人事未経験は本当にきつい?無理と言われる理由と成功する方法

人事未経験は本当にきつい?無理と言われる理由と成功する方法
記事まとめ(要約)

・人事は未経験だと「きつい」と言われることもある

・専門知識や調整業務が多く成果が見えにくい

・20代・30代では転職の難易度も変わる

・対応次第で未経験でもチャンスは十分

「人事に挑戦したいけど、未経験だと無理?」
「30代からではもう遅い?」
「やめとけと言われる理由はなに?」

未経験で人事職への転職を考えたとき、このような不安を抱える方が多くいます。

実際、人事は専門知識や社内調整も多く「きつい」と感じる場面が多いのは事実ですしかしながら、求人の選び方や準備の仕方次第で未経験からでも十分に活躍できる可能性があります

この記事では、きついと言われる理由や未経験でも成功する方法、実際の体験談まで解説します。

最後まで読むと、あなたに合った人事キャリアの描き方が見えてくるでしょう。

本記事のライター:伊藤えま

採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。

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目次

なぜ「人事 未経験 きつい」と言われるのか?

未経験で人事職に挑戦すると、幅広い業務や専門知識の習得、社内調整の多さから「きつい」と感じることも珍しくありません。ここでは、業務内容を整理し、きついと言われる理由を見ていきましょう。

人事職の仕事内容

人事職の担当業務は採用・労務・人事企画・研修など多岐にわたり、企業によっては複数の業務を兼任することもあります。採用担当は求人票作成、面接調整、面接、内定者フォローを担当し、労務担当は勤怠管理、給与計算、社会保険手続きなど正確性が求められる業務を担います。人事企画では、評価制度やキャリアパス設計、研修プログラムの企画・運営などが担当業務です。

人事の業務は専門性が高く、未経験の方は難しく感じるかもしれません。しかしながら、学ぶ優先順位をつけて取り組むことで、着実に習得が可能です

>> 人事事務と労務事務と総務事務の違いはこちら

未経験者が感じやすい「きつさ」の正体

未経験者が人事で「きつい」と感じる要因は、主に3つに分けられます。

1つ目は専門知識の壁です。労働法や社会保険制度は複雑で、初めて学ぶ方には大きな負担になります。

2つ目は、社内調整の多さです。部署間の意見を調整したり、社員の様々な相談に対応したりと、板挟みになる場面が多くあります。

3つ目は成果が見えにくい点です。採用や研修など短期間では結果が実感しづらい業務が多く、自分の貢献度が評価されているか不安になることもあるでしょう。

要因具体例影響
専門知識労働法、社保手続き学習負荷
調整業務部署間の交渉、社員対応精神的ストレス
成果の見えにくさ採用・研修などの結果モチベーション低下

人事は専門的な知識が求められる立場であると同時に、社内の折衝役でもあるため「きつい」と感じる人が見受けられるのです。

人事未経験が「無理」「やめとけ」と言われる理由

SNSや口コミで「無理」「やめとけ」との声を見かけることもあるでしょう。理由は、板挟みの多さや責任の重さに由来します

中小企業など人事担当者が少ない環境では、採用・労務・総務を兼任することも多く、覚えることが多い分、精神的な負荷が高くなる傾向があります。また、給与計算や採用判断のミスは、社員の生活や会社の経営にも直結するため、責任の重さからプレッシャーを感じやすいでしょう。しかしながら、これは一部の経験談で、事前準備や相談先を選ぶことで十分に対処できます。

未経験者でも基礎知識を身につけ、成功体験を重ねていくことで、自信を持って業務に臨めるようになります。

未経験者にとっての人事への転職ハードルと企業側の視点

未経験で人事を目指す場合、求人倍率や年齢、企業が採用で重視する視点を理解しておくことが不可欠です。ここでは、転職難易度と企業視点のポイントを整理します。

人事未経験求人の実態

一般事務や営業事務と比較すると、未経験者を歓迎する人事の求人は少なく、倍率が高くなる傾向があります。特に、労務や人事企画といった業務は即戦力が求められるため、未経験より経験者が優遇される場合が多く見られます。

