「面接が怖い」「緊張で頭が真っ白になりそう」「正直、行きたくない……」転職活動の面接を前に、こんな気持ちになる方は少なくありません。
実際、多くの人が面接を「怖い」と感じています。経験不足や自信のなさ、面接官の雰囲気に圧倒される不安、そして「失敗したらどうしよう」とのプレッシャーが重なります。そのため、緊張してしまうのは自然なことです。
とはいえ安心してください。面接の怖さは「原因」を理解し、事前の準備や考え方の工夫で和らげられます。さらに、直前や面接中でもできる緊張への対策を知っておくことで、自信を持って臨めるでしょう。
この記事では、面接が怖いと感じる原因や怖さを克服するための考え方、直前・面接中にできる緊張への対策をわかりやすく解説します。
面接の怖さを少しでも軽くして、自分らしさを発揮できるよう一緒に準備していきましょう。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
面接が怖いのは普通のこと?不安を感じるのは当たり前

面接が怖いと感じるのは「自分だけ」と思い、不安に感じる人もいるでしょう。ここでは、「怖い」感情について詳しく見ていきましょう。
面接を怖いと感じるのは当たり前のこと
面接を怖いと感じるのは自然なことで、誰でも初対面の人に評価される場では緊張してしまいます。日常とは異なる空気感があるため、不安に感じやすい環境です。
過去の失敗や経験不足から不安になることもあれば「うまく答えられるかな」と考えすぎてしまうこともあります。たとえば、緊張で頭が真っ白になった経験を持つ人は、また失敗を繰り返すのではと不安になるかもしれません。
面接の怖さは特別なものではなく、多くの人が同じように感じている当たり前の感情なのです。
面接を怖いと感じると実力が発揮できない
面接を怖いと感じると、本来の実力を発揮できなくなることがあります。強い緊張で思考がまとまらず、表情や声にも影響し、相手にあなたの本質が伝わらなくなるからです。
準備していた自己PRを思い出せなかったり、上手くまとめられず質問に短く答えてしまったりすることもあるかもしれません。これでは、実際のスキルや人柄が十分に伝わらず、良い評価につなげるのは難しくなります。
面接の怖さを和らげる工夫を取り入れることで、自分の魅力を可能な限り見てもらえるようにしましょう。
面接官は回答だけでなく人柄や姿勢も見ている
面接官は回答の内容だけでなく、その人の人柄や姿勢も重視しており、職場で一緒に働きたい人材かを見極めています。
面接官への緊張から、つい相手を「敵」のように感じてしまうかもしれません。しかし、面接官が質問するのは、あなたの人となりを知るためです。言葉が詰まっても、相手の話を真剣に聞く態度や、前向きに取り組む姿勢が伝われば好印象につながります。
答えの完璧さよりも、人柄や姿勢が評価されることを意識しましょう。
面接を怖いと感じる原因

多くの人が面接を怖いと感じるのには原因があります。原因を理解することで、あなたに適した対処法を選ぶための手がかりになります。ここでは、よくある理由を見ていきましょう。
面接の雰囲気や面接官が怖い
面接を怖いと感じる原因のひとつに、独特な雰囲気や面接官の態度があります。緊張感のある空気に包まれると不安が増しやすくなります。
たとえば、面接官が表情を崩さず質問を続けていると、冷たく感じて「怖い」と思うこともあるでしょう。「どう思われているのか」「何か言われそう」と気がかりになる場合もあります。雰囲気に飲まれれば実力も出しにくくなります。
面接の場は、日常とは異なる特別な緊張感があるものだと理解しておきましょう。
経験不足や自信のなさからくる怖さ
面接が怖いと感じる原因の2つ目は、経験不足や自信のなさがあります。経験が少ないと「何を聞かれるのか」「答えられるのか」と不安になりやすくなります。
面接の経験が少ないと、その場に慣れておらず、緊張で質問に答えられるか心配になるのは自然なことです。特に初めての転職活動や、活動を始めたばかりの頃の面接では、不安が強まりがちです。
こうした不安は誰にでも起こる自然な感情のため、経験や自信が足りなくても、事前の準備で十分に克服できることを意識しましょう。
失敗するのが怖い
面接を怖いと感じる3つ目の原因は、失敗への不安があります。質問に対して完璧に答えなければ評価が下がり、不採用になると考えてしまうからです。
質問にうまく答えられなかったり、緊張で言葉が詰まってしまったりと思った通りの受け答えができないと「落ちてしまった」と思い込む人は少なくありません。失敗を恐れるほど緊張が強まり、さらにミスにつながることもあります。
面接で重視されるのは、小さな失敗ではなく、あなたの姿勢や人柄です。失敗を恐れすぎず、次につなげる意識を持つことが、自信につながります。
【考え方】面接への怖さを和らげる考え方

