・転職活動にかかる期間はどれくらい?在職・離職と年齢による違い
・転職活動の5ステップごとの平均・目安期間
・転職活動の期間を長引かせせず最短で終わらせる4つのポイント
・転職活動の期間が長引いて不安を感じたら|原因と対処法

そもそも転職活動の期間はどのくらいが平均なの?



期間を長引かせないコツは?
このような疑問をお持ちではないでしょうか?どのくらいかかるかわからないと、スケジュール感がわからず不安になりますよね。
実は、転職活動を6ヶ月以内に終える人が約6割を占めており、特に1〜3ヶ月未満で決める人が最も多いです。では、なぜ人によってこんなに差があるのでしょう?
この記事では、状況別や選考ステップごとの転職活動の期間、長引かせず最短で終わらせる実践的なポイントについてわかりやすく解説します。
最後まで読めば、転職活動の期間における目安がわかり、不安なく計画を立てられるようになります。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。
採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
転職活動にかかる期間はどれくらい?在職・離職と年齢による違い


転職活動をしている約6割の人が、6ヶ月以内に次の仕事を見つけています。中でも、1〜3ヶ月未満で決める人がボリュームゾーンです。
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」によると、転職活動にかかった期間は以下のような結果でした。
1ヶ月未満 18.3% 1ヶ月以上3ヶ月未満 28.8% 3ヶ月以上6ヶ月未満 15.7% 「令和2年転職者実態調査」(厚生労働省)を加工して作成
さらに、個人の状況により期間には差があります。
在職中と離職中での転職活動の期間における違い
「在職中」「退職後」の違いにより、転職活動の期間に差があります。
退職してから転職活動をする場合、かかる期間は1ヶ月〜3ヶ月が目安です。転職活動に多くの時間を使うことができ、選考の日程も調整しやすいため、短期間で終わるケースが多くなります。
一方、在職中に転職活動をする場合は、3ヶ月〜6ヶ月が目安です。日程や時間を調整しながらの転職活動となりますが、収入があることから焦らず転職先を探せるため、比較的長めの期間になる傾向です。
20代・30代別の転職活動の期間
年齢によっても期間に差があり、転職市場では同じ条件の応募者とでは、若い応募者ほど有利になる傾向があります。
そのため、20代は比較的早めに転職活動を終えることが多いです。それに対して、30代後半以降では長引く傾向があります。いままでの経験やスキルを活かせる求人を見極めることが、転職期間を長引かせないポイントです。
転職活動の5ステップごとの平均・目安期間


多くの場合、転職活動は以下のような流れで進みます。それぞれにかかる期間を把握しておきましょう。
転職活動の最初のステップで自己分析や情報収集を行います。自己分析で経験やスキルを棚卸しすることで、強みやアピールポイントが見つけられます。
また、希望する業種や職種、企業について情報収集をし、求められるスキルや経験を確認した上で必要とされる人物像をイメージしましょう。
希望する求人を見つけたら、可能な限りの早い応募がポイントです。新卒とは違い中途では選考スピードが早いため、たいていは先着順で選考が進みます。転職サイトや転職エージェントなどを活用して、希望する求人へ応募しましょう。
先のステップで見つけた自分の強みやアピールポイントをもとに、履歴書・職務経歴書など応募書類を作成します。
企業ごとの面接回数によりかかる期間に違いはありますが、書類選考〜最終面接まで1ヶ月程度が目安です。面接が1回のみであれば書類選考〜最終面接まで、2週間程度となることもあります。
選考を通過して内定をもらったら、雇用条件を確認して「内定承諾」か「内定辞退」をします。
複数の選考が進んでいる場合でも企業側の都合を考慮すると、内定の連絡後、1週間を目途にした回答をおすすめします。内定への回答をあまり長引かせてしまうと、入社する意志がないと判断されて、内定取り消しとなる場合があるからです。そのため、どのくらいの期間で回答するかの判断は慎重に行いましょう。
在職中の場合は、退職交渉〜引継ぎを行います。
企業のルールや担当業務により、退職までの期間には差があります。円満退職をするためには、業務の引継ぎを含めて1〜2ヶ月は見ておくのが無難です。
転職活動の期間を長引かせせず最短で終わらす4つのポイント


