転職エージェント面談で本音を話しても大丈夫?3つのメリットを解説

転職エージェント面談で本音を話しても大丈夫?3つのメリットを解説
記事まとめ(要約)
  • 本音を伝えることは転職成功を早めるための最短ルート
  • 本音を伝えてOK・NGの線引き
  • 退職理由や希望条件の正しい伝え方・テンプレート

「転職エージェントの面談で本音を話しても大丈夫?」
「ネガティブな退職理由を言うと見捨てられるかも……」
「本音を伝えることにメリットはあるの?」
こんな悩みを抱えていませんか?

この記事では、面談でどこまで本音を話してOKかの線引きや、ネガティブな退職理由をポジティブに伝えるテンプレートまでわかりやすく解説します。

最後まで読めば、転職エージェント面談を、自分の希望を叶えるための有効なステップとして活用できるようになります。

本記事のライター
伊藤えま
  • 採用・人事歴10年以上
  • 中途採用のみで900名以上を選考
  • 採用統括責任者として書類選考・面接・採否の決定を担当
  • 人事評価基準の策定・人事考課にも従事
  • 社員のキャリア相談を多数経験
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)

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目次

転職エージェントが面談で“本音”を知りたがる理由とその背景

転職エージェントは、あなたの希望条件や転職の背景をできるだけ正確に知ることで、適切な求人を紹介しようとしています。しかし、多くの人は「建前だけで話すべき」と考え、表面的な希望しか伝えない傾向があります。ここでは、なぜエージェントが本音を知りたがるのか、その背景を見ていきましょう。

エージェントの目的はマッチングの成功

転職エージェントの仕事は、あなたに合った求人を見つけ、企業に紹介することです。企業が求める人物像とあなたのスキルや企業条件が合わなければ、紹介の段階でマッチングがうまくいきません。本音を話すことで、エージェントは以下の条件を正確に把握し、より的確な求人を紹介できるようになります。

  • 希望する給与や勤務条件
  • 過去のキャリアで感じた不満や転職理由
  • どのような職場環境で働きたいか

建前だけで話すと、エージェントは表面的な条件しか理解できず、ミスマッチが起こる可能性があります。

表面的な希望だけでは信頼関係は生まれない

面談で建前だけ話すと、エージェントとの信頼関係は築きにくくなります。建前だけではあなたの本当の希望や価値観が伝わらず、エージェントはあなたに合った求人を正確に把握できないからです

たとえば「現職の人間関係は良好」と伝えてしまうと、実際には上司との摩擦に悩んでいる場合でも、エージェントは知らないまま求人を紹介することになります。結果、紹介された求人があなたの希望とズレてしまい、転職エージェントの価値を十分に得られません。一方、正確な状況や希望を具体的に伝えれば、エージェントはその情報をもとに適切な求人を提案できます。

建前だけでなく、必要な範囲で本音を話すことが、面談での信頼関係を生むポイントです。では、どこまで本音を話して良いのでしょうか。その線引きについて次項で解説します。

転職エージェント面談ではどこまで本音を話していい?伝えてOK・NGの線引き

「本音を話しても大丈夫か」「ネガティブな退職理由はどう伝えればいいか」と悩む人は多いでしょう。ここでは、面談で話してOKな内容と、注意が必要な内容を整理します。

話してOKな本音の例

面談では、自分の希望や現状の悩みを正直に、かつ前向きに伝える本音は話してOKです。正直に話すことで、エージェントはあなたに合う求人を提案しやすくなります。

具体例としては、以下のような内容です。

  • 現職でスキルアップの機会が少なく、成長環境を求めている
  • 残業や休日出勤が多く、ワークライフバランスを重視したい
  • チームの人間関係にストレスを感じており、風通しの良い職場を希望している
  • 将来的に専門スキルや資格を活かせる仕事に挑戦したい

これらは、あなたがどう働きたいかを知るための情報です。具体的に伝えるほど、エージェントはあなたに合った求人を紹介しやすくなります。

注意が必要・言わない方がいい内容

面談で正直さは大切ですが、言い方次第でマイナス評価につながる内容は避けましょう。エージェントは、面談の内容をあなたの市場価値や企業への適性を見極めるための判断材料とします。ネガティブな言動が続くと、エージェントからの信頼を得られず、結果として紹介される求人の質や数が制限されてしまう可能性があります。