中小企業では、総務や事務業務と兼任しながら基礎知識を身につけて、後に専門領域にステップアップするのが一般的です。その中で、採用業務は未経験でも比較的チャレンジしやすく、未経験からでも経験を積みやすい分野だといえます。

求人の特徴
  • 募集枠が少ない
  • 高倍率で競争が激しい
  • 採用は未経験でも比較的入りやすい

20代・30代で変わる人事転職の難易度と企業の評価基準

未経験で人事に挑戦する場合、年齢によって転職の難易度や企業の評価基準は大きく変わります。これは、企業が採用時に教育コストや即戦力かどうかを重視しているからです。若手であれば、教育コストが低く柔軟に育てられると判断され、未経験でも採用されやすい傾向です一方、30代以上は即戦力としての経験やスキルが求められ、未経験での選考ハードルは上がります

たとえば、20代の未経験者は総務事務や採用サポートのポジションで採用されやすく、OJTや研修を通じたステップアップが見込めるでしょう。30代の未経験者は、前職で培ったマネジメント経験や企画力のアピールで、人事企画や労務など専門分野での採用可能性を高める場合もあります。

年齢だけで諦める必要はなく、自己分析で強みを言語化し、面接で具体的にアピールすることで、20代でも30代でも未経験からの人事転職は十分可能です。

求人の多くは「人事総務」「人事事務」からのスタート

未経験者は、まず総務・事務系の業務で経験を積むことが多く、書類作成や勤怠管理などを通じて人事全体の流れを理解します。会社全体を見渡す経験を重ねることで、採用や労務、人事企画など希望に応じた幅広い業務にステップアップ可能です

ポジション主な業務ステップアップ
人事総務書類作成、勤怠管理労務、採用業務へ
人事事務給与計算、社保手続き労務、人事企画、研修企画へ

採用は比較的入りやすいが「労務 未経験 難しい」と言われる理由

採用業務は未経験でも入りやすい一方で、労務は未経験者にとって難しいとされています。

労務管理は労働法や社会保険の知識、給与計算や勤怠管理など専門的な実務スキルが不可欠です。法令遵守が必須で、ミスが生じると従業員の生活や会社に直接的な不利益が出るため、企業は即戦力となるスキルや経験を重視します

たとえば、給与計算で計算ミスがあると、従業員から会社への信頼度が低下し、モチベーションが低下するリスクもあります。会社を信頼できない状態が続くと、退職へつながる場合もあるでしょう。正確性が求められるため、未経験者が独学だけで対応するにはハードルが高く、研修やOJTで網羅的に学ぶ必要があります。

労務業務は専門知識と実務スキルが重視されるため、未経験者にとって難しい分野であるのは事実です。

未経験から人事になるための準備と対策

未経験から人事転職を成功させるには、基礎知識の習得と資格取得が効果的です。ここでは、具体的な準備方法を解説します。

最低限押さえるべき人事の基礎知識

未経験で人事に挑戦する場合は、まず業務に必要となる基本知識を理解しましょう。未経験でも最低限の知識を身につける姿勢は、企業で高く評価されます

業務ごとの基礎知識には以下のようなものがあります。

採用業務:面接プロセスや応募者対応の基本マナー
労務管理:社会保険や労働法の基礎知識
人事企画:評価制度や研修制度の目的や仕組み

特に労働法や社会保険の手続きは誤りが許されないため、書籍やオンライン講座、セミナーで基礎を学んでおくと安心です。基礎知識を押さえることで、面接での質問にも自信を持って答えられ、入社後の業務にもスムーズに馴染めます。

人事関連の資格・スキル習得で差別化

未経験者が人事職に転職する際、資格やスキルのアピールで、他の応募者との差別化になります。資格があると、労務や給与計算、法的手続きなどの知識があることを客観的に示せます。社内での課題解決や提案ができるスキルを持つことは、即戦力として評価される要素です

人事の業務で役立つ資格やスキルは以下のものが一般的です。

  • ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)
  • 簿記
  • キャリアコンサルタント
  • 産業カウンセラー
  • 社会保険労務士(社労士)