期間を長引かせることなく最短で終わらせるためには、以下のようなポイントを押さえましょう。
- 事前準備をする
- 目的や希望を明確にする
- 転職サイト・転職エージェントを活用する
- 気になる求人があれば即応募
事前準備をする
応募前の事前準備をどれだけしているかにより、転職活動の期間に違いがでます。ミスマッチな企業への応募を防ぎ、選考をスムーズに進めるための判断材料になります。
自己分析で、自分の強みや弱みなどアピールポイントを把握しましょう。また、気になる企業や業種についてリサーチも行います。企業のリアルな情報を知るためには、口コミサイトをチェックするのも良い方法です。
目的や希望を明確にする
転職をする目的や希望内容は、応募する企業を探すときのブレない軸となります。
多くの求人を見ていると、どの求人も魅力的に見え、応募先する企業がなかなか決められないことがあるかもしれません。転職の目的や希望を事前に明確にしておくことで、本来の目的にあった求人を探しやすくなります。
転職サイト・転職エージェントを活用する
転職サイトやエージェントは、転職活動を効率よく進めるための強力な味方です。希望条件を登録しておけば、あなたのスキルや経験に興味を持った企業からスカウトが届くことも。
思わぬ企業との出会いが、新しいキャリアを切り開くきっかけになるかもしれません。




気になる求人があれば即応募
気になる求人を見つけたら、転職市場では早めの応募が効果的です。新卒とは異なり中途採用は、選考のスピードが早いことが特徴で、先着順での選考になることがあるからです。また、中途採用では急募の求人が多く、採用できたら掲載期間の終了日を待たず掲載終了となる場合もあります。
気になる求人への早めのアクションが、転職の期間を長引かせないコツです。
期間を最短で終わらせるために転職活動を始めるのはいつがいい?


選択肢が広がる点でみると、企業の採用が活発になる時期は転職活動がしやすい時期といえます。下記の時期は求人数が増えるため、転職活動のチャンスです。
・1月~3月
この時期は、4月の入社を目的とした「春採用」の求人が増えます。新年度の組織変更や、冬のボーナス後に退職する方の補充などが主な理由です。
新卒者と一緒に研修ができるなど企業側にも都合が良いため、中途でも4月入社の求人が多くなります。
・9月~11月
この時期は、夏以降の入社を目的とした「秋採用」の求人が多くなります。人事異動や、夏のボーナス後に退職する方の補充などが主な理由です。
働きながら転職活動をするメリット・デメリット


転職活動をスタートするタイミングについて、在職中と退職後のどちらがよいか迷うこともあるかもしれません。それぞれのメリットとデメリットを理解して、どちらが自分にあっているのかで判断しましょう。
メリット
- 生活費を気にせず焦らず探せる
収入があることで、焦らず時間をかけて自分に合う求人を探せます。
- 内定後の条件交渉がしやすい
時間に余裕を持った転職活動は、採用担当者にも「焦っていない」姿勢が伝わり、より良い条件で交渉しやすくなります。
- キャリアの空白期間ができない
先に転職先を決めてから退職するため、キャリアに空白期間ができず焦ることがありません。
デメリット
- スケジュール調整が難しい
応募先の就業時間内に面接が行われることが多く、スケジュール調整が難しい場合があります。そのため、有給休暇を使って面接に行くことが多くなります。
- 入社辞退のリスクを懸念されることがある
在職中に転職活動をすると、採用担当者は「内定をだしても、今の会社に引き止められて内定を辞退するのではないか」と懸念することがあります。特に、まだ退職交渉を始めていない場合は、このリスクを心配されやすいです。
- 働いている会社に知られてしまうリスクがある
転職活動をしていることを、現在の会社に知られてしまうリスクがあります。退職交渉前に知られると、職場との関係が悪化しやすく、人事評価の低下や人間関係が難しくなることがあるかもしれません。
退職してから転職活動をするメリット・デメリット