面接の怖さは、考え方を少し変えるだけで大きく軽減できます。緊張をコントロールする視点や、自分の立ち位置を見直す工夫を知っておきましょう。
- 面接官の質問に完璧に答えようとしない
- 面接はコミュニケーションの場と考える
- 自分も企業を選ぶ側であることを認識する
- 自分に合う企業は他にもあると考える
- 失敗しても次に活かせると考える
面接官の質問に完璧に答えようとしない
面接では、質問に完璧に答えようとする必要はありません。完璧を意識すると緊張が強まり、考えがまとまらなくなることがあります。
自己PRですべての強みや実績を一度に伝えようとすると、言葉に詰まり、焦ってしまうことがあります。また、細かい部分にこだわりすぎるあまり、表情や態度が硬くなり、人柄が伝わりにくくなる場合もあるでしょう。面接官は完璧な答えより、誠実さや前向きな姿勢を重視しています。
完璧を目指すのではなく、あなたらしく答えることを意識するだけで、緊張を和らげ実力を発揮しやすくなります。無理に良く見せるのではなく、自然体で臨むことを心がけましょう。
面接はコミュニケーションの場と考える
面接は、一方的に評価される場ではなく、双方のコミュニケーションの場と考えましょう。企業と応募者がお互いを知るための時間です。
応募者が自分の経験や価値観を伝えるだけでなく、企業の雰囲気や仕事内容について逆に質問するタイミングもあります。質問を通じて相手を理解する姿勢により、対等な立場でのやり取りを示すことになり、緊張が和らぐことも期待できます。
面接を評価される場ではなく、対等に情報を交換する場と意識することで、過度な緊張がなく自然体で臨みやすくなります。
自分も企業を選ぶ側であることを認識する
面接では、応募者も企業を選ぶ立場となり、自分に合う職場を見極めるための機会です。
仕事内容や社風、働き方についての質問で、自分の希望や価値観と企業の考え方を照らし合わせる場になります。このやり取りを通じて、応募者も企業を見極める立場になり、企業側も応募者の関心や入社意欲を確認しています。
単に評価されるだけなく、双方が合うか判断するためのやり取りだと考えることで、肩の力が抜けるでしょう。
自分に合う企業は他にもあると考える
面接で不採用になっても、それは人格を否定されたわけではなく、単に企業との相性が合わなかっただけです。求人の仕事内容や社風と応募者が合わなければ、企業側の評価が低くなることもあるでしょう。
しかし、他の企業では応募者の強みや価値観が活かせる場面が必ずあります。同じ業界や職種でも会社の雰囲気や働き方は異なるため、同じ応募者でも企業により評価が変わるのです。
不採用を否定されたと考えず、あなたに適した職場は他にあると前向きに捉えることで、次の面接にも自信を持って臨めます。
失敗しても次に活かせると考える
面接で失敗しても、振り返ることで次に活かせると考えましょう。失敗は経験として学びに変えられます。
緊張してうまく答えられなかった質問を振り返り、別の面接では言い回しや回答の順番を工夫できます。また、自己PRや志望動機の伝え方の改善で、次の面接ではより自分の魅力を表現できるようになるでしょう。失敗の原因を分析することで、事前準備の精度も上がります。
失敗を恐れすぎず経験として前向きに捉えることで、面接ごとに自信を高められます。
【事前準備】前日までの準備と対策で面接への怖さを払拭しよう