また、Excelの操作スキルも重宝されるため、MOSを取得するのも良いでしょう。資格取得やスキル習得を通じて、未経験でも向上心がある人材として印象づけられます。

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人事求人票の読み解き方とブラック求人の見抜き方

求人票を正しく読み解くことは、ミスマッチを防ぐための重要なポイントです。募集要項では、業務範囲や必要スキル、残業時間、キャリアパスを確認しましょう。「未経験可」とあっても、実際に未経験で活躍できる環境が整っているのかチェックします

ブラック企業を見抜く注目ポイントは以下の通りです。

ポイント注意点
業務範囲「幅広く経験」と記載がある場合、何でもやらされる可能性あり
残業「残業ほぼなし」と記載でも繁忙期の実態を確認
離職率高い場合は職場環境に注意

求人票だけで判断できない場合は、口コミサイトの情報も有効です。実際に働いている人の意見を参考にしましょう。正確な情報収集により、入社後のギャップを減らすことが可能です。

転職エージェント・公的支援の効果的な活用

未経験で人事に挑戦する場合、転職エージェントや公的支援の活用で成功率の上昇が期待できます。

エージェントは求人紹介だけでなく、履歴書添削や面接対策、企業情報の提供も行ってくれます。企業の実情がわかる、非公開の情報を聞ける機会もあるでしょう。未経験者の場合、どの求人への応募が現実的か、スキルの効果的な見せ方など相談できるのは大きなメリットです

ハローワークや職業訓練校では、応募書類の作成や面接対策のサポートを受けることもできます。履歴書や職務経歴書の具体的なアドバイスや、人事関連スキルを習得できる講座も用意されています。

さまざまな支援を賢く活用すれば、人事職への転職活動を効率よく、かつ安心して進められます。

未経験から人事転職を成功させる4ステップ

人事未経験者がスムーズに転職するために、4ステップで整理しましょう。

ステップ1:自己分析で強みを言語化する

まずは、自己分析で自分の強みを明確にし、人事で役立つものを見つけましょう。

人事は組織に人材を適切に配置したり、社内制度を設計したりする仕事であり、人事に活かせる経験を理解していることが説得力につながります。

強みを整理するポイント

  • 前職での成果や役割
  • 周りから高い評価を受けた事柄
  • 得意なコミュニケーション方法
ステップ2:人事業務の理解を深める

未経験で人事に挑戦する場合、業務内容を正しく理解して、担当する業務のイメージを持っておくことが不可欠です。業務への理解が不十分だと、企業の求める人物像が把握しきれず、的外れなアピールになることがあります。

業務理解を深めることで、未経験でも企業が求めるポイントを押さえて、最適な言葉を選べるでしょう。

ステップ3:必要スキル・資格を習得する

人事未経験者が転職で差をつけるには、資格やスキル取得が有効です。資格は知識の裏付けとなり、スキルは即戦力として評価されます。

転職サイトで実際の求人を見て、どのような資格が歓迎されているのかチェックしてみましょう。

ステップ4:求人比較と面接準備をする

未経験から人事転職を成功させるには、求人票の比較と、入念な面接準備が必要です。求人票から業務範囲、教育体制、残業時間などを確認し、比較ポイントを箇条書きで整理することで、ミスマッチを防げます。

求人比較のチェックポイント

  • 募集職種・担当業務
  • 教育・研修体制
  • 部署内・同じ業務を担当する人数
  • 募集背景

また、面接では自分の強みや学習意欲を具体的なエピソードを加えて伝えられるよう、情報を整理しておきましょう。事前準備が整っていれば、未経験でも自信を持って面接に臨めます。

未経験で人事に転職して「きつい」と感じたときの対処法と体験談

未経験で人事に挑戦すると、思わぬ壁にぶつかることもあるでしょう。しかしながら、適切な対処法を知っておけば、負担を軽減できます。

一人で抱え込まない!社内・社外の相談先を活用する

人事は、社員から相談を受ける立場ですが、自分自身が困ったときに孤独を感じやすい職種でもあります。未経験の段階で難しい案件を一人で抱え込むと、精神的な負担が大きくなり、離職につながることもあるかもしれません。そんなときは社内外の相談先をうまく活用して、負担を減らしましょう。

  • 社内の相談先:上司、人事チームの先輩
  • 社外の相談先:キャリアカウンセラー・総合労働相談コーナー(厚生労働省)

