースは多くあります。なぜなら、事務職では資格以外にも、以下のようなスキルや人柄が重視されるからです。
- コミュニケーションスキル
- 正確性
- タイピングスピード
- マルチタスク力
これらのスキルを具体的な実績やエピソードとともにアピールすることで、採用担当者からの評価が高まり、内定に一歩近づくことができます。
【未経験向け】転職での事務職おすすめ資格5選


事務職へ転職するときにおすすめの資格を紹介します。
おすすめ度 | 難易度 | 活かせる場面 | |
---|---|---|---|
MOS | ★★★★★ | ★★★☆☆ | Excel・Word・PowerPointでの作業 |
秘書検定2級 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | 社内外の対応や文書作成 |
ITパスポート | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | IT企業での一般事務や営業事務 |
情報セキュリティマネジメント | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 個人情報を扱う事務職 |
ビジネス文書検定2級 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ビジネス文書やメール作成 |
それぞれの資格について詳しく解説します。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、Microsoft Office(Word、Excelなど)のスキルを証明する資格で、多くの企業で役立ちます。資格には「一般レベル」と「上級レベル」があります。テキストや問題集を活用し、独学でも十分に合格可能です。
ITパスポート
ITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格で、ITに関する試験の中では、入門レベルの位置づけです。単なるPCの知識だけではなく、ビジネス全般に役立つ幅広い知識を学ぶことができます。独学でも目指せる資格です。
取得までの勉強時間の目安
約180時間
秘書検定
ビジネスマナーが身についていることを証明できる資格で、難易度は3級・2級・準1級・1級の4段階です。転職に有利になるのは2級からとされているので、まずは2級の取得を目指しましょう。独学でも十分に合格可能です。
2級取得までの勉強時間の目安
約20~70時間
ビジネス文書検定
社内外の文書を作成するためのスキルやマナーを証明できる資格で、ビジネス文書の基礎を身につけられるため、書類作成が多い事務職で役に立ちます。難易度別に3級・2級・1級の3段階となり、転職では2級以上が有利になるとされています。独学でも十分に合格可能です。
2級取得までの勉強時間の目安
約50時間~70時間
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントは、組織の情報セキュリティを確保するための基本的なスキルを認定する国家資格です。
サイバー攻撃など複雑化している今、情報セキュリティはますます重要になっています。そのため、社員一人ひとりがセキュリティ知識を持つことが評価されやすくなりました。この資格は、独学でも合格が可能です。
取得までの勉強時間の目安
約200時間
【専門スキル】転職での事務職おすすめ資格3選


英語を使用する職場や、専門的な知識が求められる職種で評価される資格を紹介します。
おすすめ度 | 難易度 | 活かせる場面 | |
---|---|---|---|
TOEIC | ★★★★★ | ー | 英語圏とのやり取りが多い企業 |
日商簿記2級 | ★★★★★ | ★★★★★ | 経理や営業事務 |
ファイナンシャルプランナー | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | 経理・総務事務 |
TOEIC
英語でのコミュニケーション能力を測るための試験でグローバル化が進んでいる今、注目されています。試験結果は合否ではなく、スコアでの結果となり、スコアを昇進や昇格の基準にしている企業もあります。
600点以上が履歴書に記載できる目安ですが、英語を使う職場ではさらに高いスコアを求められます。有利になるスコアは700点以上とされています。独学でTOEICのスコアを伸ばすことが可能です。
日商簿記2級
日商簿記は、企業の規模や業種を問わず、経営や財政状況を明らかにして管理するスキルを証明する資格です。経理事務や会計事務で、実用的で役に立つ知識を身につけられます。難易度ごとに3級・2級・1級の3段階です。
履歴書には3級から書けるとされていますが、経理などの専門とする分野では2級以上を目指しましょう。2級は独学でも合格可能な資格です。
2級取得までの勉強時間の目安
- 簿記3級取得者 約250~350時間
- 初心者 約400~500時間
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは、税金や不動産、保険などお金に関する知識が身につく資格です。金融系の企業では、知識が業務に直結して役に立ちます。社会保険などの知識も問われるため金融系以外での企業でも活躍するシーンが多いです。
ファイナンシャル・プランニング技能検定は3級・2級・1級の3段階で、2級を取得していると転職活動で有利になるとされています。独学でも合格可能な資格です。
2級取得までの勉強時間の目安
約150時間~300時間


