内定承諾書の期間延長で内定取り消しされる?安全に交渉するメール例文

内定承諾書の期間延長で内定取り消しされる?安全に交渉するメール例文
記事まとめ(要約)
  • 内定承諾書の期間延長で内定を取り消される可能性は極めて低い
  • 内定承諾期限と本命企業の結果が1〜2週間差なら、延長を検討するのがおすすめ
  • 安全に延長するためのメール例文を紹介(メール例文

「内定承諾書を延長したら内定が取り消されるのでは……」
「本命企業の結果を待ちたいけど期限が迫っている」
「企業に悪い印象を与えないか不安」

このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、内定承諾書延長で内定取り消しが起こるのかを解説します。さらに、採用担当者に納得してもらえるメール例文や、再延長のコツも紹介します。

最後まで読めば、本命企業の結果を安心して待つための判断基準もわかるので、後悔しない行動ができるようになるでしょう。

本記事のライター
伊藤えま
  • 採用・人事歴10年以上
  • 中途採用のみで900名以上を選考
  • 採用統括責任者として書類選考・面接・採否の決定を担当
  • 人事評価基準の策定・人事考課にも従事
  • 社員のキャリア相談を多数経験
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)

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目次

内定承諾書の延長で内定取り消しになる可能性は極めて低い

内定承諾書の提出期限を延長してほしいと企業に相談した場合「内定を取り消されるのでは?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。しかし、結論から言えば、延長依頼をしただけで内定が取り消されるケースは、ほとんどありません。

ここでは、延長依頼で内定が取り消されにくい理由と、例外的にリスクが生じるケースを解説します。

延長依頼だけで取り消しされることはほぼない

内定取り消しは、企業にとってリスクのある決断です。期限延長の依頼との単なる「相談行為」だけを理由に内定を取り消すのは、法的にも実務的にも大変難題です。

法的な観点で見ると、内定は労働契約が成立した状態に近く、企業側には解雇と同程度の合理性が求められます。しかし、単に延長を相談しただけでは、その合理性を満たしません。

また、企業にとって内定者の辞退は採用プロセスをやり直す大きな負担につながります。そのため、延長依頼はむしろ前向きに検討しているサインと受け止められることさえあります。

誠実に相談しさえすれば、延長を依頼しただけで内定取り消しとなる可能性は極めて低いと言えるでしょう。

企業が内定取り消しをしたがらない理由

企業側が内定取り消しを避けたい背景には、複数の事情があります。

まず、一人を採用するために求人広告、面接、人件費など数十万円から100万円以上のコストがかかっており、内定取り消しは投資の無駄になります。

次に、不当な内定取り消しが表面化した場合、労働基準監督署や労働局からの指導につながるのは労務へのリスクです。SNSや口コミサイトで悪評が広まる評判へのリスクも無視できません。

さらに、若手は専門職種(エンジニア、マーケターなど)は売り手市場で採用難の時代であり、採用をやり直すと採用が遅れるため、企業にとって痛手となります。

企業側の事情を知っておけば、期限延長の相談が不利益につながる可能性は極めて低いと分かります。

内定取り消しのリスクがゼロではないケース

延長依頼が原因での内定取り消しは基本的に起こりませんが、対応の仕方次第では評価が下がり、例外的にリスクが生じるケースもあります。

たとえば以下のような対応は、採用担当者が不安を感じ、内定取り消しになる場合があります。

  • 期限当日に突然延長を申し出る
  • 無断で提出期限を過ぎてしまう
  • 虚偽の理由で延長を依頼する
  • 大幅な再延長を何度も繰り返す

いずれも共通するのは、企業が「誠実さ」「入社意思の有無」を判断しづらくなる状況です。裏を返せば、丁寧な連絡と誠実な説明をすれば、こうしたリスクは回避できます。

内定承諾書の延長で起こりうる現実的なリスク

不安を抱えたときに知っておきたいのが、延長したときに起こりやすい別のリスクです。ここでは、よくあるリスクと企業が受け入れやすい延長期間の目安を解説します。

延長することで採用担当からどう見られるか

承諾の延長は「結論を急がず検討したい」との意思表示に近いものです。採用担当者は、その状況を推測しながら対応します。たとえば、他社選考を進めていると推測したり、応募者が入社をためらっている可能性を懸念する場合があります。