人事は機密情報を扱う立場上、気軽に相談できない場合も多く、相談相手も慎重に選ぶ必要があります。社内は実務に直結した相談先、社外は客観的なアドバイスを得る場として使い分けるのもおすすめです。一人で悩むのではなく適切に相談することも、人事として長く働き続ける重要なスキルです。

スキル不足を感じたらどうする?学習リソースと資格活用

未経験で人事に就くと、法律知識や制度理解の不足を感じることもあるでしょう。そのままにしておくと「もう無理かも」と自信を失うことになりかねません。常に新しい制度に対応できるよう情報のアップデートを心がけましょう

学習リソース例

  • 厚生労働省・ハローワークの公式資料
  • オンライン講座
  • 専門書籍(労務・採用・評価制度)

資格取得で、新たな知識を身につけるのも良いでしょう。資格はスキルや知識を保障するものとなり、業務に対する自信がつき、より前向きに仕事に取り組めるようになります。スキル不足を感じたら、落ち込むのではなく「学ぶべきテーマが見つかったチャンス」と捉え、計画的にスキルアップを進めましょう。

メンタル面のセルフケアと働き方の見直し

人事は、部署間の調整や社員の相談対応などプレッシャーが大きい仕事が多くあり、精神的な疲労をためやすい傾向があります。大切なのはセルフケアの方法を知り、日々の生活の中で意識してメンタルをケアすることです。自分が疲れているサインを見逃さないようにしましょう。たとえば、睡眠の質が下がる、仕事への集中力が続かない、感情の起伏が大きくなるなどの症状は注意信号です。

健康を管理する方法としては、以下のようなものがあります。

  • 睡眠・食事・運動で生活のリズムを整える
  • 仕事とプライベートの境界を意識し、ワークライフバランスを確保する
  • 信頼できる人と会話する

自分を守る方法として、自分に最適なセルフケアの方法を知っておきましょう。

未経験で人事を担当した人が「きつさ」を乗り越えた体験談

20代女性 事務職

担当業務が変わり、私は全くの未経験で採用業務と人事企画を担当することになりました。

特に苦戦したのが評価制度の見直しです。自分で調べたり上司に相談したりしながら進めていましたが、ふと「この制度で自分が評価されたらどうなるんだろう」と強い不安に襲われました。営業職のように数字で結果が明確に出る仕事ではないため、自分の貢献度が正しく評価されるか自信が持てなかったのが原因だと思います。

しかし、その不安により「結果がわかりづらくてモチベーションを保ちづらいのは、きっと私だけではない」と気づきました。私が作る評価制度は、結果がわかりづらい業務をする人の努力が、正しく報われる仕組みでなければならない、と考え直したのです。

自分の評価への不安が薄れ「社員の意識向上につながる制度を作る」との本来の目的へ意識を集中できるようになりました。

人事が未経験の方に関するよくある疑問や質問

人事が未経験の方に関するよくある疑問や質問をまとめました。

人事未経験は何歳まで採用される可能性がある?

企業は年齢だけではなく、前職での経験やスキルも含めて評価します。そのため、未経験でも人事に役立つ経験やスキルを面接で伝えられれば、年齢に関係なく未経験者でも挑戦可能です。

未経験から人事に転職するメリットとデメリットは?

メリットは、人事スキルの習得により将来のキャリアの幅が広がることです。労務や採用の経験は他業界でもそのまま活かせます。一方、デメリットは、入社直後は覚えることが多く、精神的な負担が大きいことです。段階的に業務を学び、適切なタイミングで相談していくことで、負担を軽減しながら成長できます。

未経験可の人事求人は少ないため、興味ない業界でも検討すべき?

人事は、業界による業務内容の違いが少ない職種のため、業界にこだわりすぎる必要はないでしょう。未経験可とされているチャンスを活かして、挑戦しましょう。

まとめ|人事は未経験だときついのは事実、だが対策次第で十分チャンスはある

この記事では、未経験での人事について解説しました。

未経験で人事に転職する際は、覚えることや精神的な負荷が多く「きつい」と感じる場面もあるでしょう。しかし、自分に適した転職先を選び、研修や継続的な学習で、負担を軽減できます。

まずは人事総務や人事事務の求人を転職サイトでチェックしてみましょう。

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