・内定につながる!採用担当者の心をつかむ職務経歴書5つのポイント
・職務経歴書をスムーズに書くための3つの準備
・職務経歴書の書き方・例文・NG例

職務経歴書はどんな構成で書けば見やすい?



書類選考を通過できる職務経歴書の書き方は?
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
相手の印象に残る職務経歴書を作成して、内定まで確実に一歩を進めたいですよね。でも、自己流で書いてしまうと思わぬ印象を与えることも。
実は、好印象を与える職務経歴書には、戦略的な作成が不可欠です。
この記事では、書類選考を通過する作成のポイントや形式の基本、書き方やNG例までわかりやすく解説します。
最後まで読めば、あなたも内定に繋がる職務経歴書を、自信を持って書けるようになります。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。
採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
そもそも転職活動における職務経歴書とは?


転職活動では、履歴書と職務経歴書の両方を提出するのが一般的です。ここでは、職務経歴書の役割についてわかりやすく解説します。
職務経歴書が持つ意味
書類選考のとき職務経歴書は、自分を効率的にアピールする重要な役割です。採用担当者は、書類から「この人はどのように自社に貢献できるか」を見極めます。
書類選考は面接前の段階で、まだ応募者の「人となり」がわからないと思われがちですが、職務経歴書の内容でイメージが出来るのです。
これまでの経験が、転職先でどう役立つかを伝えるための、あなた自身の大切な「営業資料」になります。
履歴書と職務経歴書の違い
同時に提出することが多い履歴書と職務経歴書には明確な違いがあります。履歴書は名刺、職務経歴書はプレゼン資料のようなイメージが近いでしょう。
・履歴書
履歴書は、氏名や住所、学歴、職歴といった基本的な情報をまとめた書類です。多くの企業が独自のフォーマットを用意しており、書類選考の入口となります。
・職務経歴書
職務経歴書は、職歴に特化しており職務経験やスキル・実績などの詳細をまとめた書類です。会社の規模や業種、担当業務や実績などを記載します。フォーマットが決まっていないことが多く、応募者の違いが出やすいのが特徴です。
転職の書類選考を通過できる職務経歴書4つのポイント


採用担当者に好印象を与えやすい職務経歴書を作成するためには、ポイントを押さえて効果的に作成するのが重要です。
- 応募先企業にあわせてカスタマイズされている
- 実績が数字で示されている
- 簡潔で読みやすい構成にまとまっている
- 誤字脱字や日付に誤りがない
それぞれ詳しく解説します。
応募先企業にあわせてカスタマイズされている
どの企業にも当てはまるようなテンプレート通りの職務経歴書は、採用担当者に見抜かれてしまいます。求人ごとに、あなたのどのようなスキルや経験が活かせるかを具体的に伝えることで、採用担当者の記憶に残る内容になります。
たとえば、Excelのスキルが求められている求人であれば「VLOOKUP関数を使用した業務の効率化が得意」のような詳細なアピールが効果的です。
実績が数字で示されている
実績は、数字で具体的に示しましょう。そうすることで、成果が客観的に伝わり、信頼性がぐっと高まります。
営業の実績を示すときは、「売上に貢献」より「前年比120%の売上を達成」のように、数字で示します。どのくらい貢献したのかわかり、明確な成果は評価がされやすくなります。
簡潔で読みやすい構成にまとまっている
読みやすさに重点を置いて、内容は簡潔にまとめましょう。
採用担当者は多くの応募書類に目を通すため、読みづらい書類は読み込みません。読みやすくまとめることで、丁寧に読んでもらうことができ、高評価に繋がります。
見出しや箇条書きを使い、見やすいレイアウトを意識しましょう。文章の一文が長すぎると内容が伝わりづらいため短めにして、適宜改行を入れると読みやすくなります。
誤字脱字や日付に誤りがない
誤字脱字がないことが基本ですが意外と多いミスです。誤字脱字は、仕事への取り組む姿勢を不安視されるリスクがあり、誤りがないよう細部までチェックする姿が評価されます。
特に多いのが日付のミスで、書類を作成した日や他の企業への提出日となっているのか過去の日付になっていることが多いため注意しましょう。提出時の日付とするのが正しいマナーです。「貴社」「御社」の使い分けも誤りが目立つのでチェックは必須。
転職での職務経歴書の形式・フォーマット・用紙サイズの基本