人は知らないことに対して怖さを感じやすいため、事前の準備と対策で怖さを和らげられます。面接対策をして、自信を持って当日を迎えましょう。
- 面接の流れやマナーを理解しておく
- 履歴書や職務経歴書の内容を見直す
- 頻出質問への回答を準備する
- 模擬面接で場慣れする
面接の流れやマナーを理解しておく
面接の流れやマナーを事前に理解しておくと、気持ちに余裕がうまれ、緊張を和らげ自信を持って臨めます。以下のような基本的なマナーを守るだけで印象は大きく変わります。
面接で守りたいマナー
- 時間に余裕を持って到着する
- スマホは必ず電源を切る
- 入室時はノックして挨拶する
- 丁寧にハキハキとした声で話す
- 退室時も挨拶を忘れない
また、面接の一般的な流れを知っておくと、当日慌てることもありません。到着〜退室までの順序を頭に入れておくことが安心につながります。
面接の流れとマナーを押さえておくことで、落ち着いて自分らしさを表現できるようになります。
履歴書や職務経歴書の内容を見直す
履歴書や職務経歴書など応募書類の内容を見直すことも大切です。書類と面接で話す内容に不一致があると信頼性が低く見られる可能性があり、事前に見直すことで、矛盾や漏れを防げます。
自己PRや経歴の具体的な数字、担当業務の範囲などのチェックをしておくと、内容が矛盾することなく質問にスムーズに答えられます。
応募書類は、あなたの経験を正確に伝えるツールのため、前日までに内容を確認して、自信を持って面接に臨みましょう。
頻出質問への回答を準備する
頻出質問への回答の準備で、緊張を和らげ、的確に答えやすくなります。
面接でよく聞かれる質問には以下のようなものがあります。
- 自己PR
- 志望動機
- 転職理由
- 勤務条件(転勤・残業・入社可能日)
- 逆質問
あらかじめ回答の構成や具体的なエピソードを整理しておくと、詰まらず思い通りに話せるでしょう。求人ごとに合わせた内容にすると、説得力のある内容でアピールできます。
頻出質問の回答を準備して、安心して話せる状態を作りましょう。
模擬面接で場慣れする
模擬面接をすることで、面接の雰囲気に慣れて緊張を和らげることができます。場慣れすると、自分の強みを自然体で伝えやすくなります。
友人や家族に頼むほか、転職エージェントを活用して模擬面接するのも有効です。特に転職エージェントは、企業目線での具体的なフィードバックをくれるため、改善点を明確に把握できます。
模擬面接での場慣れは、面接への怖さを減らしてあなたらしさを最大限に表現する準備になります。
【直前】役員面接や最終面接でも!短時間でできる怖さを和らげる対処法

面接の時間が近づくごとに怖さが高まる場合もあります。特に役員面接や最終面接の直前は、緊張が高まりやすくなります。短時間でできる対処法で怖さを和らげましょう。
- 深呼吸して呼吸を整える
- 少し体を動かしてみる
- 面接後のご褒美を作る
深呼吸して呼吸を整える
面接直前には、深呼吸して呼吸を整えましょう。落ち着いた呼吸は、緊張をやわらげ集中力を高める効果があります。
ゆっくり鼻から吸って口から吐く呼吸を数回繰り返すだけで、心拍数が落ち着き気持ちも安定します。肩の力を抜いて体の緊張をほぐすことで、自然な表情や声が出やすくなり、ネガティブな思考もリセットされるでしょう。
深呼吸で呼吸を整えるだけでも、面接前の怖さや不安を和らげることができます。短時間でできる簡単な対処法として取り入れましょう。
少し体を動かしてみる
少し体を動かすことも緊張をほぐすために有効です。軽く体を動かすだけで、血流が良くなり気持ちもリフレッシュできます。
肩や首を回したり、軽く腕や脚を伸ばすだけでも効果的です。また、面接会場に入る前に軽く歩くのも良いでしょう。気持ちが落ち着き呼吸も整うため、面接中に落ち着いた姿勢や表情を保ちやすくなります。
少しの運動を取り入れるだけで面接前の怖さを和らげ、自分らしさを伝える準備が整います。
面接後のご褒美を作る
面接後に自分へのご褒美を用意しておくとモチベーションが高まり、面接への恐怖心も和らぎます。達成感や安心感を感じやすくなる効果も期待できます。
たとえば、面接が終わったらお気に入りのカフェでスイーツを食べるのも良いでしょう。面接後に「終わったら楽しみがある」と思うことで、緊張が軽減され、前向きな気持ちで臨めます。
面接後のご褒美を作ることで、怖さや不安を少しでも和らげ、次のステップに向けて気持ちを切り替えやすくなります。
【面接中】面接中での怖さを和らげるコツ

面接中は、どうしても緊張や不安が強くなりがちです。ここでは、面接中でも落ち着いてあなたらしさを発揮するためのコツをご紹介します。
- 「緊張しています」と素直に伝える
- 一呼吸おいてから回答する
- ゆっくり話すことを意識する
「緊張しています」と素直に伝える
面接中に「緊張しています」と素直に伝えることは、怖さを和らげる効果があります。正直に言うことで自然にリラックスしやすくなるからです。
面接冒頭に伝えるだけでも面接官は状況を理解して、質問のペースを調整してくれる場合があります。正直に気持ちを示すことで誠実さや素直さが伝わり、無理に緊張を隠そうとして焦るよりも落ち着いて話せます。面接官も応募者が緊張していることは理解しているため、悪い印象になることはほとんどありません。
「緊張しています」と一言加えるだけで、自分らしく話す余裕が生まれます。
一呼吸おいてから回答する
面接中は質問を受けてから一呼吸おいて回答すると、焦って答えるより落ち着いて話せます。
質問の内容を頭の中で整理してから話すだけで、言葉が詰まることが減り自然に回答できます。すぐにスラスラと答えられなくても問題ありません。大切なのは、考えながら自分の言葉で誠実に答える姿勢です。
一呼吸おいてからの回答で声のトーンや表情も落ちつき、面接中の怖さを和らげられます。
ゆっくり話すことを意識する
怖さで緊張していると話すスピードが早くなりがちです。面接中はゆっくり話すことを意識するだけで、落ち着いて伝えやすくなります。
質問に答えるときは、一文ずつ区切って話すように意識するだけでも言葉に詰まる回数が減ります。大切なのは、落ち着いて自分の考えを整理しながら話すことです。ゆっくり話すことで情報をまとめる余裕ができ、聞き取りやすくなるため、好印象に繋がります。
ゆっくり話すことを意識するだけで、面接中の緊張がやわらぎ、自分らしさを出しやすくなります。
面接が怖くて逃げたい・行きたくない場合の対処法