ただし、すべてマイナスに働くわけではありません。丁寧な説明があれば、担当者は筋の通った依頼だと理解します。視点を整理すると、次のような捉え方に分かれます。

見られ方 担当者が受け取るニュアンス
不安視される場合他社を優先しているかもしれない
受け止めてもらいやすい場合きちんと検討したうえで判断しようとしている

採用担当者によって違いはありますが、誠実な説明があれば必要以上に印象が揺らぐことはありません。

では、延長期間によって印象に違いはあるのでしょうか。企業が受け入れやすい延長期間を解説します。

企業が受け入れやすい延長期間の目安と再延長の可否

延長が認められるかどうかは、延長期間が妥当かどうかで印象が変わります。現場の負荷や入社準備を考えると、企業が納得しやすい長さには傾向があります。

一般的な延長期間を挙げると以下の通りです。

延長期間 受け入れられやすさ
3日~1週間最も承諾されやすい
2週間状況次第で判断される
1ヶ月明確な理由を求められる

また、再延長は慎重に判断する必要があります。1回目は受け止めてもらえても、2回目以降は優柔不断さを懸念されるため、理由の伝え方がポイントになります。この背景を理解した上で、次に具体的に考えるべきは、どのように延長依頼を切り出すかという点です。

取り消しリスクを避ける!内定承諾書の期限を延長するときの基本ルールと判断基準

内定承諾書の延長を依頼するときに知っておきたいのは「どのタイミングで、どの程度なら無理なく相談できるか」です。単に待ってほしいだけでは、企業に不信感を与える可能性もあります。

ここでは、判断の軸となるポイントを整理します。

本命の結果を待つべきかの判断基準

内定承諾書の延長を検討する際、多くの方が「本命企業の選考結果が出るまで待つべきか」で悩みます。結論としては、自分のキャリアにとって納得できる範囲で、可能な限り待つ方法を検討するのが基本です。

早まった承諾で後悔すると、転職後のモチベーションや長期的な定着にも影響が出るためです。もちろん、企業側の承諾期限や状況も無視はできませんが、一時的な不安で決めるより、客観的に自分の優先順位を整理しましょう。

内定承諾期限と本命企業の選考結果が出るまでの差が1〜2週間程度であれば、延長依頼の検討をおすすめします。2週間以内の延長であれば、企業側も受け入れやすいため、すべての選考結果が出揃った状態で、後悔のない納得のいく判断ができます。

焦って決めるより、少しでも選択肢を残す行動が後悔を減らすことがポイントです。

相談するタイミング

内定承諾書の延長を申し出る場合は、できるだけ早めに相談しましょう。

企業側も採用スケジュールを管理しており、期限の直前に延長を申し出ると調整が難しくなるためです。また、早い段階での相談は、誠実な姿勢として評価されるだけでなく、一方的なお願いとの印象を和らげることにつながります。

たとえば、本命の結果まで2週間、承諾期限まで1週間の状況であれば、直前まで待たず、すぐに延長の相談をしましょう。早めの行動により、企業も柔軟に対応ができるため交渉がスムーズになります。また、延長が難しい場合でも、次の選択肢を考える時間を確保できるメリットもあります。

早めの相談が、企業との信頼関係を保ちつつ、円滑に内定承諾書の延長を認めてもらいやすくなるポイントです。

延長理由はどこまで正直に言うべきか

内定承諾書の延長を申し出る際、伝える理由は慎重に考える必要があります。理由を正直に伝えすぎると印象を悪くする場合があり、逆に嘘をつくと誠実さが疑われることもあります。ポイントは、企業が理解しやすく、納得しやすい理由を伝えることです。