基本に沿っていない職務経歴書は悪目立ちするため、形式やフォーマット、用紙サイズの基本を知っておきましょう。
3つのフォーマット(時系列・逆編年体・キャリア式)
職務経歴書のフォーマットは主に以下の3種類があり、職歴の書く順番やまとめ方に違いがあります。それぞれの特徴と適したケースがあるため、自分にあったフォーマットを選びましょう。
- 時系列型
古い職歴から順に記載をする形式で、職歴の流れがわかりやすいのが特徴です。
- 転職回数が少ない
- 同じ業界・職種を経験してきた
- 経歴にブランクがない
例
■株式会社〇〇 (2015年4月~2019年3月)
事業内容:ITソリューション事業
従業員数:200名
職種:営業
業務内容:
・法人向けITシステムの提案営業
月平均売上2,000万円を達成、新規顧客30社を開拓
■株式会社△△ (2019年4月~現在)
事業内容:クラウドサービス開発
従業員数:150名
職種:営業リーダー
業務内容:
・チームマネジメント(5名)
部署売上120%達成(2023年度)
- 逆編年体型(逆時系列型)
時系列型が古い順に記載をするのに対して、新しい職歴から順に記載するのが逆編年体型です。直近の職歴を一番上に記載するため、企業が注目する経験やスキルをアピールしやすくなります。
- 直近の勤務先での経験やスキルをアピールしたい
- 実績やスキルをすぐに伝えたい
例
■株式会社△△ (2019年4月~現在)
事業内容:クラウドサービス開発
従業員数:150名
職種:営業リーダー
業務内容:
・チームマネジメント(5名)
部署売上120%達成(2023年度)
■株式会社〇〇 (2015年4月~2019年3月)
事業内容:ITソリューション事業
従業員数:200名
職種:営業
業務内容:
・法人向けITシステムの提案営業
月平均売上2,000万円を達成、新規顧客30社を開拓
- キャリア(機能)式
職務内容やスキルごとに職歴を整理してまとめる形式です。時系列ではなく、実績や経験をテーマ別にまとめて記載します。
- 転職回数や職歴が多い
- 専門スキルや成果を強調したい
例
【営業スキル】
・法人営業経験7年
・新規開拓数:年間平均25社
・売上目標達成率:常時100%超え(直近3年間)
【マネジメント】
・5名のチームリーダーを2年間経験
・メンバー育成と同行営業による業績向上(120%超)を実現
【IT業界での経験】
・SIerでのIT提案営業(4年間)
・クラウド系スタートアップでの営業経験(3年間)
用紙サイズ
職務経歴書のサイズは、A4が一般的です。A4以外のサイズだとビジネスマナーに欠ける印象を与えてしまうため、必ずA4で片面印刷しましょう。
書体・文字サイズ
読みやすさには書体や文字サイズ、余白にも工夫が必要です。採用担当者に「じっくり読みたい」と思わせるようなレイアウトにしましょう。
- 書体(フォント)
職務経歴書で使用するフォントは、多くのビジネス資料で使用されており、パソコンに標準搭載されているフォントを選びましょう。企業のイメージや職種によって使い分けるのも良いでしょう。
職務経歴書におすすめのフォント(Windows)
MS明朝 | フォーマル寄りで落ち着いた印象 |
MSゴシックまたはMS Pゴシック | シンプルで読みやすい。カジュアルな印象 |
游ゴシック | クセがなく、すっきりとしたデザイン |
メイリオ | 丸みのあるデザインで親しみやすい印象 |
- 文字サイズ
文字サイズは項目ごとに差をつけると、構成がわかりやすくなりバランスが良い資料になります。
項目 | 推奨サイズ |
---|---|
タイトル(職務経歴書など) | 14pt〜16pt |
セクション見出し(「職務要約」「職務経歴」など) | 12pt〜14pt |
本文(経歴や実績の詳細) | 10.5pt〜11pt |
備考欄や補足説明など | 9pt〜10pt |
書き始める前に!職務経歴書をスムーズに書くための2つの準備とは