具体的には、以下のような内容に注意しましょう。

  • 前職の同僚や上司を批判する内容
  • 感情的な愚痴や過剰な自己否定
  • あいまいで明確な目標がない転職理由

面談では、本音を話す際も表現の仕方に注意することが、良好な関係を築く足がかりとなります。

退職理由がネガティブだと伝え方に迷う方も多いのではないでしょうか。次に、退職理由をポジティブに言い換えるコツを解説します。

転職エージェント面談でネガティブな退職理由をポジティブに伝えるコツ

面談でネガティブな退職理由を話すときは、単なる愚痴で終わらせないようにしましょう。ポジティブに伝えるコツを解説します。

退職理由はどうなりたいかを軸に、前向きに伝える

退職理由を、実現したい未来に変換して伝えます。理由を話す際は、原因の羅列ではなく「改善したいこと」や「次の職場で実現したいこと」を必ずセットで伝えましょう

たとえば、人間関係で悩みがあったなら「指示の仕方が合わず業務が滞ることがあった」との事実の後に、「チームで協力し、効率よく働ける環境を希望しています」と前向きな希望を伝えると良いでしょう。

「給与が低い」といった待遇への不満も同様です。「スキルや経験を活かし、正当に評価してもらえる職場で貢献したい」と目標に言い換えます。すると、単なる不満ではなく、次のキャリアで目指す方向性を明確に伝えられます。

伝え方のテンプレート

具体的な伝え方として、面談で使えるシンプルなテンプレートをご紹介します。

STEP
現状の課題を簡潔に説明

「現職では、業務がマニュアル化されており、スキルを伸ばす機会が限られていました」

STEP
その課題に対する自分の思い・学びを添える

「新しい知識や経験を積むことで、より幅広い仕事に挑戦したいと考えました」

STEP
次に求める環境・目標を具体的に伝える

「専門スキルを活かせる職場で、成長しながら貢献できる環境を希望しています」

順番に沿って話すと、ネガティブな要素を前向きに変換でき、エージェントに誠実さと意欲を伝えられます。愚痴や批判だけで終わらせず、必ず次にどうしたいかをセットで伝えることがポイントです。

転職エージェント面談で本音を話すことで得られる3つのメリット

面談で本音を正直に伝えることは、不安に思うほどリスクではありません。むしろ転職活動を有利に進める武器になります。ここでは特に知っておきたい3つのメリットをご紹介します。

  • 自分に本当に合う求人を紹介してもらえる
  • 面接対策や書類添削が的確になる
  • エージェントから信頼され、サポートが手厚くなる

自分に本当に合う求人を紹介してもらえる

面談で本音を伝えると、エージェントはあなたの希望の優先順位を正確に把握でき、自分に合う求人だけを紹介してもらえるようになります。建前だけでは表面的な条件しか伝わらず、実際に働いたときにミスマッチが起こることがあるかもしれません。

伝えるべき希望には、以下のようなものがあります。

  • 残業時間の目安(例:月20時間以内)
  • チームの雰囲気(協力的な環境を希望)
  • 勤務地や通勤時間の希望

具体的な希望を伝えることで、自分に本当に合う職場と出会う近道になります

面接対策や書類添削が的確になる

本音を話すことで、エージェントはあなたの強みや退職理由、志望動機を正確に理解でき、面接や書類作成のアドバイスが的確になります。候補者の本当の状況や希望を知らなければ、応募先企業に合わせたサポートは難しくなるからです

  • 面接で聞かれそうな質問への回答例を準備してもらえる
  • 履歴書・職務経歴書の表現を企業に合わせて調整してもらえる
  • 書類通過率や面接での印象向上につながる

本音を伝えることで面接や書類の準備が円滑に進み、結果的に転職活動の成功につながります。

エージェントから信頼され、サポートが手厚くなる

本音を伝えると、エージェントはあなたを信頼できる候補者と判断し、サポートが手厚くなるのもメリットです。正直な情報を伝えることでエージェントも安心し、求人や非公開求人への案内がしやすくなります

たとえば、給与やキャリアの希望を具体的に伝えることで、エージェントはあなたの条件に最適な非公開求人を優先的に紹介できます。また、応募書類の修正点なども、より詳細で実践的なアドバイスが可能です。

本音を適切に伝えることは、エージェントとの信頼関係を築き、手厚いサポートを引き出すための最短ルートとなります。

転職エージェント面談で「本音を話したら悪い印象?」と不安に感じる人へ

本音を伝えると、エージェントに見捨てられたり、説教されるのではと不安になる方もいるでしょう。しかしながら、これは多くの場合、誤解や緊張からくる心理的な不安です。エージェントは求職者を評価して見かぎることを目的としているわけではなく、あくまであなたに合った求人を紹介し、転職成功に導くことが役割です。ここでは、そんな不安を解消しつつ、面談に臨むポイントを解説します。

面談で泣いてしまったときの対処法

面談中に感情が高ぶり泣いてしまうことは、決して珍しいことではありません。特に、人間関係の悩みや現職への不満を本音で話す場面では、今まで我慢していた感情が高まりやすくなります

もし面談中に感情が高ぶってしまったら、まずは焦らず落ち着く時間を取りましょう。深呼吸して、一度言葉を止めても全く問題ありません。「少し感情的になってしまいました」とエージェントに正直に伝えるだけで、状況を理解してもらえます。

