・40代転職の書類通過率は一般的に10~15%
・書類選考が通らない原因は経験・スキルの不一致や書類の内容にある
・戦略的な応募書類の作成で通過率を大幅に改善可能
「40代になって転職活動を始めたけれど、書類選考でなかなか通らない」
「書類選考で落ちまくる……40代の転職は無理?」
「落ち続けてメンタルがきつい」
このようなお悩みを抱えていませんか?
40代転職の書類選考通過率は一般的に10〜15%程度ですが、ちょっとした工夫や戦略で通過率は大きく変わります。
この記事では、40代の転職での書類選考通過率の実態や、書類選考が通らない理由、40代ならではの職務経歴書の作り方をわかりやすく解説します。
最後まで読めば、あなたの書類が内定に近づく作成方法がわかります。
本記事のライター:伊藤えま
採用・人事歴10年以上。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)取得済み。採用統括責任者として現場で得てきたリアルな知見を、発信している。
40代転職における書類選考通過率の実態

40代の転職では「書類選考は通りにくい」と言われますが、実際の数字を知ることで自分が平均的なのかが見えてきます。ここでは、40代の平均と業界・職種による違いを整理しましょう。
全体の書類選考通過率と40代の目安
一般的に、転職市場での書類選考通過率は20〜30%前後と言われており、10社応募すれば2〜3社は面接に進めるイメージです。一方、40代に絞った場合、数字はやや低下する傾向があり、40代の平均は10〜15%程度とされます。40代の通過率は、全体の平均と比較すると半分近くに数字が落ちています。
40代の通過率が低下するのは、若手層に比べて採用コストが高いことや、未経験職種への挑戦が難しいといった背景があるためです。ただし、この数字は全体平均であり、業界や応募方法、書類の完成度によって変わります。
40代の書類選考通過率は確かに低下しますが、適切な対策により通過率を上げられます。
業界・職種ごとの通過率の違い
通過率は、応募する業界や職種により大きく変わります。業種や職種ごとの違いを見ていきましょう。
業種・職種 | 書類通過率の傾向 | コメント |
---|---|---|
IT・Web系 | やや高め(20%前後) | 人材不足のため年齢よりスキル重視 |
営業職 | 中程度(15%前後) | 実績や成果を数字で示すと有利 |
事務・総務 | 低め(10%以下) | 若手優先で倍率が高い |
管理職・マネジメント | 二極化(5~30%前後) | 実績が合えば高通過率、合わなければ不利 |
「どこに応募するか」で同じ40代でも通過率は2倍以上の差がつくこともあります。
40代転職で書類選考が通らない主な4つの理由

40代転職で書類選考が通らない場合、たいていは同じような理由が原因です。
- 応募先と自分の経験・スキルが合っていない
- 職務経歴書や履歴書の内容が不十分
- 希望条件が厳しすぎる
- 職場に馴染めないのではという不安
ここでは、よくある理由を整理し、どのような対策が必要かのヒントも交えて解説します。
応募先と自分の経験・スキルが合っていない
理由の1つ目は、応募先の求める経験・スキルと自分の経験が合っていないことです。40代は即戦力として期待されるため、採用担当者は過去の実績やスキルの一致度を厳しくチェックします。未経験での転職は、40代にとっては厳しい状況にあるのが現実です。
たとえば、営業経験が豊富でも、応募先がIT系の企画職を求めている場合、書類だけでは「本当に活躍できるか」を判断しにくく、通過率は低くなります。
対策として下記ポイントをチェックしましょう。
- 応募職種に合わせて、職務経歴書の強調する点を変える
- 未経験分野に挑戦するときは、関連するスキルや経験を見つける
職務経歴書や履歴書の内容が不十分
理由の2つ目は、応募書類そのものの完成度が低いことです。応募書類の内容は通過率に直結します。特に40代は職務経歴が長いため、長すぎて読みづらい、実績が具体的に示されていないと評価が下がる傾向があります。
通過率を上げるポイントは、数字や成果で実績を見せることです。「売上前年比120%達成」「チーム10名を管理してプロジェクトを成功」といった具体例は、採用担当者が即戦力をイメージしやすくなります。
- 実績を数字で示しているか
- 経験と求人の関連性は明確か
- 読みやすいレイアウトになっているか
希望条件が厳しすぎる
40代の書類選考が通過しない3つ目の理由は、給与や勤務地、勤務形態など、希望条件が高すぎることです。40代は経験やスキルに見合った待遇を求める傾向がありますが、企業側の採用基準とかけ離れていると、書類選考で落とされやすくなります。
企業の給与基準によっては、経験があっても新入社員と同様の扱いと判断され、低い給与水準からのスタートとしている場合もあります。