伝えてよい理由の例
  • 他社の選考結果を待って、後悔のない判断をしたい
  • 家族に相談する時間が欲しい
  • 現職の業務の引き継ぎや調整がある
伏せるべき理由の例
  • 給与や待遇の比較をしたい
  • 第一希望の選考結果を待っている
  • 転職自体をあまり前向きに考えていない

理由は「納得されやすい事情」を伝えつつ、企業の印象を損なう可能性がある理由は伏せるのが無難です。適切な理由を選ぶことで、内定承諾書の延長もスムーズに進めやすくなります。

他社選考の状況はどこまで伝えるべきか

他社選考の状況は、すべて正直に話す必要はありません。ポイントは、企業に不安を与えず、簡単に状況だけを伝えることです。

具体的な伝え方は以下の通りです。

  • 他社が選考中であることだけ伝え、社名や詳細は控える
  • 「結果待ちの状況ですが、現時点では御社が第一希望です」と補足する
  • 必要以上に他社との比較を話さない

伝え方の配慮で、延長依頼は円滑に進みやすくなります。

内定承諾書の期限延長を依頼するメール例文

内定承諾書の期間延長を依頼する際にそのまま使えるメール例文をご紹介します。

基本のメール例文

内定承諾の期間延長を依頼する際の、丁寧で誠実さが伝わる基本形のメールです。

例文

件名:【内定承諾期限の延長依頼】〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
貴社より内定をいただけたこと、大変光栄に思っております。

つきましては、大変恐縮なお願いでございますが、内定承諾書の期限を〇月〇日まで延長していただくことは可能でしょうか。

貴社への入社意欲は強く、前向きに検討を進めておりますが、後悔のない決断をするために、最終的な判断の時間をいただきたくお願い申し上げます。

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

他社選考の結果待ちを伝える場合

他社企業の選考結果を待っていることを伝える場合の例文です。

例文

件名:【内定承諾期限の延長依頼】〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
貴社より内定をいただけたこと、心より感謝申し上げます。

つきましては、大変恐縮なお願いでございますが、内定承諾書の期限を〇月〇日まで延長していただくことは可能でしょうか。

現在、並行して進めております選考の結果が〇月〇日に出る予定となっております。
貴社が私にとって第一志望であることに変わりはございませんが、今後のキャリアに後悔を残さず、万全の覚悟で入社するためにも、他社の選考結果を待って最終決断をさせていただきたくお願い申し上げます。

ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますようお願い申し上げます。

1ヶ月延長を依頼する場合

一般的に企業が受け入れやすいのは1〜2週間程度です。1ヶ月の延長は長期の依頼となるため、強い入社意欲と丁寧な姿勢を強調します。

例文

件名:【内定承諾期限の延長依頼】〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
貴社にご縁をいただけたこと、大変嬉しく思っております。

つきましては、誠に心苦しいお願いでございますが、内定承諾の期限を一ヶ月間、〇月〇日まで延長していただくことは可能でしょうか。

現在、最終的な決断に向けて準備を進めておりますが、熟慮を重ね、確固たる決意をもって貴社に貢献させていただきたく、熟慮のための時間をいただきたくお願い申し上げます。

長期の延長依頼となり、貴社にご迷惑をおかけすることは重々承知しております。もし一ヶ月が難しいようでしたら、貴社のご都合のつく期間をご教示いただければ幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますよう、重ねてお願い申し上げます。

延長を断られたときの返信例

企業から延長を断られた場合、感謝と理解を示した上で、期限内に承諾するか、辞退するかの意思を伝えます。

例文

件名:内定承諾期限の延長依頼について 〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

内定承諾期限の延長について、早々にご回答いただきまして誠にありがとうございます。
ご多忙の中、ご検討いただきましたこと、心より感謝申し上げます。

つきましては、貴社のご意向を承知いたしましたので、誠に恐縮ではございますが、この度、辞退させていただきたく存じます。

貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり、大変申し訳ございません。
本来であれば直接お伺いすべきところ、メールでのご連絡となりましたこと、何卒ご容赦ください。