エージェントは、涙からあなたの転職への真剣さや本音の重みを感じ取ります。より親身に対応してくれることが多いため、感情を無理に抑え込む必要はありません。大切なのは、感情を隠すことではなく「伝え方」を少し調整することだけです。

もしエージェントが合わないと感じたら?担当変更の考え方

エージェントと相性が合わないと感じる場合もあるでしょう。希望とは異なる求人ばかり紹介される、サポートが冷たい、知見に不安がある、などの理由が多く見られます。この場合、担当変更の依頼が可能です。

無理に我慢して同じ担当者に依頼を続けても、転職活動がストレスになり、適切なサポートが受けにくい状況が続きます。依頼は、電話やメール、サイトから、合わないと感じる理由を添えて、変更を申し出ましょう。

エージェントは転職成功がゴールであるため、希望すれば柔軟に変更に応じてくれることがほとんどです。本音を話すことと、相性は別の話と捉えましょう。

転職エージェント初回面談に向けての準備と心構え

初回面談は、転職活動の方向性を決めるステップです。本音をスムーズに伝えるためには、事前に準備を整え、心構えを持って臨むことがポイントです。準備することで、面談中の緊張や不安を和らげ、エージェントとの信頼関係を築きやすくなります。

話す内容を整理しておく

面談で伝える内容を事前に整理しておくと、焦らず本音を伝えやすくなります。具体的には、以下の3つをまとめておくとスムーズに進みます。

  • 現職の仕事内容や課題
  • 転職を考えた理由(ポジティブ・ネガティブの両方)
  • 希望する働き方や条件(勤務時間、給与、勤務地など)

整理しておくと、話の順序が明確になり、緊張しても内容がぶれません。また、ノートやメモに書き出しておくと、面談中に迷ったときもチェックできます。

面談の準備は、本音を上手に伝えるためのツールだと捉えましょう。そう考えることで、前向きに対策を進められます。

信頼を築くコミュニケーションのコツ

面談は、単なる情報交換の場ではありません。あなたの本音を受け止めてもらい、手厚いサポートを受けるためには、エージェントとの信頼関係を築く姿勢が大切です。

以下の3つのポイントを実践しましょう。

  • 相手の話を遮らず、最後まで聞く
  • 質問には正直かつ簡潔に答える
  • 不明点や疑問点は遠慮なく確認する

また、伝え方の工夫も信頼関係につながります。信頼感のあるコミュニケーションこそが、あなたの本音を引き出し、転職成功を早めるための第一歩となります。

「本音を上手に伝える練習」をしてみよう

実際の面談でスムーズに話すために、事前に一度、自分の本音を「声に出して」練習しておきましょう。練習で言葉が自然になり、たとえ感情的になりそうになっても、落ち着いて本音を伝えきる力がつきます。

具体的な練習方法
  • 鏡の前で、エージェントに話すつもりで話してみる
  • 家族や友人にエージェント役をお願いし、模擬面談をする
  • 退職理由や希望条件などを、一文ずつ整理しながら口に出してみる

練習は、面談で自分を的確に表現するための準備だと捉えれば、気持ちも軽くなるでしょう。

「面談がめんどくさい」と感じるときの考え方

面談が面倒に感じる方も多く見られますが、面談は自分の希望や悩みを整理する機会だと捉えると気持ちが切り替わります。

面倒だと感じる理由の多くは、準備や本音を伝える緊張から生まれます。短時間の面談で自分の方向性が整理できれば、その後の転職活動がスムーズになり、ミスマッチを避けることにつながるのです。面倒だからと後回しにすると、自分に合う職場を逃すリスクが高まります。行動することで得られる価値が大きいと知れば、気持ちを切り替えやすくなるでしょう。

面談は、自分に最適な転職先を見つけるためのステップです。この視点を持つだけで、めんどくさい気持ちも前向きに変わるでしょう。

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転職エージェント面談で話す本音についてよくある疑問Q&A

転職エージェント面談で話す本音についてよくある疑問をまとめました。

転職エージェントは求職者の本音をどこまで企業に話す?

エージェントは、あなたの希望や経験、強みを企業に伝えますが、個人的な不満や感情的な批判は基本的に共有しません。退職理由も前向きに整理して伝える場合のみ、企業に理解しやすい形で紹介します。

転職エージェント面談で本音を話すと不利になることはある?

本音を話して不利になることはほとんどありません。ただし、感情的で攻撃的な表現は避けるべきです。自分が力を発揮できる環境を求めている、と前向きに整理して伝えましょう。

まとめ|転職エージェント面談では本音を伝えることが信頼のサイン

この記事では、転職エージェント面談で話す本音について解説しました。

建前だけで話すよりも自分の希望や悩みを整理して本音を伝えることで、信頼につながり、希望に合う職場を紹介してもらいやすくなります。さらに、書類や面接対策もより的確になります。

安心して、自分の考えや希望を整理して面談に臨みましょう。

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