求人票をよく読み、企業の条件と自分の希望をすり合わせるようにしましょう。また、希望条件を優先度別に整理し、複数の求人を比較して、より自分の希望に合った求人を見つけるのもおすすめです。
条件は最初から譲れないと決めつけるのではなく、内定後に交渉する方がスムーズに進められることもあります。企業に「入社して欲しい」との評価があれば、希望が認められやすくなるからです。
職場に馴染めないのではという不安
4つ目の理由は、採用担当者が職場に馴染めるかと懸念することです。「40代は柔軟さがないのでは」と不安視されることがあります。特に管理職ではない一般社員の求人では、経験やスキルだけでなく、人柄や柔軟性も判断材料となります。
対策としては、チームでの成功経験をアピールするのが有効です。
- チームでの成果:プロジェクト成功例を具体的に記載
- コミュニケーション力:会議・調整・社内改善の経験を具体例で示す
職務経歴書で具体的に示すことで、採用担当者は「この人ならチームにスムーズに溶け込める」と感じ、書類選考の通過率が高まります。年齢による不安を逆手に取り、経験から柔軟性をアピールできます。
40代が転職で書類選考通過率を高めるための6つの改善策

40代の転職では、書類選考での第一印象が重要です。経験やスキルをただ並べるのではなく、応募先に合う戦略的な書類作成が通過率を左右します。ここからは、具体的に実践できる6つの改善策を解説します。
- 成果を数字でわかりやすく示す職務経歴書
- 求人票に合わせて内容をカスタマイズ
- 40代だからこそ評価される強みをアピールする
- 40代が狙いやすい業種や職種を狙う
- 転職エージェントを活用する
- 40代転職の転職エージェント経由で通らない場合の対処法
成果を数字でわかりやすく示す職務経歴書
40代の書類選考では、経験の長さだけでなく具体的な成果を数字で示すことが通過率を左右します。採用担当者は、多くの応募書類を短時間で確認し、応募者の能力を判断する必要があります。そのため、数字や具体的な指標を使ったわかりやすい成果の可視化が重要です。
たとえば、売上やコスト削減の実績、チーム人数やプロジェクトの規模を数字で示すと、経験の重みがひと目で伝わります。
例:数字で示す職務経歴書
- 売上前年比120%達成
- 部下10名を管理しプロジェクト成功
- コスト削減率15%達成
数字だけでなく、成果を簡潔に文章で説明すると印象がより強くなります。「数字+背景+成果」をセットにすると、採用担当者は即戦力と判断しやすくなり、書類通過率が向上します。
求人票に合わせて内容をカスタマイズ
書類通過率を上げるためには、応募先ごとに職務経歴書や履歴書の内容を調整することが不可欠です。求人票に記載された必須スキルや歓迎条件に沿って強調する経験を選ぶことで、採用担当者に「求める人材だ」と思わせます。
- 求人で求められているスキルを見出しや箇条書きで前面に出す
- 関連する実績やプロジェクト経験を冒頭に配置する
- 応募先企業の特徴に合わせた自己PRを加える
調整をするだけで、書類選考の印象は大きく変わります。応募するたびに職務経歴書をブラッシュアップする習慣を身につけましょう。
40代だからこそ評価される強みをアピールする
40代だからこその豊富な経験や強みをアピールしましょう。40代の転職では、単なる経験年数よりも管理職経験・課題解決力・プロジェクト成功実績など即戦力としての強みが評価されます。採用担当者は「この人ならチームや組織で即活躍できる」と感じられるポイントを重視して選考します。
強みを伝えるポイント
- マネジメント経験:部下人数・期間・成果を明記
- プロジェクト推進力:スケジュール・予算・成果を数字で示す
- 問題解決力:課題の背景・解決策・結果を簡潔に記載
自分の経験を応募先に合わせて整理し、書類の上で強みをアピールすることで、通過率が上がります。
40代が狙いやすい業種や職種を狙う
40代が転職活動で書類通過率を高めるためには、年齢や経験に適した業種・職種を選ぶことも大切です。経験やスキルがそのまま評価されやすい分野を狙うことで、書類選考の不合格率を減らせます。
たとえば、管理経験がある場合は、管理職やマネジメント職を選べば、経験を活かして即戦力として活躍しやすくなります。また、ITや介護、医療など人材不足の分野であれば、倍率が低く書類選考が通過しやすくなります。
書類選考を通過するためには、応募する求人を慎重に選ぶことが内定への第一歩となります。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用するのも40代の転職では有効な方法です。エージェントを活用すると、書類添削により通過率の向上が期待できます。40代の応募者は条件と経験のバランスが求められるため、第三者の視点での書類のブラッシュアップが大きな武器となるのです。