わかりやすくまとめて相手に印象づける職務経歴書を書くには、事前の準備が大切です。下記ステップで準備を進めましょう。
応募先企業をリサーチして、企業が求める人物像を把握しましょう。必要とされる人物像がイメージできれば、職務経歴書を求人に沿った内容にカスタマイズできます。
下記について企業のホームページや求人サイトでチェックしましょう。
・事業内容
・企業理念
・求人の仕事内容
・必須スキル、歓迎条件
リサーチが終わったら、これまでの職歴や経験を棚卸ししましょう。過去の経験をアピールするために情報の整理が必要です。
棚卸ししたら求人内容に関連する経験やスキルをピックアップしておきます。加えて、自分の強みを明確にして言語化しておきましょう。
職務経歴書の書き方・例文・NG例


職務経歴書の項目ごとの書き方やOK例、NG例について解説します。
職務経歴書の項目ごとの書き方・OK例


- タイトル
タイトルを中央位置に記載します。
- 日付と氏名
日付と氏名を右寄せで記載します。
西暦は書類内で統一されていれば、西暦・和暦のどちらでも問題ありません。
日付は提出時の日付を記載するのがマナーです。空欄で作成しておき、提出するときに日付を入れるのがおすすめです。
- 職歴要約
職歴を簡潔にまとめる項目で、採用担当者が最初に目を通す最も重要な項目です。強みや得意分野を加えても良いでしょう。
- 職務経歴
勤務先の企業名や職務内容などを時系列・逆編年体・キャリア式のいずれかのフォーマットで書きます。職務内容の担当業務については、見やすくなるよう箇条書きがおすすめです。
実績は数字で示すことで、裏付けになり信頼性が高まります。
- 保有資格
取得年月日と資格名称を記載する項目で、名称は正式な名称で書きます。たいていは、資格を管理する団体のホームページに正式名称の説明があります。
勉強中の資格がある場合には、「〇〇の資格取得にむけて勉強中」と記載するとスキルアップに努める姿勢が評価されるでしょう。
- 自己PR
自己PRは、強みを具体的にどのように仕事で活かしたかエピソードや実績を加えて記載しましょう。実績は数字で示すことで客観的な説得力が高まります。
長くなりすぎないよう200〜300文字程度にまとめ、適宜改行をして見やすさにも配慮すると相手に伝わる構成になります。
書いてはいけないNG例
職務経歴書に記載すると評価を下げることがあるNG例を紹介します。
- 自己PRに学生時代の経験を記載する
自己PRに学生時代の経験を記載する方がいますが、社会人になってからの経験が乏しいとみなされることがあります。新卒であれば問題ありませんが、中途採用では幼稚な印象を受けるため、社会人での経験を書くのが基本です。
- 職場の悪口・ネガティブ発言
職務経歴書に、前職の不満や悪口を書くのはやめましょう。採用担当者は、入社後も同じようにネガティブな発言をするのではないかと懸念します。マイナス評価につながるため、ポジティブな内容に徹することが大切です。
たとえば、人間関係が原因で退職した場合は「新しい環境でスキルを高めたいと考え、転職を決意した」と言い換えることで、前向きな姿勢が伝わります。
職務経歴書の最終チェックリストと提出マナー