退職してからの転職活動にもメリットとデメリットがあります。
メリット
- じっくり取り組める
時間に余裕があるため、時間をかけて転職活動に取り組むことができます。
- スケジュールの調整がしやすい
面接の日程を柔軟に調整できるため、転職活動がスムーズに進みます。
- 即入社がアピールできる
中途採用では企業が急いで社員を募集する急募求人も多いため、すぐにでも入社できる応募者の方が有利になる傾向があります。
デメリット
- 収入がなくなる
退職しているため、転職先が決まるまでの収入は基本的にゼロです。
失業保険を受ける場合でも、自己都合で退職した時には給付まで期間がかかります。受給決定から7日間+1ヶ月〜3ヶ月間は失業保険は支給されないため、一定期間の生活費を確保しておくと安心です。
- プレッシャーを感じやすい
思うように転職活動が進まないと、焦りが生じてプレッシャーを感じやすいというデメリットがあります。
- 空白期間ができる
キャリアの空白期間(ブランク)ができることもデメリットとなる場合があります。
空白期間が長いと、面接時に理由を尋ねられることがあります。何もしていないと思われることがないよう、空白期間が長くなったときには事前に回答を準備しておきましょう。
転職活動の期間が長引いて不安を感じたら|原因と対処法


想定していたよりも転職期間が長引くと不安に感じることもあるかもしれません。採用が決まらない原因と対処法を考えるために、どのステップで不採用となることが多いのか確認しましょう。書類選考と面接では、不採用となる理由に違いがあります。
書類選考での不採用が多い
書類選考で不採用となることが多い場合には、履歴書と職務経歴書など応募書類を見直しましょう。書類上での選考となるため、原因は書類にあることがほとんどです。
改めて、応募書類を以下のような点でチェックします。
- 誤字、脱字はないか
- 日付は提出日となっているか
- 見やすいレイアウトになっているか
- 印刷をした場合、レイアウトやフォントの崩れはないか
- この人に会ってみたい、と思わせる内容になっているか
転職を成功させる職務経歴書の書き方は、こちらで詳しく解説しています。


また、応募する数が不足していることも考えられます。書類選考の通過率は20〜30%程度となり、平均的な応募数は20〜30社程度といわれています。中途採用では、複数応募して同時進行で進めるのが基本です。
面接での不採用が多い
面接での不採用が多い場合には、企業研究やよくある質問への回答、面接の基本マナーを確認しましょう。書類選考は通過しているため経験やスキルはあるものの、面接でのマナー違反や入社意欲がみえないことから不採用になっていることが考えられます。
面接では、相手に与える印象が重要です。そのため、模擬面接で練習するのが効果的です。客観的な視点で見てもらうことで、自分では気づけなかった点に気づけるでしょう。模擬面接が難しければ、動画を撮影して受け答えをする姿を自分で見るだけでも気づけることもあります。
よくある質問
転職の期間についてよくある質問をまとめました。
- 退職してから6ヶ月以上経過したら正社員は無理?
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無理ではありませんが、ブランク期間が長ければ長いほど難しくなります。一般的には6ヶ月以上だと「長い」との印象になりやすいです。
- キャリアの空白期間が長いと不利になる?
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ブランク期間をどのように過ごしていたかにより異なります。資格やスキル習得のための期間であれば、悪い印象にはなりにくいでしょう。採用担当者が納得できる理由を伝えることが大切です。
- 短期間で退職したけど、転職活動に影響ある?
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退職した理由がやむを得ない理由であれば影響を受けにくいでしょう。短期間での退職による影響を書類選考で受けないよう応募書類で、退職理由について伝えるのがコツです。
まとめ
この記事では、転職活動の期間について解説しました。
多くの人が1〜3ヶ月以内で転職活動を終えていますが、期間は個人の状況や進め方によって異なります。転職活動をするタイミングは、在職中と退職後それぞれのメリット・デメリットを理解して自分にあったタイミングを見極めましょう。
目安期間を参考にして、不安のない転職の計画を立てましょう!