末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

再延長を依頼する場合

一度延長してもらった上で、さらに再延長を依頼する場合、謝罪と状況の説明、最終期限の明確化が不可欠です。

例文

件名:内定承諾期限の再延長に関するご相談 〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇(氏名)です。

先日は、内定承諾期限を〇月〇日までご延長いただき、誠にありがとうございました。

重ねてのお願いとなり、大変恐縮でございますが、他社選考の最終結果確定に遅れが生じており、つきましては期限を〇月〇日まで再度ご延長いただくことは可能でしょうか。

貴社にご迷惑をおかけし、またご期待に沿えず、心よりお詫び申し上げます。
今回の延長で必ず決断いたします。〇月〇日以降に改めてご相談することは一切ございません。

度重なるお願いで大変恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

内定取り消しが法的に認められるケース

内定取り消しが法的に有効となるケースは非常に限られており、通常の延長依頼だけでは取り消されることはほとんどありません。しかし、例外的な状況では、企業が内定を取り消すことが認められる場合があります。具体的なケースとリスクを避けるための対応方法を解説します。

「内定取り消しが有効」になり得るケース

内定取り消しが法的に認められるのは、企業側に正当な理由がある場合に限られます。内定取り消しが有効になり得るケースとして、以下のようなケースがあります。

  • 学歴・資格・経歴に虚偽があった場合
  • 健康状態が悪化した場合
  • 重要な必要書類を提出しない場合
  • 経営状況が急激に悪化した場合

これらは、延長依頼とは無関係であり、通常の承諾期間の延長ではまず該当しません。

内定取り消しされたら企業へ理由説明を求める

万が一、内定取り消しをされた場合、明確な理由を企業に求めることが重要です。理由が不明確なままでは、後の交渉や法的対応が難しくなります。

具体的なポイントは以下の通りです。

  • 文書やメールで正式に理由を確認する
  • 感情的にならず、事実確認を中心にやり取りする
  • 記録を残す(メールやメモ)

理由を明確にしておくことで、後で法的相談や損害賠償の検討をしやすくなります。

内定取り消しの相談できる窓口

万が一、内定承諾書の期間延長を依頼した際に内定取り消しの通知を受けた場合、相談窓口に今後の対応を相談できます。

まず、公式な相談先は、各都道府県に設置されている労働基準監督署です。労働基準監督署では、内定取り消しが法律上適正かどうかの判断や、企業との間での調整の仕方について助言を受けられます。また、弁護士への相談も可能です。

相談の際には、内定通知や承諾書、メールのやり取りなど、事実関係が確認できる資料を整理して持参すると良いでしょう。助言や手続きがスムーズに進みます。

窓口の活用で、冷静に内定取り消しの対応策を検討できます。

内定取り消しによる損害賠償は請求できるのか

内定取り消しによって生じた損害について、賠償が認められるかはケースによって異なります。一般的に、企業側に正当な理由がない場合や、事前に十分な説明がなかった場合は、損害賠償を請求できる可能性があります。

しかし、損害賠償の請求は一人で判断するのは非常に難しいのが現実です。そのため、損害賠償の請求を検討する際は、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士は、損害の範囲の見極めや、必要に応じて裁判手続きのサポートまで行ってくれます。

とはいえ、裁判に発展すると長期化するケースも珍しくありません。そのため、総合的に判断し、あなたにとってどのような対応が最適かを慎重に見極める必要があります。

まとめ|内定承諾書の期間延長での内定取り消しは、ほぼ起きない

この記事では、内定承諾書の期限延長による内定取り消しについて解説しました。

内定承諾書の期間延長を申し出ても、企業が用意に内定を取り消すことはほとんどありません。法的にも正当な理由なしに取り消すのは難しく、採用コストや労務リスクの観点からも企業は慎重に判断します。

ただし、無断で期限を過ぎてしまうことや虚偽の理由を伝えるのは、信頼を失うリスクとなります。適切なタイミングでの相談と誠実な理由の伝え方を心がけることが大切です。

内定承諾書の送り方を知りたい方はこちら
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