職務経歴書は、誤りや見やすさなどチェックをしてから提出しましょう。作成から時間が経過していることで、ミスが見つかるかもしれません。また、主な提出方法ごとに失礼にならないマナーをわかりやすく解説します。
最終チェックリスト
職務経歴書を提出する前に、最終チェックをしましょう。
- A4サイズで1枚~3枚におさまっているか
- 誤字、脱字はないか
- 日付は提出日となっているか
- 見やすいレイアウトになっているか
- 印刷をした場合、レイアウトやフォントの崩れはないか
- この人に会ってみたい、と思わせる内容になっているか
提出方法別のマナーと例文
職務経歴書の主な提出方法は、メールや郵送、面接での手渡しです。それぞれのケースごとに提出する時のマナーを解説します。
- メール
メールは、ビジネスマナーに沿った本文になっているか注意しましょう。本文がビジネス向きの文章になっていない場合、悪い印象となることがあります。件名は、ひと目で職務経歴書の提出とわかる内容にします。また、職務経歴書のファイル形式は、環境に影響されないPDF形式にして添付しましょう。
例
件名:職務経歴書のご送付 山田花子
株式会社〇〇〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。
御社の求人に応募させていただきました山田花子です。
応募書類として職務経歴書を添付にて送付いたします。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
ご不明な点等がございましたら、ご連絡いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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山田花子(やまだはなこ)
TEL:090-1234-5678
E-mail:〇〇〇@〇〇〇〇〇〇
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- 郵送
郵送で提出するときは、角形2号もしくは角A4の封筒を使用します。封筒の色は茶色よりも白色の方が丁寧な印象になります。
表に住所・宛名を書いて、封筒の左下に「応募書類在中」と赤字で書きます。裏面には自分の名前と住所を書きましょう。
書類は上から、送付状→履歴書→職務経歴書の順にして、クリアファイルに入れてから封筒に入れます。最後に、裏面の封をのり付けをして、封中央に黒ペンで「〆」と書きます。
送付状例


- 面接での手渡し
面接での手渡しを指定されたときは、封筒に入れて持参します。郵送と同じように封筒に「応募書類在中」と赤字で書き、裏面に自分の名前と住所を書きましょう。表の住所と宛名は不要です。
面接の場で、封筒から取り出して採用担当者に提出をするため封はしないのが一般的です。
渡すときは、職務経歴書が入ったクリアファイルを封筒から取り出し、封筒の上にクリアファイルを重ねて、採用担当者へ提出をしましょう。採用担当者が読める向きで渡すのがポイントです。
よくある質問
職務経歴書の書き方について、よくある質問をまとめました。
- いままでフリーターだったのですが、職務経歴書は必要?
-
フリーターであっても、企業から職務経歴書の提出を求められたときには必要です。正社員経験がなくても、アルバイトなどで働いた経験は立派な職歴になります。
- 職務経歴書の作成方法は、手書きとPCどちらが良い?
-
指定がなければ、職務経歴書はPC、履歴書は手書きとするのがおすすめです。PCスキルを証明しつつ、手書きの文字で人柄を示すことが可能です。手書きの文字に自信がない方は、どちらともPCで作成しても問題ありません。
- 転職回数が多いときはどう書けば良い?
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転職回数が多い方はフォーマットを工夫して、キャリア(機能)式でまとめて記載しましょう。長くなりすぎず、転職の多さが目立ちにくいメリットがあります。
- アルバイト経験は書くべき?
-
アルバイト経験も立派な職歴のため、職務経歴書に書きましょう。雇用形態にこだわらず、どのような業務を担当していたかを伝えることが重要です。
- 職務経歴書は何ページが理想?
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職務経歴書は1枚〜3枚にまとめるのが一般的です。採用担当者は多くの職務経歴書に目を通すため手間をかけることがないよう簡潔にまとめましょう。
まとめ
この記事では、転職での職務経歴書の書き方について解説しました。
職務経歴書は、ポイントを押さえて戦略的に書くことで採用担当者の印象に残りやすく、書類選考の通過率も向上します。
さっそく、職務経歴書を書く事前準備から進めていきましょう。