面接前になると「怖い」「行きたくない」と感じるのは、ごく自然な感情です。ここでは、無理せず前向きな気持ちを整理するための方法をご紹介します。
面接から逃げてしまった場合の未来を考える
面接から逃げてしまった場合、その後にどのような未来が待っているかを考えてみましょう。現実的な影響を理解することで、踏みとどまるきっかけになります。
面接を辞退するとその企業でのチャンスを失うだけでなく、別の応募先に向けて改めて準備が必要になります。気持ちの整理ができず怖さを感じることで、また面接を辞退してしまうかもしれません。大切なのは、未来のために今できる最善の行動を選ぶことです。
逃げた場合の未来を具体的にイメージすることで、リスクを現実的に捉え、面接に向かう勇気を持ちやすくなります。
前向きな気持ちになるためにリフレッシュする
面接が怖くて逃げたくなるときは、考え込みすぎずにリフレッシュして前向きな気持ちに変えましょう。
たとえば、軽い運動をしたり、お気に入りの音楽を聴くのがおすすめです。短時間でも好きなことをすることで、心と体をリセットして落ち着きを取り戻せます。意識を別のところに向けるだけで、不安が和らぐ効果も期待できるでしょう。
リフレッシュする習慣を取り入れることで、面接への怖さを和らげ、前向きな気持ちに切り替えられます。
同じように面接を怖いと感じた人の体験談と克服法

体験談:20代 女性 事務職
面接当日、緊張が高まり怖くなり「行きたくない」と思ってしまったことがあります。
ですが、面接に落ちたとしても、自分に合わない会社だったと考えれば次の応募先を探すチャンスがあると思い直しました。無理に自分をよく見せようとしていたことにも気づき、視点を変えたら気持ちがすっと楽になったのが印象的です。上手く答えられなくても大丈夫だと自分に言い聞かせました。
そのおかげで、ありのままの自分で面接に臨め、無事に内定をもらえました。同じように怖さを感じる人も、気持ちを整理して視点を変えることで乗り越えられると思います。
面接に怖さを感じている人のよくある質問や疑問
面接に怖さを感じている人のよくある質問や疑問をまとめました。
- 面接で泣いてしまったら終わり?
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面接で泣いてしまっても、必ずしも終わりではありません。落ち着いて対処することでリカバリーできる場合もあります。深呼吸して気持ちを落ちつけて「すみません、少し緊張しています」と正直に伝えましょう。
- 面接が怖くなくなるにはどのくらい練習が必要?
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面接が怖くなくなる練習量は人それぞれですが、数回の模擬面接で十分慣れる人が多く見られます。質問の流れや回答の組み立て方に慣れることが大切です。自己分析や企業研究も並行して進めることで、より安心して面接に臨めます。
- 面接の30分前だけど怖い……少しでも楽になる方法は?
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面接の直前に怖さを感じたら、深呼吸や軽いストレッチで緊張を和らげましょう。スラスラ答えられなくても問題ないと心に留め、今できる準備に意識を向けることで少しずつ落ち着けます。
- 面接が怖いのは病気?
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面接が怖いのは、ほとんどの人が経験する自然な感情です。病気ではなく、緊張や不安からくる正常な反応です。準備や練習で緊張を和らげ自信を持って臨むことで、怖さを軽減できます。
- ニートが面接への恐怖心を克服する方法は?
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ニート経験があって面接が怖い場合は、転職エージェントを活用すると安心です。模擬面接や面接対策の指導を受けられるため、場慣れしやすくなります。自己分析や企業研究もサポートしてもらえるので安心して進められます。
まとめ| 面接への怖さは事前準備と練習で自信に変えられる
この記事では、面接への怖さについて解説しました。
面接は怖く感じるのが普通の感情で、事前準備と練習で自信に変えられます。視点を変えることや面接対策で安心して面接に臨めるようになります。
さっそく、あなたの状況に適した怖さを解消するコツを試して、落ち着きを取り戻しましょう。