また、転職エージェントが書いた推薦文が、選考に良い影響を与える場合もあります。
転職エージェント活用のメリット
- 書類添削:職務経歴書・履歴書の見せ方を改善
- 推薦状作成:採用担当者に説得力のある紹介文を添付
- 求人紹介:非公開求人も含め自分に合う企業や条件を提案
エージェント経由で応募すると、書類選考の通過率が上がるだけでなく、面接までも通過率の向上が期待できます。
40代転職の転職エージェント経由で通らない場合の対処法
エージェント経由でも書類が通らない場合は、原因分析と書類の再ブラッシュアップが不可欠です。採用担当者の目に留まらない原因を探り、改善ポイントを見つけましょう。
チェックポイント
- 書類の読みやすさや成果の見せ方を再確認
- 応募条件の妥当性を再チェック
- 複数のエージェントに相談し求人の幅を広げる
書類選考の通過率は、不採用の原因を把握し、戦略的に書類を作ることで改善します。また、自分の強みを整理することは自信につながり、次の応募へのハードルを下げる効果もあります。
40代転職で書類選考に落ち込んだときの対処法

書類選考で思うように成果が出ないと「誰にも求められていない」と気持ちが沈みがちです。特に40代では通過率が低いため、自己評価が揺らぐこともあります。ここでは、落ち込む心理状態を客観的に見て、前向きに転職活動を続けるための具体的な対処法をご紹介します。
40代転職で書類選考に落ち続けることで生まれる心理的負担
40代での転職活動は書類選考で落ちる可能性が高く、落ちる経験が続くと心理的な負担が大きくなりがちです。「自分はもう必要とされないのでは」といった不安や焦り、自己評価の低下などが生じやすく、精神的なストレスが蓄積します。
特に長期間応募しても通過しない場合、モチベーション低下により活動の停滞につながることもあります。「もう40代だから無理」と諦める気持ちが生まれる場合や、面接まで進めないことで焦燥感を感じることもあるかもしれません。
心理的負担は応募書類の質にも影響します。まずは「書類が通らないのは年齢だけでなく、条件や書き方にも原因がある」と認識し、冷静に改善策を考えましょう。
40代転職で気持ちを立て直す具体的な方法
落ち込んだときは、気持ちを立て直すための具体的な方法を取り入れましょう。自分の経験やスキルを再確認し、書類内容の改善点を整理することで、自信を自然に回復できます。
- 成功体験の振り返り:過去の成果やプロジェクト経験を一覧化
- 書類のブラッシュアップ:数字や具体例を加え、見やすく整理
- 小さな目標設定:1日1社の応募や書類改善など達成感を意識
応募の合間に運動や趣味などのリフレッシュ時間を設けることも有効です。心理的負担を減らし、前向きな気持ちで応募を続けることが、最終的な書類通過率アップにつながります。
40代転職のメンタル維持に役立つサポート活用
転職活動のストレスを軽減するには、外部のサポートに頼るのもおすすめです。自分だけで悩まず、専門家や同じ境遇の人との交流を通じて、メンタルを保てます。
活用できるサポート例
- 転職エージェントによる応募書類のアドバイス
- キャリアカウンセリングやコーチングの活用
- 同年代の転職コミュニティでの情報交換
外部サポートは、書類作成や応募戦略だけでなく、心理的な支えにもなります。特に長期戦になりやすい40代の転職では、孤独感を減らす工夫が通過率の向上にもつながります。
40代転職の書類選考通過率でよくある疑問Q&A
40代転職の書類選考通過率について、よくある疑問をまとめました。
- 40代の転職で100社応募しても落ちることもある?
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40代では100社応募しても書類選考で落ちるケースがあります。40代の平均通過率は10〜15%程度ですが、経験や業界の倍率によっては、書類選考通過率が低くなることも珍しくありません。戦略を見直すチャンスと捉え、正しい戦略と工夫で、次の応募に活かしましょう。
- 40代の転職で一次面接の通過率は?
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40代の一次面接通過率は、一般的に30〜40%程度とされています。ただし、企業の選考ステップや採用方針により違いがあります。面接でも戦略的な行動が不可欠です。
まとめ|40代転職の書類選考通過率は戦略で変えられる
この記事では、40代転職の書類選考での通過率について解説しました。
売り手市場が続いているため、以前と比べると40代の転職はしやすい状況となっています。それでも、40代の書類選考通過率は全体平均の半分程度となっており、戦略的な応募書類の作成は欠かせません。
さっそく転職エージェントに相談して通過率を上げる作戦を進めましょう。