事務職の資格を取得するメリット・デメリット


事務職の資格を取得するのにはメリットとデメリットがあります。
メリット
・スキルや知識の証拠になる
資格があるとスキルや知識があると証明できます。実務経験のみの場合には、知識が偏っているケースがありますが、資格を取得していることで、くまなく知識があるとわかります。
・スキルアップに努める姿勢をアピールできる
資格があるとスキルアップに努めている姿勢を伝えられます。事務職は必須資格がないことが多いため、資格があることで自主的に学ぶ姿勢があると判断されて、評価につながるでしょう。
・キャリアアップできる可能性がある
未経験で事務職への転職を希望するとき、実務経験の不足を補うのが資格です。資格があることで業務に必要な知識やスキルを習得している証拠となります。
未経験での転職にチャレンジするときには、資格は強い味方です。
・評価や給与アップにつながる可能性がある
転職だけでなく、職場での評価や給与アップにつながる可能性があります。資格の取得を昇進や昇格の条件にしている企業も多くあり、客観的に評価されやすいのが資格です。
デメリット
・費用と時間がかかる
資格を取得するには、当然ながら費用と時間がかかります。自分のスケジュールや予算にあわせて、無理のない範囲で資格の種類や勉強方法(独学かスクールかなど)を選びましょう。
事務職の資格取得のための注意点


資格の取得を目指すときに注意する点があります。
マイナーすぎる資格は避ける
取得する資格を選ぶときは、マイナーすぎる資格は避けましょう。認知度が低い資格を取得しても、面接担当者や採用担当者が知らない資格では評価に繋がりません。
せっかく貴重な時間とお金を使って資格を取るなら、無駄にしたくないですよね。資格選びは「どれだけ世間に知られていて、評価されやすいか」を基準に慎重に選びましょう。
資格取得を目的にしない
転職のための資格取得を目指しているのに、いつの間にか資格を取ること自体が目的になってしまうことがあります。
資格取得が目的になると、資格を取得した後は達成感から満足してしまい、転職活動のモチベーションが下がってしまうことがあります。資格は転職やキャリアアップ、自己成長など目的を叶えるための「手段」です。
勤務先で使える資格を目指す
希望する業種や職種で、役に立つ資格の取得を目指しましょう。業務につながる資格だからこそ、転職活動で評価されます。
企業研究や職種の仕事内容をリサーチして、実務に使える資格を選ぶのがコツです。
事務職の資格取得には教育訓練給付制度の利用もおすすめ


資格取得には教育訓練給付制度を利用するのがおすすめです。
この制度は雇用保険の仕組みで、一定の条件を満たしていれば、ハローワークから受講費用の一部を給付金として受け取れます。費用負担を減らせるため、より気軽に資格取得にチャレンジできます。
対象となる講座には、日商簿記やTOEICなど事務職におすすめな講座が多くあります。
よくある質問
事務職の資格についてよくある質問をまとめました。
- 事務職は未経験で資格なしでも転職できますか?
-
事務職では必須資格はありませんので、資格がなくても転職が可能です。ただし、事務職は人気があり応募者が多いため、未経験での転職は簡単ではありません。他の応募者と差をつけるために資格の取得はおすすめです。
- 事務職未経験の場合には、転職エージェントと転職サイトどちらがよいですか?
-
未経験で挑戦する場合には、転職エージェントと転職サイトの両方を活用することをおすすめします。
転職活動をどのように進めたいか、考え方によりどちらが良いかは異なります。多くの場合は、両方の併用でそれぞれのメリットを最大限に活かすことができます。
- 事務職に必要なスキルは資格以外に何がありますか
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ポータブルスキルと呼ばれる異業種でも持ち運び可能な汎用的なスキルは、事務職でも評価されます。具体的には以下のようなものがあります。
- ビジネスマナー
- パソコンスキル
- コミュニケーション力
- 正確性
- スケジュール管理力
- 臨機応変な対応力
- 資格は転職前に取るべき?入社後でもいい?
-
資格の効果を最大限発揮するためには「転職前」がおすすめです。勉強中だと、現段階でどのくらいのスキルが身についているのかわからず、スキルの評価はしづらくなります。
まとめ
この記事では、事務職の転職における資格について解説しました。
事務職では必須資格がないからこそ、資格が他の応募者との差別化につながり、採用担当者から高評価が得やすくなります。事務職の求人で評価されやすい資格を知り、自分に合う資格を選ぶことが大切です。
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